ニシノヨウヘイ

横浜に住む大学生。経済論文、本の紹介や日々の生活で思ったことを発信します。

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  • 本の紹介

    本の簡単な概要を紹介。

  • 元FRB議長バーナンキさんのブログ

    元FRB議長バーナンキさんのブログ内容の紹介です。

最近の記事

7.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

こんばんは。バーナンキさんのブログ紹介第7回目です。全8回とご案内していましたが、7回でした。なのでバーナンキさんのブログ紹介シリーズは、今回が最終回となります。 ⑦全ての中央銀行にとって肝心な教訓:インフレとインフレ期待を目標に近づけ続けることは非常に重要 私のシュミュレーションは米国のみに適用され、量的な結論を直接他の国に拡大することはできない。けれども2つの結論はどこであっても応用できる。 ①量的緩和、フォワードガイダンスを含む新しい金融ツールは、恒久的に金融政

    • 6.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

      こんばんは。バーナンキさんのブログ紹介第6回目です。 最後まであと少しです!(全7回) ⑥重要な警告がある。もし名目中立金利が2%よりはるかに低い場合、新しいツールは下限効果を補うための十分な政策余地を追加しない。インフレ目標の引き上げを含む政策余地を増加させるためその他の対策が必要かもしれない。 私の比較的明るい新しい政策ツールについての結論は、中立金利が2~3%の範囲かそれ以上にあるかどうかが重要で、そこに依存する。シュミュレーションでは、名目中立金利が2%をはるかに

      • 5.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

        バーナンキさんのブログ紹介第5回目です。(全7回) ⑤新しい金融ツールが提供できる政策余地の量は、名目中立金利の水準に大きく依存する。 もし名目中立金利が2〜3%の範囲なら、(米国のほとんどの推定と一致) モデルシュミレーションは、量的緩和とフォワードガイダンスを合わせて3%の政策余地を加えることができ、金利の下限の影響を主に補うことを示唆する。 この中立金利の範囲のために、新しい政策ツールを使うことは、政策余地を増やす手段としてインフレ目標の引き上げよりも望ましい。 中

        • 4.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

          バーナンキさんのブログ紹介第4回目です。(全7回) ④ほとんどの場合、新しい政策ツールのリスクはそれほど大きくないことが証明されている。可能性のある例外は、財務の安定性に対するリスクで、警戒が必要である。 新しい政策ツールのコストとリスクに関する不確実性により、政策立案者は少なくとも最初は、使用に慎重だった。ほとんどの場合、コストとリスク(市場機能を傷つける可能性、高いインフレ、出口(政策終了)の難しさ、所得不平等の増加、中央銀行のポートフォリオにおける資本損失を含め)は

        7.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

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          5本
        • 元FRB議長バーナンキさんのブログ
          8本

        記事

          3.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

          バーナンキさんのブログ紹介第3回目です。(全7回) 今日のFRBの新指針案に関する日経の記事のなかで、第2回目で紹介したフォワードガイダンス、今回の記事で少し触れられている利回り曲線コントロール(YCC)が取り上げられていました。 ③他国の一部主要中央銀行は、他の新しい金融政策ツールを用いて効果的にした。(株式買い入れ、マイナス金利、利回り曲線コントロール(長短金利操作)、融資計画への財政支援) これらの手段は、それぞれ費用と便益が、いくつかの状況では有益であることが証明

          3.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

          2.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

          バーナンキさんのブログ紹介第2回目です。(全7回) ②フォワードガイダンスは、危機直後の期間には特に効果的ではなかったが、時間の経過とともにより精確で積極的なものとして力強さが増した。政策フレームワークにおける変化は、将来のフォワードガイダンスをより効果的にすることができるかもしれない。 フォワードガイダンスは経済の見通しと政策プランについての中央銀行のコミュニケーション。フォワードガイダンスは、経済見通しのなかでの変化に対して政策立案者がどのように反応するのか、社会が理

          2.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

          1.「The new tools of monetary policy」 BEN BERNANKE

          今回から全7回に渡って、元FRB(連邦準備制度理事会)議長であるバーナンキさんのブログの紹介していきます。 ブログ内容は、2020年1月4日、サンディエゴで開かれたアメリカ経済学会年次総会でのバーナンキさんの講義をまとめたものです。 ブログのリンクを貼っておくので先が気になる方はそちらからお読みください。 ①短期金利が低いとき、量的緩和(QE)として知られる中央銀行の長期の金融資産を購入は、金融緩和と経済刺激の効果的なツールとして証明されている。量的緩和の有効性は、市場の混

          1.「The new tools of monetary policy」 BEN BERNANKE

          行動経済学を公共部門に応用する

           今回紹介するのはこちら。 『Applying Behavioral Economics to the Public Sector』(2013) JAMES ALM* Tulane University CAROLYN J. BOURDEAUX** Georgia State University この論文は大きく2つに分かれています。 ①行動経済学の基本要素について ②公共部門、特に公的予算に密接に関連する分野における行動経済学の応用について ②については一部を紹介し

          行動経済学を公共部門に応用する

          幼少期の不況

          一般人の好みの順序、選好は文化のノームや家族などを通して形成され、幼少期の経験に影響を受けます。私達の選好は、様々な要因によって決まるわけですが、幼少期の不況の経験は、中央銀行の金融政策者達の政策決定にどんな影響を与えるのか? 今回は、その影響を実際に研究した論文を紹介します。 『Misplaced childhood: When recession children grow up as central bankers』Etienne Farvaque, Franck M

          幼少期の不況

          人生で一番の挫折

           今日は多忙な友人がランチに付き合ってくれた。目的は、「無い内定」残念会。忙しいところ時間を割いてくれて感謝しかない。  先日、最後の持ち駒である会社の最終選考に落選した。なんやかんや高校に入学し、なんやかんや公立大学に入学できた僕にとって、就活は一番の挫折経験となった。社会の厳しさを知った。なんとなくで生きてきたやつが簡単に職を得れる世界ではない。 『仮面の告白』(著 三島由紀夫)のなかでこんなシーンがある。主人公が鉄棒技で失敗し、笑いをとっているときある人が言う、

          人生で一番の挫折

          感情コントロールできていますか?

          あなたは普段自分の感情をどのくらいコントロールできているでしょうか?感情をどのくらいコントロールできるかは、人生において重要なことかもしれません。今回は、感情コントロールの上手さが人生に与える影響についての論文を紹介します。 紹介する論文は、 「The Ability To Regulate Emotion Is Associated With Greater well-being, Income, and Socioeconomic status」 (Stephane C

          感情コントロールできていますか?

          対話のバランス

           私「本日はよろしくお願いいたします。」  相手「あなたの強みと弱みを教えてください。」  私「私の強みは....」  今日はこんなやり取りがあった。そう面接である。友達のお時間をいただいて模擬面接の面接官をしてもらった。自分の考えを客観的に評価してくれたので非常に助かった。  今回の経験を通して、他者との「対話」というのは考えを深めシャープにしていくためには必要だなと思った。他社との「対話」を通して、もっと違う伝え方が必要だ、自分では考えていたつもりだけど言語化がしっかり

          対話のバランス

          行動経済学を職場に応用する

           行動経済学は職場にどのように応用されていいるのでしょうか。今回は、「Applying behavioral economics insights at the workplace」 (Viktorija ilieva, Ljubomir Drakulevski,2018) の内容を紹介していきます。  行動経済学は、公共政策・公衆衛生・家計・教育・エネルギー消費・投票・交通など様々な分野で応用されています。 <アブスト> 行動経済学は政策立案者によって広く取り入れられてい

          行動経済学を職場に応用する

          腕立てチャレンジをしてみて

           SNSか何かでふと見かけた腕立てチャレンジ。毎日計100回の腕立てを1か月間継続するというもの。実際にチャレンジされていた方は1か月後明らかに体つきが変わっていた。  私はジムも使えないご時世だしやってみようかと始めました。気付けば今日で35日目。計3500回の腕立てをこなしたことになります。心なしか肩回りの筋肉と胸の筋肉がついてきた気がしています。最初は連続で40回程度でしたが、いまでは最高70回連続で行えるようになりました。私はできる限りやり続けたり、25×4セットをこ

          腕立てチャレンジをしてみて

          勉強と学び

           勉強は何のためにするのか、その意味が最近になってようやくわかってきた。それは「人生を楽しくする」学びの基礎を築くことだと思う。今更気づいた自分が情けないし、もっと勉強しておけばよかったと後悔している。  日常生活のなかで学びの機会となる入口はたくさんある。例えばパン作り。生地を捏ね続けると切れにくいまとまった生地になっていく。これは捏ねる過程でグルテンというタンパク質が形成されるからだ。この程度の知識はググれば手に入る。グルテンを更に詳しく知りたいとなれば、グルテンの構造式

          あなたは合理的な人間ですか?

           こんにちは。突然ですが、あなたは合理的な人間でしょうか。古典派経済学・新古典派経済学では、人間は合理的な生き物であると考えて様々な理論を構築してきました。それに異を唱えるのが、心理学の知見などを経済学に取り入れた行動経済学です。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンさんが有名ですね。今回はそんな行動経済学についての論文 「APPLICATIONS OF BEHAVIORAL ECONOMICS IN UNIVERSITY LIFE」 (GEORGE NICULESC

          あなたは合理的な人間ですか?