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「捻挫をしたら病院で何をやってくれるの?」


こんにちは!
理学療法士の増田稜輔です!!

梅雨も明けて暑い日が続きますね…
晴れていない日でも熱中症や脱水症状になる可能性があるので、皆さんが体温の調整と水分補給は忘れずに行ってください!!

さて!今回は前回のテーマの続きです!
前回は「捻挫をしたらどうすればいいの?」をテーマに捻挫後の対応と病院受診についてお話ししてきました。

皆さん、病院受診したって結局「湿布と包帯」でしょ?
痛みや腫れがなくなったら、病院は行かなくていいよね?
なんて思ってないですか?

捻挫は痛みが引いてからがとても重要な時期になります!
ここで必要になるのが「理学療法」です!!
理学療法をすることにより、捻挫する前の状態に戻すことで再度捻挫する危険性を減らすことができます!

なので、病院を選ぶ時は「理学療法士」が居るところを選びましょう!

今回のテーマ
・なぜリハビリが必要なのか
・病院では何をやってくれるのか
・スポーツはいつから始めていい?

■なぜリハビリが必要なのか?


多くの方から話を聞くと、捻挫は痛みがなくなったら治ったと思っています。
しかし、医学的にみるとこれだけでは不十分です。

なぜ、不十分なのか…

痛みが引いたのは、炎症が改善しただけなんです。
捻挫をした時に損傷した靭帯や筋肉は修復していません。

(重症度にもよりますが完全に修復するまでには6週間程度かかります)
靭帯や筋肉が修復していない状態で治療を終えてしまうと
足関節の安定性が低い状態になります(いわゆる足首がゆるい状態)
これでは、スポーツへの復帰は到底無理です。なのでリハビリが必要なのです。

■病院では何をやってくれるの?

ここからは、病院受診後、リハビリは何をやるのか?をお伝えしていきます。


①痛みが引くまでは固定する

捻挫をすると足関節の周りの靭帯や筋肉が引き伸ばされて損傷します。
損傷すると靭帯・筋肉が炎症し腫れることで痛みが生じます。

痛みや腫れを改善するには、患部を動かないようにすることが必要になってきます。
そのため、一定期間の「固定」が必要になります。
この固定は重症度や担当の先生にもよって変わりますので、詳細は控えます。

②痛みや腫れが改善したらリハビリ開始

痛みや腫れが改善してきたらリハビリが開始されます。

このリハビリには2種類あります。
1.メディカルリハビリテーション
2.アスレティックリハビリテーション

多くの病院では、1.メディカルリハビリテーションを受けることが多いと思います。
メディカルリハビリテーションでは、
日常生活やスポーツ復帰に最低限必要となるレベルまで改善させていきます。

では、実際に何をやるのか?

1)可動域を改善させる

一定期間、関節を固定することにより
関節可動域が制限されます。
また、腫れが起こると周りの組織の伸張性が低下します。
リハビリでは、足関節の可動域が左右で同じレベルになるように介入していきます。

・足関節可動域チェック例

・足関節可動域改善方法


2)筋力を回復させる

捻挫をすると靭帯と共に筋肉も損傷します。
また、痛みが発生することにより
防御反応として筋肉を活動させないようにします。このことで捻挫後は足関節周りの筋力が弱くなっています。

捻挫をした多くの人がこの「筋力を回復させる」ことをやっておらず、捻挫を繰り返してしまいます。
筋肉は関節を守るために必ず必要になります。

・足関節の筋力改善方法



3)バランス機能を改善させる

足関節は股関節と共同して
立っている時や歩いている時、運動中の
バランスをコントロールします。
足関節のバランス機能を回復させないままで
スポーツを開始すると、今までよりもパフォーマンスが落ちたり、再度捻挫をする危険性があります。
リハビリではバランス機能を改善するところまで行っていきます。

・バランス機能改善方法


■スポーツはいつから始めていいの?


先ほど、痛みがなくなったら「治った」ではないもお話ししました。

特にスポーツに復帰する上では必ずリハビリが必要になります。
捻挫から復帰するためには、ステップを踏んでいきます。

ステップを踏まずにリハビリテーションを進めてしまうと
関節の不安定性の残存や疼痛・腫脹の長期化を招き
結果として競技復帰までの期間が遅延してしまいます。そのため靭帯の治癒過程に沿って段階的にリハビリを進めていきます。

足関節捻挫後の最低限必須なスポーツ動作開始基準

①可動域に左右差なし
②筋出力の左右差なし
③踵上げが出来る
④片足ジャンプが出来る

・片脚踵上げ

・片脚ジャンプ

上記の項目は医療従事者が測定し
判断しますが、痛みがないことが
完治ではないと理解してもらえれば嬉しいです。

と言っても、先の見通しが立った方が良いと思うので、スポーツ復帰への手順を最後にお伝えしていきます。

①捻挫受傷~48時間

・病院受診
・アイシング
・固定(ギプス、テーピング、サポーター)
この時期は安静にし患部を固定することが大切です。

②48時間~5日

・物理療法
・循環の改善
・患部外トレーニング
この時期になると足関節以外の場所のトレーニングを開始します。
バランスや身体を安定させるために必要な、お尻周りや体幹のトレーニング行います。このことにより、日常生活やスポーツ復帰を早めます

・患部外トレーニング



③5日以降

痛みが改善してくる5日以降から足関節の運動を開始します。
目標は先ほどお伝えした4項目です。
①可動域に左右差なし
②筋出力の左右差なし
③踵上げが出来る
④片足ジャンプができる 

この4つの項目がクリア出来たらジョギングから開始します。
ジョギングをして痛みがなければ少しずつ走る速度を速めます。
ジョギング→ランニング→70%ほどでダッシュ→100%でダッシュ
このような流れを行い、痛みが出なければスポーツへの復帰となります。


今回紹介したように足関節を捻挫すると復帰までには
やるべきことが多くあります。
ここを省略してしまうので「再発率が50%」になります。
足関節を捻挫したら、放っておかずにかならず医療機関を受診し
リハビリを受けるようにしましょう!!

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