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90秒で読む!コンサルタント「読書日記」(第41回)

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「教養としての「労働法」入門」(向井蘭編著 2021年4月著)

何気なく手に取った本であるが、「教養としての労働法」というタイトルにぴったりの内容であった。文章が読みやすく、一気に読むことができた。

本書では、諸外国の法制度や労働法制の歴史と比較しながら、現在の我が国の労働法の全体像や考え方、問題点、将来の課題などを非常にわかりやすく整理している。特に、各法律の歴史のところは初めて知ることばかりで、非常に面白かった。
現在の労働時間、有給休暇、配置転換、解雇規制がどのような経緯で戦後導入されたのかなど、普段当たり前のように思っていたものが、実は戦後の混乱期に導入されたものに過ぎないことが分かり、非常に勉強になった。戦後70年以上を経過し、社会も大きく変わり、多様な働き方が求められる今だからこそ、当たり前と思っていたことを改めて問い直すことが重要だと感じられる一冊である。筆者が冒頭に書いているように、本書の知識は学習や実務に直接役に立つものではないかもしれないが、読者の視座を大きく広げることで、「役に立たない知識が役に立つ」ものであると言える。


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