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あやの
2021年8月13日 21:45
ぼくは人と関わることを辞めた。人と関わらなければ「傷」は残らないから。雨音が響き渡る図書室の片隅で、ぼくはまたページを捲る。このページの先にある光を探して。いつからだろうか。人を信じることを辞めたのは。幼い頃に母を病気で亡くした。母を亡くした悲しみで父はおかしくなった。だからいつも家で一人ぼっちだった。それが当たり前だった。学校に通い始め、ぼくにとっての当たり前が、他の