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09お気に入りの耳せんをつけてみる

耳せんをつけるのは抵抗がある

すでに書いたように、希望に反して、部屋の移動や睡眠薬の服用ができないこともあるでしょう。そんなときにおすすめしたいのが、耳せんです。ただし、注意点があります。それは「入院する前に試しておく」ことです。

「同じ部屋の人のいびきで眠れない」と相談を受けて、私が耳せんを勧めても、ほとんどの患者さんはつけようとしません。理由を聞くと「つけたことがないから」「いびきをかいているのは向こうなのになぜ私が」「違和感がいや」などと言います。

耳せんをつけようとしない気持ちは本当によくわかります。そのように考えてしまうのも無理はありません。人はストレスを感じているときに、さらに別の負担を受け入れることは難しいと思うものです。そういうときは、私もそれ以上は耳せんを勧めることはしません。

このような事態を避けるためにも、日頃から、自分に合ったお気に入りの耳せんをあらかじめ探しておき、買いためておくのです。そして、本を読むときや眠る時に使ってみてください。意外と集中できたりリラックスできたりするものです。それを前もって体験していれば、入院中にいびきが聞こえて気になったときに、自然に「耳せんを使ってみよう」と思えるはずです。

自分で選んだモノには愛着が湧く

私の場合は、インターネットのお店で、さまざまな種類の耳せんがセットになったパッケージを購入して試しました。その中から、サイズや耳に入れた感じなど、自分に合うものを見つけて単品で買い足しました。

私のお気に入りは、指でクルクルと丸めて細長くなったものを耳の穴に入れると、10秒くらいすると徐々に膨らみ、耳の穴の形にフィットするタイプのものです。最初はどれを選んでも同じだろうと思っていましたが、商品によって、色や形だけでなく、音をさえぎる度合いやつけ心地にも大きな違いがありました。

そして、自分で実際に使ったうえで選んだ耳せんには、自然と愛着が湧いてきて「つけたい」と思うようになります。

売店にも耳せんは売っている

事前に準備していなくても、ほとんどの病院の売店には、耳せんが置いてあります。ただし、品揃えはそれほど多くないでしょう。やはり前もって自分にあうものを買っておくのがベストです。ただし、すでに入院している人は、売店でとりあえず一つ購入して試してみてください。売店に置いてあるものは、耳の穴にフィットして膨らむタイプでしょうから、役目はきちんと果たしてくれます。

耳せんさえあれば、いびきに限らず嫌な音が聞こえてきても、イライラすることもなく「私には耳せんがあるから、気になるようだったらつければいいや」と思えます。入院中も安心して眠れるように、ぜひお守りだと思って前もって用意しておいてください。

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