見出し画像

アメリカでの生活 春のイメージは泥?

 3月に入りだいぶ春めいてきた。
 私は春が好きで、裸木の茶色や雪の白ばかりのモノトーン調だった景色が色づき、花はもちろんのこと若緑色の木々の葉っぱに生命力を感じて、止まっていた景色が動き出すので自分も元気になる。自然のエネルギーを分け与えてもらえるような気持ちだ。

 現在は日本の比較的暖かい地域に住んでいるのだが、2013年から7年間はニューヨーク、ミシガン州、ニュージャージー州と比較的寒い地域に住んでいた。冬の太陽は厚い雲に遮られてあまり見えない。

 そんなある日、ミシガン州での無料のESL(English as a Second Language.英語が母国語ではない人のための英会話教室)でのお題が
「春のイメージ」
だった。
 私は「Sun 太陽」「Color 色彩」などを挙げたのだがアメリカ人の先生は「Muddy 泥っぽい」だった。少しネガティブに感じて意外だった。

 確かにアメリカは芝生が多い。ミシガン州も車道の分離帯や歩道脇、庭、至る所に芝生がある。ニューヨークだってセントラルパークは芝生だらけ。冬は雪に覆われ、春はそれが溶け出すので泥だらけで歩き心地はとても悪い。私は冬から春までは毎日長靴を履いていた。
 (ちなみに長靴はすぐ冷たくなって足が痛くなり雪には向かないのだがスノーブーツは水が染み込むと聞いたので長靴で押し通した)

アパートの庭も芝生


小学校の校庭も芝生

 春になり、芝生が伸び出す。私の当時住んでいたミシガンのアパートでも街中でも、春が来ると芝狩り機の音が数日おきに聞こえてきて、刈ったばかりの青臭い匂いでも生命の再開を感じていた。そしてイースターもやってくる。イースターはキリストの生命の復活祭。エッグハントをするため、子供たちは泥だらけの芝生でお菓子やおもちゃの入った卵を拾う。

 Muddy。私にとっては、単に泥っぽいという意味だけではなく、春の訪れ、生命の再開、走り回る子供たちといったポジティブな意味も含む忘れられない春のイメージだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?