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2.「The new tools of monetary policy」元FRB議長 ベン・バーナンキ

バーナンキさんのブログ紹介第2回目です。(全7回)

②フォワードガイダンスは、危機直後の期間には特に効果的ではなかったが、時間の経過とともにより精確で積極的なものとして力強さが増した。政策フレームワークにおける変化は、将来のフォワードガイダンスをより効果的にすることができるかもしれない。

フォワードガイダンスは経済の見通しと政策プランについての中央銀行のコミュニケーション。フォワードガイダンスは、経済見通しのなかでの変化に対して政策立案者がどのように反応するのか、社会が理解する助けになる。そして政策立案者は長期低金利政策にコミットすることができる。そのような政策は、たとえ経済が強くなっても政策立案者は金利の上昇を遅らせることを市場参加者に納得させることによって、金融緩和状態を助け、経済刺激を提供する。 
 2009年から2010年のFEDのフォワードガイダンスは、定性的で市場参加者に低金利が長く続くことを納得させられなかった。しかし、2011年初頭には、金利政策を特定の日付に結び付け、次に失業者の行動とインフレに結び付けたより明確なガイダンスで、金利は低いままであると市場を説得。ガイダンスは、他の主要中央銀行でも同様により明確で、洗練され、積極的なものになった。
例えば、英国の中央銀行は金利ガイダンスを経済状況に結びつけ、欧州中央銀行は一般の人々が多様な政策ツール間の関係を理解できるようにガイダンスを用いた。
フォワードガイダンスは、中央銀行の正式な政策フレームワークに組み込まれた場合、更に効果的になる可能性がある
 例えば、FEDが現在検討している補填政策(オーバーシュート期間とともにインフレが目標を下回っている期間を補填する約束)は、次のゼロ金利に先立ってガイダンスを進めることに相当する。この事前準備を行うことで、ガイダンスが必要な時には、ガイダンスはより明確で、予測可能で、信頼できるものになる。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

バーナンキさんのブログ
https://www.brookings.edu/blog/ben-bernanke/2020/01/04/the-new-tools-of-monetary-policy/

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