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ストレッチの効果と頻度について

こんにちは 理学療法士の増田です!!
今回も身体についての情報を皆さんにお伝えします!

よく患者さんからこのような質問があります
「ストレッチすると柔軟性はあがりますか?」
「1日にどのくらいのストレッチをすれば良いですか?」

皆さんも同じような疑問をお持ちではないでしょうか?

テレビやSNS、雑誌でもストレッチの重要性について紹介していると思いますが具体的に「どのくらいやれば効果が出るか?」までは紹介しているものは少ないです。

そこで今回は「ストレッチの効果と頻度についてお話していきます」

■ストレッチの効果について

●ストレッチの種類

・スタティックストレッチ(静的)
反動をつけずにゆっくり筋肉を伸ばす
→柔軟体操
・ダイナミックストレッチ(動的)
反動をつけたり関節を動かして筋肉を伸ばす
→ラジオ体操や準備体操

ストレッチは大きくわけて2つの方法があります。
皆さんが日常から馴染みがあるストレッチは「スタティックストレッチ」です。

では、どんな効果があると思いますか?

●ストレッチの効果

ストレッチの効果としては「柔軟性の改善」が挙げられます。
このことについては皆さんも知っていると思います。
理由としてはストレッチをすることで
・筋肉滑りが改善される
・筋肉を硬くしてしまう要因の結合組織が伸張される
・筋肉の形が変化する
・筋肉内の血液循環が改善される
上記のような理由で筋肉の柔軟性が向上します。

●姿勢は改善される?

「ストレッチで姿勢が改善しますか?」とよく聞かれますが
改善する場合としない場合があります。

・ストレッチで姿勢が改善するケース
長時間の同一姿勢や筋肉の使いすぎ

例として考えるのであれば
よく聞く猫背姿勢ですが
・長時間のデスクワークで起こる猫背と・筋力の低下により起こる猫背の
2種類あります。

上記の2つの場合ですと、長時間のデスクワークで起こる猫背では
ストレッチで改善するケースが多いです。
これは単純に、「動かさないから筋肉が縮まった状態になる」ことが理由です。
この姿勢が慢性化してしまうと筋肉の低下やバランスが崩れストレッチでは改善しなくなります。

ですので、デスクワークをしていて「猫背になってきたな」と思ったらストレッチをすることで猫背姿勢の慢性化を防ぐことが出来ます。

長時間デスクワークを行っていると肩甲骨が前に傾いてしまい
大胸筋(胸の前の筋肉)が縮こまります。
大胸筋が縮こまると胸椎(背骨)が丸くなります。
この場合は大胸筋が縮こまっていることで胸椎が丸くなっているので
大胸筋をストレッチすることで姿勢が改善します!


●ストレッチで筋力は上がる?筋肉がつく?

運動経験がない方などは「筋力が落ちてきたからストレッチをしている」などとおっしゃる方もいますが
残念ながら「ストレッチでは筋力は上がらない」「筋肉も大きくならない」と現在の研究結果では報告されています。

しかし、
もともと運動している人の
「筋量の減少抑制効果はあった」とされる研究もあります。
(日々ウエイトトレーニングなどを行っている人がトレーニングをしない期間にストレッチとしていると筋量の減少が抑制された)

つまり筋肉の量を維持するには一定の効果があると言われています。
つまり、以前のようなコロナ禍で全く運動が出来ない状況にある場合などは
スタティックストレッチをすることで「過度な筋力の低下を防ぐ」ことが出来る考えられます。

笠原 政志, 山本 利春, 川原 貴. ディトレーニング中のストレッチングが筋量に及ぼす影響. 体力科学 59, 541-548, 2010


ストレッチでは、筋肉の柔軟性は改善したり、条件次第では姿勢を改善し、筋量の減少を抑制したりと様々な効果があります。

では、このストレッチをどのくらいの頻度で行えば良いのでしょうか?

●ストレッチの頻度

・ストレッチの頻度について
ストレッチは週にどのくらいやればいいのか?

ストレッチを1週間に1回360秒やった群と
360秒のストレッチ時間を3分割し週3回120秒ずつでやった群では
週3回やった群で柔軟性の改善が見られています。

Nakamura M., Sato S., Hiraizumi K., Kiyono R., Fukaya T., Nishishita S. Effects of static stretching programs performed at different volume-equated weekly frequencies on passive properties of muscle-tendon unit. J Biomechanic 103, 109670, 2020

つまり、ストレッチは1回でまとめて長時間やるよりも
「頻度を高くすることで効果がでる」ということです。
柔軟性や姿勢を改善したいなら「習慣的にストレッチをする」ことが重要です。

・ストレッチの時間

ストレッチは何分やればよいのか?


ストレッチはどのくらいの時間やれば効果的なのか?
時間が長いほど効果が出るのか?
などの疑問があるかと思います。

例として考えると
モモ裏の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性を改善しようとした場合
1週間の総ストレッチ時間
・300秒以下
・300〜600秒
・600秒以上
この3条件で比較した結果

1週間の総ストレッチ時間が300〜600秒で柔軟性の改善が見られました。
600秒以上でも改善が見られましたが
300〜600秒と600秒以上では「柔軟性の改善に差がない」となっています。

Thomas E., Bianco A., Paoli A., Palma A. The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration: The Effects on Range of Motion. Int J Sports Med 39, 243-254, 2018.

つまり、ストレッチの時間は長ければより効果が出るわけではなく
1週間に300秒〜600秒(5分〜10分)程度を行うことが重要です。

以上のことをまとめると
ストレッチの頻度は週3回で総ストレッチ時間は5分〜10分が最も効率よく柔軟性を改善出来ます。
つまり、1日1分行うことで効果がでるということです!!

これを聞いたら
「結構簡単じゃん!」
「1日1分ならできそう」
と思う方も多いと思います!!

ぜひストレッチにやってみてください!!

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