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心理相談室O-Live便り『知能検査について』

こんばんは、心理相談室O-Liveです。
O-Liveと書いて(オーライブ)と読みます。
O-Liveはオンライン専門の相談室です。
全国どこからでもカウンセリングを受けることができます。
詳しくはHPをご覧ください。

朝晩が急に冷え込むようになりましたね。
寝具を秋物にかえてたので、ぽかぽかと温かい毛布に包まれたときが最近一番幸せを感じる瞬間でした。

みなさんはどうですか?
よかったらコメント欄で教えてください。


さて、本日は「心理検査」について、書いていきたいと思います。
心理検査と聞いてどんなイメージがわくでしょうか。

中には小学生くらいの時にやった、心理テスト(『あなたの目の前に大きな川があります。それはどれくらいの大きさですか?』というようなもの)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
実際私が大学生の頃も、同じ学科の学生の内数名は心理学とはそういうものだというイメージを持っていましたので、こちらのほうが認知度は高いでしょう。

ただ、臨床心理士や公認心理師といった心理学の専門家が扱う心理検査とは上記のようなものではありません。心理検査といっても、実際はいくつかの種類に分けられているのですが、今回扱うのは「知能検査」についてです。

知能検査にもいくつかの種類があるのですが、今回はウェクスラー式の知能検査について説明しようと思います。ウェクスラー式の知能検査では主に、
大人用の『WAIS(ウェイス)』
子ども用の『WISC(ウィスク)』の2種類が用いられています。
有名な検査なので、中には名前を聞いたことがある方や、実際に受けたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

知能といっても、いわゆる成績の良し悪しをはかるものではありません。
学校のテストとは随分と形式が異なります。
以下で詳しく説明を行っていきます。


①知能検査で何がわかるのか

知能検査では、IQと呼ばれる知能指数をはかることができます。
IQは同年齢集団(自分と同じくらいの年齢の人たち)の中で、どれくらいの位置にいるのか、ということがわかります。
この数値が一定よりも高いとギフテッドと呼ばることがあり、メンサに入会するのにも用いられているようです。また一定よりも低い場合は、知的障害を有している可能性が高くなります。

さらに結果を細かく見ていくことで、どのようなことが得意で、どのようなことが苦手かということも知ることができます。人は誰しも得意なことと苦手なことがありますが、その差が大きくなるほど日常生活の困りごとが起きやすくなります。
そのため、自分の得意・苦手を知っておくことはとても重要です。

②知能検査はどんな人が受けるのか

知能検査は主に、
・療育手帳の取得などIQの算出が必要な人
・学校や職場などで困りごとがあり、その原因に得意苦手が関係していそうな人

などが検査の対象となります。

検査を受けるためには、
・検査が可能な精神科もしくは心療内科クリニック・病院
・行政の相談機関
・私設の相談室(検査を実施できる人がいる相談室に限る)
等を利用することが必要となります。そこで、主治医またはカウンセラー(テスター)と、何のために検査が必要なのか、今何に困っていて検査を受けることがどう影響するのかについて相談しながら、検査を実施するかどうか決めていきます。

検査を行うことが心身の負担になる場合もあります。
必ずしも全員が受ける必要はありません。

特にお子さんの場合、自分が何をするのか全く知らされずに連れてこられることもあります。私が検査を実施する場合は、事前に検査の意図を必ず説明をしますが、できれば嘘をついて連れてきたり、本当のことを隠したりするようなことは控えていただきたいなと思います。

また、時々知能検査を受けたら発達障害がわかると言われる場合もありますが、それは間違った情報です。発達障害は知能検査だけで判断するものではなく、検査結果だけで診断することもできません。

③知能検査の活用方法

検査は受けて終わりではありません。
また、機械的に結果が出るのではなく、検査者が丁寧に分析をして結果を出しています。そのため、検査の結果がわかるまでに時間がかかる(2週間〜1ヶ月ほど)ことも少なくないでしょう。

結果はカウンセラー、または主治医から伝えられることになりますが、そこで数値だけでなく、今後の過ごし方の工夫などについても教えてもらうことができます。場合によっては、検査結果をまとめたものを書面で渡されることもあるでしょう。

大事なのは数字ではなく、そこから見えてくることです。
時々「ここの数値が低いのはどうやって伸ばしたらいいですか?」と尋ねられることがあります。しかし私は、苦手なことをどうやって伸ばすかばかりに固執していても、生きづらさは解消されにくく、暮らしの満足感は得難くなると考えています。

それよりも、得意なことを活かしながら、苦手なことをカバーしていく方法を考え、実践していくことをお勧めします。ついできないことばかりに目が向いてしまう、という方も、この視点で考えてみると視野が広がり、過ごしやすくなるかもしれません。

また、必要に応じて検査結果を周囲と共有しても良いでしょう。
関わる人が同じように理解して関わることで、より過ごしやすい環境づくりにつながります。

おわりに

心理検査の結果について改めて考えたい。など、こんなことで相談していいのだろうか、と思うようなことでも構いません。
心理相談室O-Liveはあなたからの相談をお待ちしています。

担当するカウンセラーは臨床心理士・公認心理師という専門の資格を持っており、検査の実施経験も豊富です。また、幅広い分野での勤務歴がありますのでどのような年代の方でも安心してご相談いただけたらと思います。

それでは季節の変わり目ですので、皆さんご自愛ください。

臨床心理士・公認心理師
有馬 佐知江




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