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負け組にならないためには『負け犬の遠吠え』

こんにちは、オマンです。
今回は友達に薦めてもらって面白かった本を紹介したいと思います。

本書はほとんどが女性目線で女性向けに書かれているのですが、男性の私から見ても面白い内容でした。
しかし、2003年に発行されて少し古いので、結婚の価値観や性的少数者に対する理解の違いで違和感を感じることがありました。

1. 紹介する本

『負け犬の遠吠え』[著]酒井 順子

2. 感想

本書では最初に負け犬の定義を行っています。「未婚」、「子ナシ」、「三十代以上」の女性が負け犬と定義されています。多くの人がイメージしているような金がなく、他人を妬むなどしている人ではありません。

一方、男性の負け犬を5種類の負け犬と定義しています。リアルの女性に興味を示さない「オタ夫」、リアルの女性に恐怖を示している「ダレ夫」、リアルの女性を見下している「ジョヒ夫」、結婚するのにネガティブな部分を持っている「ブス夫」、リアルの女性に暴力など不快感を与える「ダメ夫」がいます。

勝ち犬も「負け犬のカテゴリーに属していない」女性と定義されています。平均年収が低くてもバツイチであっても勝ち犬となります。

これらの負け犬がどのようにして負け犬に成り下がってしまうのかを明確にして、負け犬の発生原因、負け犬の特徴を解説しています。
また、負け犬と人口減少、負け犬と経済などの日本が持っている深刻な問題との因果関係をも明らかにしています。

私が大いに納得したものが「負け犬と都会」に書かれていた「都会の負け犬率が高い」です。原因として都会には田舎と違い様々な娯楽にあふれていること、他人との関わりが薄くなり興味がなくなることが挙げられています。
都会に住んでいると居心地がよくなってしまい、結婚という最大の娯楽に気づくことなく年を取ってしまい負け犬になることに気づかされました。都会には魔物が住んでいると言われている、その住んでいる魔物と一緒に楽しく日々楽しく過ごしているように思えてきました。

女性の負け犬、男性の負け犬を嘲笑うようなことを書かず、負け犬になった人を負け犬目線から応援して、これらから負け犬にならないよう負け犬予備軍達に警告しています。

家族で過ごすことに憧れる集団主義より一人暮らしに憧れる個人主義の負け犬が育ち、欲望を押さえつける日本人だからこそヒットした本であると思いました。

この本は主に30代以上で未婚の女性、男性をターゲットに書かれていますが、それ以外の人(勝ち犬、負け犬予備軍)にも痛快で面白いと思うのでぜひ読んでみてください!

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