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充実ブランビーズ!スーパーラグビーR12-全試合レビュー

スーパーラグビー・パシフィックRound12
前週と打って変わって大差の試合が多くなり、筆者のスコアーの予想は大きく外れることに(勝敗予想を当てる率は割と高い?)。プレビュー投稿(金曜日土曜日日曜日)
しかし、接戦もあり、その試合では最後まで楽しませてもらった。
プレイオフのチームがだいぶん固まりつつあるなか、筆者の個人的な意見になるが、首位のブルーズよりここ数試合見ているとブランビーズが充実していると強く感じた。R12の6試合を振り返ります。

ブルーズ爆発!ブルーズ v レベルズ

試合序盤でレベルズがいきなり2トライ(インターセプトを含む)で0-14とした。しかし、その後ブルーズがボールを持てばブルーズ劇場が始まりでトライの山を築く。

合計11トライの猛攻でブルーズが圧勝になったが、イオアネ兄弟だけで5トライでアキラがもう一つトライをしていたら、兄弟そろってハットトリックになっていたのに・・・

筆者が注目したのは、上記のリンクのシーズン前に書いた「ブルーズのチーム分析」でも取り上げていた10番S・ペロフェタ(写真下、2021年EdenParkにて筆者撮影)のゴールキックの正確さには驚かされた。もともと良いキッカーで昨年のNPC(NZ州代表選手権)でもタラナキで凄い確率で決めていた。この試合でも難しい角度でもほとんどをきっちり決めたのが凄かった。ランプレイも良いものを持っており、もう一皮むけると⑩⑮をやれるだけにオールブラックス(ABs)入りもあるか。

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10番B・バレットを入れた時に、15番をZ・サリヴァンとS・ペロフェタのどちらを選考するかヘッドコーチの悩みが増えることになった。筆者はペロフェタを推している。

試合スコアー&ハイライト動画

Blues 71 
(Akira Ioane 2, Finlay Christie, James Tucker, Hoskins Sotutu, Rieko Ioane 3, Mark Telea, Stephen Perofeta, Caleb Clarke tries; Perofeta 8 con)
Rebels 28
(Pone Fa'amausili, Josh Canham, Brad Wilkin, Reece Hodge tries; Hodge 4 con).
HT: 47-14

粘るハイランダーズ!レッズ v ハイランダーズ

前半2枚のイエローカードで数的に不利になったハイランダーズ。2トライを取られ、10番M・ハントが比較的簡単なPGを外したので嫌な流れだなと思われたが・・・

逆に、少ないチャンスで今季の目玉になっている13番T・ウマガ・ジェンセンが、強さを活かしてディフェンスを簡単に突破してトライを決めたのが大きく、劣勢ながらもハイランダーズは、2点差のビハインドで折り返す。

※以下のTwitterの動画がT・ウマガジェンセンのトライ

後半は、シーソーゲームになりレッズがトライで再逆転したものの、ここ数試合で調子を上げてきているハイランダーズのハーフバックのF・ファカタヴァが、持ち味の強さを全面的に出すプレイをして自らトライを挙げるなどチームに勢いをつけた。

おまけにトリッキーなパスで11番グレゴリーのトライを演出(以下のTwitterの動画)するなど、自信を持ってプレイしている様子が見て取れた。

ファカタヴァが今後もこのようなプレイをすると相手にとっては非常に厄介になりそう。そしてこの調子を継続すればABs入りも見えてくるかも⁉

試合スコアー&ハイライト動画

Reds 19
(Jock Campbell, Josh Flook, Ryan Smith tries; Lawson Creighton 2 con) Highlanders 27
(Thomas Umaga-Jensen, Scott Gregory, Folau Fakatava tries; Mitch Hunt con, 2 pen; Marty Banks 2 con).
HT: 12-10

モアナあと一歩… モアナ・パシフィカvワラターズ

ホームのモアナ・パシフィカが、序盤から勢いある攻めで2トライを奪うなど17-0とリードして2勝目いけるかなと思わせてくれたが・・・

ワラターズのデンジャラスランナーの13番 I・ペレセが毎試合見せる力強いランをこの試合でも見せつけて、自らトライを奪うなどチャンスを作り出す場面が再三見られた印象だった。

モアナ10番C・リアリーファノが、スーパーラグビー通算100ポイントを達成!7人目の1000ポイント達成で、パシフィックの選手では初になる。

上記の動画にもあるように、息子がキックティーを運んで、蹴る姿を見届ける、そんな親子の姿が微笑ましかった。

その後、ワラターズが逆転をしたが、試合を重ねるごとにしぶとくなってきているモアナ・パシフィカが再度反撃に出る場面が見られて試合が面白くなってきた。
モアナ15番ハヴィリが完全にトライと思われる場面であったが、相手選手のタックルがボディーコントロールを阻止して、インゴールにボールをつける前にインゴールのタッチラインに肘がついてノートライとなり逆転ならず。

最後にモアナがワラターズ陣ゴール前のチャンスもハンドリングエラーでトライが取れず2勝目はお預けとなった。

前週クルセイダーズに勝利したワラターズ相手にほぼ互角に戦ったモアナの実力はついてきたと言ってもいいだろう。今後の試合も注目したい。

観客もパシフィック系が多くスタジアムではこういったことが(上記のTwitterの動画)あちらこちらで見られて面白い雰囲気ですよ。

試合スコアー&ハイライト動画

Moana Pasifika 20 
(Abraham Pole, Levi Aumua tries; Christian Leali'ifano 2 con, 2 pen)
Waratahs 26
(Izaia Perese, David Porecki, Mark Nawaqanitawase, Dylan Pietsch tries; Tane Edmed 2 con; Ben Donaldson con).
HT: 17-14

強いブランビーズ!チーフス v ブランビーズ

一言でいうと「ブランビーズ強い!」
しっかり取れるところで取り、キッキングゲームも上手く、試合を完全にコントロールしているのがトランスタスマン・ダービーが始まってから見てると印象に残っているが、この試合でもそれを見せつけた。

前半は、ほぼ互角の試合も、後半はブランビーズ!

チーフスが攻めても、ブランビーズディフェンスがしっかりプレッシャーをかけて効果的な攻撃をさせないだけでなく、チーフスがたまらずミスしてこぼれたボールをすかさず拾って敵陣にボールを運んでトライを取るか、最低でもPGを決めて得点を重ねる、と言うのを繰り返していた試合だった。

チーフスのサポーターが見ているとすると、イライラする展開と言う事だ。

それなりにチーフスにもチャンスがあってトライを取り、同点くらいに追いつけるかと言うところで、ミスからブランビーズに得点されると言うパターンではチーフスが勝利を掴む事は出来ない。

筆者の思うこの試合のキーポイント!

これを取ったら本当に試合が分からなくなると言う場面があった。
14点差をつけられていたチーフスは、ブランビーズ陣のゴール前でラインアウトからサインプレイで8番P・G・ソワクラが取ったトライで7点差にした。

ポイントは、このトライの後に訪れた同じチャンスを活かせなかった事!

ソワクラのトライ後に再び同じようなチャンスが訪れた。
しかし、ここでは、モールの攻撃を選択して結局トライが取れずにチャンスを逃しただけでなく、ミスから一気に自陣まで攻められてブランビーズに得点を許して10点差となり、残り時間は13分ほどあったが、精神的にもダメージが大きく、内容からも試合が決まったと言えるくらい重要の場面だった。

筆者が思うに、ソワクラが取ったトライ(Twitterの動画)は、ブランビーズが全く対応できていなかったので、それと似たような(同じ事でも良いくらい)事をして攻めれば良かったと思っている。

10番ロレシオは、タックルが弱いので、繰り返しになるがチーフスが同じプレイを選択して、ソワクラにロレシオめがけて突進させれば、チャンスがもっと広がり、最終的にトライが取れて2点差か同点に追いついていたかで、チームにも勢いがついただろうし、試合がさらに面白くなったに違いない。

ブランビーズの強さは本物ですね。9番N・ホワイト素晴らしい!

試合スコアー&ハイライト動画

Chiefs 28
(Alex Nankivell, Cortez Ratima, Pita Gus Sowakula, Naitoa Ah Kuoi tries; Bryn Gatland 2 con; Kaleb Trask 2 con)
Brumbies 38
(Nic White, Folau Fainga'a, Len Ikitau, Billy Pollard tries; Noah Lolosio 3 con, 4 pen).
HT. 14-18

クルセ後半大爆発!フォース v クルセイダーズ

前週ワラターズ相手にミスを連発したクルセイダーズが、しぶといフォース相手にスローなスタートだったが、後半に爆発してトライの山を築いてフォースに圧勝で立て直し成功と言えるか?

今年ABsに入れたい11番L・ファインガアヌク、15番W・ジョーダンの二人がハットトリックをしている。(上記のTwitterはファインガアヌクのトライシーン)

試合スコアー&ハイライト動画

Force 15
(Jake Strachan, Fergus Lee-Warner tries; Strachan con, pen)
Crusaders 53
(Leicester Fainga'anuku 3, Will Jordan 3, Pablo Matera, George Bell tries; Richie Mo'unga 5 con, pen).
HT: 8-18


若手の活躍でケーンズ爆発!
ハリケーンズ v フィジアン・ドゥルア

前週の勢いがどこへ行ってしまったのと思うくらい、フィジアン・ドゥルアが良いところなしの試合でケーンズが圧勝となりました。

ドゥルアのメンバーが変わっていることも影響しているかも知れませんが、気持ちが切れてしまった感があり残念な試合となった。

試合後のドゥルアのキャプテンのインタビューは、大敗のショックで言葉にならず、見ていて何とも言えない気持ちになりました。

大勝したハリケーンズの中で目立った選手を数人挙げていきます。

まずは、トライは一つだけだがボールを持てばスピードと強さを活かしてディフェンスを突破してチャンスを作る11番S・ラヤシ(以下のTwitterの動画)
使い続ければもっと良くなると昨年から筆者は言っていたが、今季はチャンスを与えられて良いパフォーマンスをしている。

あのサイズにスピード、そしてスキルも持ち合わせているので、ABsに入れたいくらいだが、ポジション的にライバルが多いので、来年のW杯以降にしか選んでもらえない可能性が高いのが勿体ない気がする。

もう一人は、J・バレットが12番でプレイした時に15番でチャンスを貰い大活躍していた15番モアビー(以下のTwitterの動画)
この試合でハットトリックの大活躍をしたが、彼の能力はまだまだこれから伸びる気がするので目が離せない。

試合スコアー&ハイライト動画

Hurricanes 67
 (Josh Moorby 3, Asafo Aumua, Billy Proctor 2, Wes Goosen 2, Isaia Walker-Leawere, Salesi Rayesi, Justin Sangster tries; Aidan Morgan 6 con)
Drua 5
(Onisi Ratave try).
HT: 26-0

Round12終了時点での順位表

プレイオフに残る8チームのうち7チームは、ほぼ決まりでしょうか。
ハイランダーズが、8位に入ってきましたね~~!
残りの一枠を争うのは、ハイランダーズ、レベルズ、フォースの3チームか

R12の順位をもとにプレイオフの組み合わせ

R12終了時の順位から、このような組み合わせになると言うのがTwitterに上がっていたので載せてみました。
8位にハイランダーズが来るのが不気味か!
7位のハリケーンズも同様で2位には、なりたくないくらいかと。

8位がどこになるかも含めてプレイオフの組み合わせに影響するので、残り3試合も盛り上がりそうで楽しみです。

明日以降はRound13のプレビューを試合開始までには書いていく予定。


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