Work-Life-Art展 出展者座談会 Vol.2

Work-Life-Art展の座談会第2弾を開催しました。
今回は2名の出展者の方からお話を聞きました。

〈司会・進行〉
さだっち おかやまデザイナーコネクト代表
SNS:https://twitter.com/sada_cchi

〈座談会ゲスト〉
M∞de(モード)メンバー  MAKOTO
作品形態:半立体イラストレーション
SNS:https://www.instagram.com/handmade_moode/
ハンドメイドが得意な姉とイラストレーターをしている妹。
お互いの得意分野を生かして活動する姉妹ユニット。
2014年に結成しオリジナルのアクセサリーを共同制作。ハンドメイドやアートイベントへの出展を続けていたが、お互いの生活環境の変化から2018年より活動を休止。
その後再び生活が落ち着いたことをきっかけに、2023年から活動を再開し今回新作を発表する。

yuha
作品形態:映像・写真
SNS:https://www.instagram.com/_yuha2007_/
今年の春、中学校を卒業し社会へ足を踏み出したばかりの16歳。
保育の仕事をやりつつ、写真を通して自分の感性を日々磨いている。
彼女の今回のテーマは、「iPhoneでどれだけ私の感性を伝えられるか」
作品を通して自分自身の記憶と感性を伝える。

〈文字起こし・編集〉
りょーちん
https://twitter.com/ryooochin776



ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

MAKOTO:宜しくお願いします。モードは2014年に結成しました。最初は私が作りたいアクセサリーがあったんですけど、もともと姉は手先が器用で自作のデニム生地を使ったバッグとかを作ったりしていて得意なことを知ってたので、アクセサリーとかこういうの作りたいんだけど協力してくれないって誘ったのが始まりです。
そこから試行錯誤して出来上がったものををどうやって周りの人にアピールしていくかっていうことで、最初はおひさまアートバザールっていうイベントに出展したのをきっかけに、いろんなマルシェイベントに出展していくようになりました。
2018年ぐらいまで続けていたんですけど、その後姉の仕事の関係もあってお互いの時間が合わなくなり一旦活動を休止することになりました。
今年から姉にまた時間ができて、モードとしてやりたいこともお互いいっぱいあったので再開させようっていうので今に至ります。

ーMAKOTOさんがイラストを描いてお姉さんが立体にする役割分担ですか?

MAKOTO:そうですね。活動休止前に作っていたアクセサリーは絵柄を私が考えて、姉が形にしていました。今回の物は刺繍で表現してくれています。

ーありがとうございます。 MAKOTOさんとしての自己紹介も簡単にお願いできますか?

MAKOTO:私はイラストレーターの仕事をしながら傍らでデザインの仕事もしています。イラストはファッションイラストって呼ばれるようなイラストを書いていて、美容とかファッション系の媒体に使ってもらえるような絵を書いています。

ーありがとうございます。次はYuhaちゃん自己紹介をお願いします。

yuha:よろしくお願いします。もともとは本当に自分の自己満で、思い出を残すために写真を撮っていたので、実は今回の展示会に誘われた時は正直そんなに乗り気ではなかったんですよ。笑
今までそういうことをやってみたい気持ちはあったけど人に見せるって考えた時に、人に評価されたくない気持ちが自分の中にありました。でも実際やってみると今はすごく乗り気で楽しみになっています。
ライブ配信者もやっているんですけど、最近は写真を撮ることがなかなかできていないので、昔の自分の感性を今回の展示で伝えられたらなと思ってます。今の感性は自分の中であまり気に入ってないっていうか。
昔と言っても中1ぐらいの時なので3〜4年くらい前のことですが。その時は純粋に全部がキラキラして見えた。今は大人の人たちと関わるようになって汚い世界を知ったじゃないですけど、感性が全然変わった。
昔では撮れないものが今取れて、今は撮れないものが昔は取れてみたいな感じです。幼い頃の純粋な心じゃないと撮れないなってものがいっぱいあったと思います。

ー十分若いだろう気もするけれど..笑

yuha:そうですね、まだ16歳なんですけど。笑

写真や映像を作るのは結構前からしていたんですか?

yuha:小学生の頃からしてました。もともと写真を撮るのが好きだったんですけど、小学校高学年くらいの時に記憶の病気を発症してしまって。
例えば立ち上がったり急に座ったりしたらフラーってなって「あれ。今何してたっけ?」って記憶が飛んだりとかするんです。1日過ごした記憶が戻ってくる時もあれば、戻らず終わっちゃう時もある。
この時、思い出すために見返してたのが写真だったんです。それから力を入れるようになって。動画編集とかもすごく楽しくてやってましたね。

ー今回展示に参加した経緯や思いを教えてください。

MAKOTO:自分の絵(MAKOTO名義の)を出そうか最初迷ってたんですけど、誘ってもらった時はまだM∞deの作品が形にもなってなかったので。
一応展示会の話は姉としてて、ちょうどこんなものが作りたいっていうのが試作になる頃だったので、これを広める良い機会だと思い参加しました。

yuha:私は動画がメインで、写真はスマホで昔に撮ったものを展示しています。新しく撮ろうと思っても感情が入らなくて..。スマホでどこまで私の感性を伝えられるかに挑戦したいと思っています。
映像は学生をテーマにしようと思っていますが、今までは遊んだ時の動画をまとめるみたいな感じで作ることが多かったので、テーマが見つかりにくくて意外と作るのが難しいなと感じてます。いつもなら今日したことの中からここを切り取って動画にしようっていう映像が頭の中に浮かんでくるんですけど、今回はそれができないからどの画像や動画を使って作ればいいのかわからなくて。だからまだ完成してはないんですけど、進んではいます。

ーフォトブックも作ったんですよね?

yuha:そうなんですよ。展示作品のところに置いておくので見てもらえたらいいかなと思ってます。

ーさっきも話してもらったんですけど、今回参加した経緯を聞かせてください。

yuha:さっきも言ったんですけど、最初は乗り気ではありませんでした。でも展示会に誘ってくださったことをお母さんに言ったら 「それは絶対やりな!運命じゃん!」って言ってくれたので、それが後押しになって参加することに決めました。

ー「好きなことを仕事にする」ということについてどう思う?

yuha:これを仕事にしたいかどうかで言ったら、私はしたくないなって今回すごく実感しました。私の感性を知ってもらえるのは本当に嬉しいってすごく思ったんですけど、いざ仕事になると感情が入らない写真しか撮れないなと思って。
今回も展示期間が決められていますけど、仕事になるといろんな制約が生まれるじゃないですか。たぶん私は決められたり縛られてるのが苦手なので仕事にしたいかって言ったらそうではないけど、どこかにはやっぱり見てほしいって部分もあって。
本当に矛盾しているんですけど。

ーなるほど。そんな中でも写真を続けられてる理由はなぜだと思いますか?

yuha:特に理由はないですね。写真はいいと思ったら気軽に撮れるものだし私は本当に写真を見返すことが多いからそれでやってきました。
でも途中からインスタ映えを意識するようになって、それが嫌だったのでアカウントは残してインスタをずっと止めてたんですけど…この機会にまた始めました。
一気に系統が変わったというか、撮るものが変わったなってすごい実感しました。
今までは動物や花、石とかが多かったけど、最近は都会にすごく憧れていてビルを撮るのにハマっています。景色が多いですね。心が動く対象がかなり変わったと思います。

ー写真を撮るのが面倒くさくはならないんですか?

yuha:ならないですね。友達の前だったら嫌かなと思って撮るのを止める時もあるんですけど、極力動画とか写真を常に回しときたいと思っています。
SNSに載せるわけじゃないんですけど、後で見返した時に心が踊るので。

ーまことさんはなぜ絵を描いているんですか?

MAKOTO: 私がイラストレーターになりたいと思ったのは大学3年生ぐらいの時です。もともと絵は描いていたんですけど、私は小さい頃からパソコンが好きだったので、どちらかというと絵を描く道具としてパソコンを楽しんでたみたいな感じなんです。
そのきっかけは、父がパソコン好きで私にも与えてくれたことでした。
絵に興味を持ったきっかけは、父がパソコンの画面にラップでセーラームーンの線画を貼ってくれて、ペイントツールで色を塗るっていうのをしていて、それがきっかけだと思います。それでハマってパソコンで絵を描くようになりました。
父が言うにはCADも使って描いていたみたいです。当時はペンタブもなかったのでマウスで絵を描いていました。
その後高校からはデザインの方に行ってそこからずっと絵を描いていますね。

ー途中で絵やデザインじゃない方向には行かなかったんですか?

MAKOTO:行かなかったですね。確かに挫折は何度もあったんですけど自分はそれしかできないって思っていたので。

ーなるほど。さっきYuhaちゃんは仕事にしたくないと言ってましたが、MAKOTOさんは実際に仕事にしてみてどうですか?

MAKOTO:今すごく、それがテーマで。
フリーランスになって7年目なんですけど、楽しくないとか、これはやりたくないとか、仕事にしなかったらよかったみたいに思ったことは今まで全然なかった。なのに今年はそれがあって。初めて仕事にしたことの辛さを感じてます。

ー差し支えなければなぜ辛いのかを聞かせてもらえますか?

MAKOTO:これっていうのが言えないんですけど…。たぶん積み重ねだと思います。去年ありがたいことに沢山イラストのお仕事をもらったんですよ。でもそれが逆に良くなかったかもしれなくて、あとプライベートでもちょっとしんどいことが重なって疲れてしまったんだと思います。

ーなるほど。逆に仕事にして良かったなと思うことはありますか?

MAKOTO:それは去年すごく思っていて、1日中自分の好きなことをしてられるっていうことが幸せでしたね。

ーイラストを仕事にするってデザインを仕事にするよりもハードルが高そうというか、門戸が狭そうな感じがするんですけど、それを仕事にできた理由ってありますか?

MAKOTO:どんなイラストなら仕事になるのかっていうことと、自分の好きな絵柄や自分がしんどくならずに書き続けられる絵柄はなんだろうかっていうことを探しながら作品をどんどん作っていきました。その内に時代の流れとマッチして仕事をもらえるようになりました。
今は流れがまた変わってきていて、どちらかというとアニメや漫画系のイラストが流行っているので、イラストを仕事にしたい人はアニメや漫画から入る人が多い。
私も最初はアニメや漫画系の絵を描きたいと思っていたんですけど、その分野には上手い人がめちゃくちゃ多いからそこでは生きていけないっていうのがあって、そこのバランスとかを考えた結果ですね。

ー自分のやりたい表現と世間が求めていることのバランスが大切?

MAKOTO:そうですね。やっぱりそこに当てていかないと仕事はもらえないんだろうなっていうのはあるので。
ただの趣味としてやるんだったら自分の好きな絵をどんどん描いていけば良かったんですけど、私は仕事にしたいと思っちゃったのでしっかりバランスをとらないといけないなと思っています。

ーちなみに今のファッションイラストに定まったのはどういう理由でそうなったんですか?

MAKOTO:もともとファッションイラストが描きたかったんですけど、絵柄を迷ってた時期にいろんな絵柄でアップしたりしていて、例えばアナログテイストが好きとかザラザラしたテクスチャを使いたいとか線は細めがいいとか太めがいいとか、そういう自分の好きな細かい部分を精査していってアップしていった中で反応が良かったものを合致させたものがこれだなっていうので決まりました。

ー最後に、今回の展示会を通してどんなことを見てほしいか、感じてほしいか、教えてください。

MAKOTO:今回は半立体作品で刺繍が細かかったりするのでぜひ近くに寄って見てほしいですね。 遠くから見るのと近くから見るのでも違う見え方になると思います。実際に見たらけっこうキラキラしているのでやっぱり実物を見て欲しいっていうのがありますね。

yuha:私はスマホで撮れるっていうことを一番伝えたくて。友達から撮るの上手いってたまに言われたりするけど、本当にただ単に適当に加工しているだけで誰にでもできる簡単な作業だと思うので。ノーマルカメラで撮ってフィルターをつけたりして加工しているだけで、誰でも撮れるよっていうところと私はこういう写真を撮っていますっていうところを見てもらえたら嬉しいです。
映像も切り抜く部分によって全然違うので、例えばスローにするのかどうかだけでも全然変わるのでそういうところも注目して見てもらいたいですね。

Work-Life-Art展

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