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モリミーがんばれ! 10月に読んだ本まとめ

図書館で読みたい本は貸出し中、これといって読みたい本も見当たらない。
そんな時、むかし読んでおもしろかった本をもう一度読めばいいのでは?と今さら思いつきました。
ありがたいことに、感想をノート(アナログ)、読書メーター、noteにまとめているにも関わらず、ほぼ内容を忘れているので再読しても新たな感動に出会えること間違いなし!
ということで、今月はまずモリミー関連から。

リスペクトするモリミーの作品を久しぶりに読んで、その天才ぶりを改めて確信しました。
モリミーの筆が遅いというのもあるんだけどね〜。新作まだか〜い?

森見登美彦氏

・『夜は短し歩けよ乙女』    森見 登美彦
・『総特集 森見登美彦: 作家は机上で冒険する!』 (文藝別冊)

まったくアホとしか言いようがない!
四季折々の京都で、「黒髪の乙女」を陥落すべく外堀をせっせと埋める「先輩」の恋物語。京大生の頭でっかちぶりと乙女の無邪気な変人ぶりが、妄想か現実か、ぐるぐるぐるぐる。
変態要素も近代文学のような文体と四字熟語で、オブラートに包まれ高尚な文学へ昇華される。


「先輩」が風邪にふせっている時、妄想で脳内で会議を繰り広げる場面。

私が登壇して、「彼女へのお付き合い申し込み」を提案すると、議場は興奮の坩堝と化した。

「しかし、そこまで徹底して考えろと言うのならば、男女はいったい、如何にして付き合い始めるのであろうか?諸君の求めるが如き、恋愛の純粋な開幕は所詮不可能事ではないのか。あらゆる要素を検討して、自分の意志を徹底的に分析すればするほど、虚空に静止する矢の如く、我々は足を踏み出せなくなるのではないか。…未来永劫、薄暗い青春の片隅をくるくる廻り続けるだけではないのか。諸君はそれで本望か。このまま彼女に思いを打ち明けることもなく、ひとりぼっちで明日死んでも悔いはないと言える者がいるか。もしいるならば一歩前へ!」

第4章 魔風邪恋風邪

この「大学生」「京都」こそがモリミーワールドの本髄であるが故に、読者の期待とそこから抜け出そうとする焦燥がなんでか読者にも伝わってくる稀有な作家?な気がします。


それをまるで事典のように網羅したのがこちら✋

大好きな作家が筆が遅いのはなんとも悩ましい。
鉱脈を掘り尽くしたか?
ていうかモリミー悩みすぎなんだよなぁ〜。一緒に暮らしているわけでもないのに、苦しんでいるモリミーの姿が思い浮かぶ!
やれやれ。
ところで、この永久保存版1500円でものすごい内容充実。お買い得だと思う。ちょっと重量半端ないけど。
宮木あや子のエッセイが超おもしろかった。早く新刊読みたいなぁ。

これを読んでまたモリミーの著作に戻るという無限ループにはまって、すっぽりと沼に身を埋めるのも悪くないと思います。


■小説

・『奇跡集』   小野寺 文宣
・『オカシナ記念病院』   久坂部 羊
・『カレーの時間』   寺地 はるな
・『ウツボカズラの甘い息 』   柚月 裕子
・『工場のおばちゃん あしたの朝子 』   山口 恵以子
・『夏の体温』   瀬尾 まいこ

まずはマイブーム、寺地はるなさんから。小説部門では唯一★5つ。

「うじうじ優柔不断な」桐矢(25歳)は「がさつで横暴で無神経な」祖父小山田義景(いかにも頑固そうな名前!)と暮らすことに。女系家族の中で唯一の男子、桐矢に対する祖父の想いに胸が熱くなります。

桐矢が生まれて、祖父が初めて男の子を抱く場面…。

「男は女を守らなあかんねん、おれが死んだらあいつらを守れる男はお前だけになる」

そういうことだったのか〜。
アホやな〜、男って。おじいちゃん、女はそんなに弱ないよ。
となぜか関西弁で突っ込っみたくなりました。

第4章「キーマカレーのサンドイッチ」のラストがすごくよかった。
祖父の臨終の場面…私がイメージする死の瞬間と同じ。とても穏やかで安らかな光景。あったか〜い気持ちになれました。

さて、こちらはお初の作家さん。
戦後日本の高度成長期を舞台に工場を切り盛りする朝子の人生を描く、自伝的な小説(著者の母親がモデル)です。

昭和は私にとっては現代なんだけど、もはや近代なんだなと改めて思いました。
日本にこんなにキラキラした時代があったなんて!自由で勢いがあって活気に満ちている。
朝子がおしゃれをしてレストランへ行く様子など、あの頃は「よそゆき」という文化があったなと思い出しました。
これは昭和の生活を知る手引きとしても勉強になります。



■ノンフィクション

・『おいしいから、これでよし! 地味うまおかず』 (レタスクラブ)
・『生きベタさん』   釈 徹宗 細川 貂々
・『たべる生活』   群 ようこ
・『それでも君は医者になるのか』   中山 祐次郎
・『リンパケア革命 ― 耳たぶ回しで顔も身体も生まれ変わる!』 木村 友泉

ノンフィクション部門ではこちら。

釈さんはNHKのシブ5時で「渋護寺」というコーナーをされているので、素敵な方だなぁと思っていました。
貂貂さんのご主人がウツだったのはよく知っていますが、ご本人に障害があったとはこの本を読むまで知りませんでした。
まぁ今は障害のあるなしに関わらず、生きづらさを感じている人は山のようにいると思いますが…。

「自己評価を下げなくてはやっていけないのです。他者からの評価が低いのですから、自己評価が高いと苦しむことになるわけです。彼らは自己評価を下げることで社会に適応しようとしているように思えます」

釈さんの言葉から

マインドフルネスとは仏教から来ているのですね〜。
抜け出すにはそれしかないのかな、と思った次第です。


これは群ようこさんの食にまつわるエッセイをまとめたもの。

独身一人暮らしの著者は、若い人たちの食生活に対してかなり厳しい、と思う。
私も娘以外に若い方との接点があまりないので、全ての若者の食生活がこうだとは思わないけれど、それでも「えぇ〜!」と驚くようなことがたくさんたくさん描かれてます。

・38歳の新婚の妻の料理(さつま揚げ入り野菜炒めなど)に不満な夫が、毎晩こっそり菓子パンを食べている。
・結婚50年の男性から、妻の料理がまずいというラジオ番組への相談。
・20代後半までマグロがアジぐらいの大きさだと思っていた女性。

などなど。
中でもひどかったのは、息子の彼女が母の日に作ってきた三段重の話。(「恋人の手料理」)
ここで披露するとつまらないので書きませんが、もうずっこけました。
世の中はこんなことになっていたのか!と。
これは息子の彼女世代の問題ではなく、その親の世代がちゃんと教育をしてこなかったツケがきているのだと思います。
それでも3食食べているならまだいいほう。食べられない子どもがいると聞くと悲しくなります。なんとかならないものでしょうか。

ガラッと変わってこちら。

なんか昔流行ったような?
図書館で見つけてちょっとやってみました!

耳たぶ回しは以前テレビで見て時々訳もわからずやっていました。でもぜんぜんやり方が違っていたらしい。
力を入れすぎていました。こんなんで効くの?ってくらい。

お金も時間もかからないし、副作用もないのでこれはいいと思います。
便秘には効かないけど、髪はツヤツヤになる…気がする。
信じるものは救われる!
とりあえず忘れるまで続けよう💪

■絵本

・『いぬ』   ショーン・タン
・『たまごのはなし』   しおたに まみこ
・『ソロ沼のものがたり』   舘野 

『いぬ』は図書館の絵画コーナー、あと2冊は児童の絵本コーナーにあり。その区分がよくわかりません。

眠そうな目と細い手足はかわいいとは言い辛いけれど、なんだか見入ってしまう。このシュールな絵とお話は、大人向きな気もするが…。

子どもはこういう本を読んで、どんな反応をするのか見てみたい!


ようやくいい季節になって、やらねばならぬことやりたいことがいっぱいで10月分がすっかり遅くなってしまいました。
まぁ、心待ちにしてくれている人がいるわけでもなくどうでもいいのですが、ここでやめると二度とやらないだろうなという強迫観念から、なんとか今月もまとめることができました。

あ〜、つかれた😌

ではまた👋

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