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「たかしくんの市場」2021年3月15日月曜日

・よく晴れた、暖かい日だった。マイナンバーカードが完成したという事で、仕事をサボって役場に行って受け取ってきた。

・夕方の買い出しの支払いをPayPayで決済したら400円戻ってきた。400円ありゃ一日生きれる、助かるぜ。

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・イギリスのラムを飲みながらこれ書いてる。最近休肝日守れてないな……

❤︎今日のお言葉:クレジット

・電気自動車大手の米テスラが遂に黒字、通期ベースの最終損益が黒字になるのは10年の上場以降で初めてとの事である。

・十年も赤字を出しておいて、よく上場廃止にならなかったものだと思うが、これには歴とした理由がある……というのも、今のテスラにはめちゃくちゃ収益を挙げているセクションがあり、それは実は『電気自動車』ではない。

・CAFE(Corporate Average Fuel Efficiency/企業別平均燃費基準)と言う言葉がある。自動車の二酸化炭素排出規制の一種で、車メーカーの平均燃費に規制を掛けている。EUでは車の走行1キロあたりのCO2排出量95グラム以下が求められ、これを超えると1グラムあたり95ユーロの罰金が課せられる。

・とはいえ、まだまだ各自動車メーカーの作る車の殆どがガソリン車であり、定められた燃費基準を守るのは相当厳しい現状がある。一方、「電気自動車しか作っていないテスラ」は当然この規制に引っかからない訳であるが、ここからがちょっと面白い。

・燃費基準が守れない自動車メーカーは、テスラとグループになる事によって、グループ車両の平均燃費を大幅に下げる事が出来る。こうすれば、上記の罰金を払わなくても済むわけだ。テスラはこれで利益を挙げている。

・言い換えれば、テスラの車は、「二酸化炭素を排出していいクレジット(排出権)」という、元々存在しえない所を権利化し、莫大な金を産んでいる訳である。

・そんな無茶苦茶な理屈で世界一・二を争う富豪が生まれているこの現状。不可視の権利を言語化できれば、霞を食って生きていく事も容易い。真っ当に考えれば詭弁だが、それで生まれている金と雇用が確かに存在している。

・どのような環境下でも、ルールを作る側に立つ奴が一番強い。そして、自分が作ったルールで金を稼ぐ事が、資本主義経済に於いて最も効果的な手法である。

・設問。以下の問いに答えよ。

・たかしくんの通う小学校では、遠足に持ち込めるおやつの上限額は300円迄と定められている。

・より多くのおやつを遠足に持ち込みたいと考えたたかしくんは、昨今の駄菓子類の値上げ状況を論拠に資料を作成し、学校側に「遠足に持ち込めるおやつの上限額」の改定を要求したが、これに対し学校側は消極的な姿勢を見せた。たかしくんの提案はまた、家計負担増を懸念したPTAからも反対を受け、たかしくんは已む無く先の要求を取り下げた。

・一方、クラスメイトのゆうとくんは常からの散財により、おやつそのものを購入できる程のお小遣いを持っていなかった。

・そこでたかしくんは、ゆうとくんが持っている「遠足に持ち込めるおやつの上限額(以下『おやつ持込枠』と表記)」を額面の15%で買い取ることにより、実質的に300円以上のおやつを遠足に持ち込む手法を思いついた(遠足当日の移動中、ゆうとくんのリュックに入っているおやつは、たかしくんが実費で購入したたかしくんのおやつである)。

・たかしくんの手法は、校内の一部の富裕児童の中でにわかに流行した。そこでたかしくんは、次回の遠足で『おやつ持込枠』を証券化し、その取引市場を開設することにした。また、この際、市場内での売買額の5%を手数料として徴求する事とした。

・従来、クローズドマーケットであった『おやつ持込枠』の売買市場はオープンのものとなり、『おやつ持込枠』を購入したい児童は、これまで直接取引のなかった児童からでもそれを買い取る事ができるようになった。

・お母さんのスマホからでも簡単に買い付けが出来る簡便性も相まって、たかしくんが小学六年生になる頃には、実に150人もの児童がこのサービスを利用するまでの市場規模に成長した。

・また、『おやつ持込枠』は、たかしくんの事前想定よりも多くの買い注文が入った為、当初15%で設定していた買取料は、その需要と流動性の高まりを受け変動制に移行した。現在、買取料の足元の相場は20%前後で推移している。

問1:たかしくんの通う小学校で今春行われる遠足では、『おやつ持込枠』の売買は75件の約定が見込まれ、その平均額は200円と見込まれている。この時、たかしくんが得られる手数料額が幾らになるか試算せよ。尚、売買の全てがたかしくんの市場を介して決済されたものとする。

#日経COMEMO #NIKKEI


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