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EP43 おじいちゃんのだんなさん2

このnoteは2021年6月5日に収録した音声を文字起こししたものです。


こんにちは! 松村亜里です。ニューヨークから幸せを科学的に研究するウェルビーイングやポジティブ心理学をお伝えしています。


今日は、「おじいちゃんのだんなさん」のNo.2です。

パート1はこちらから↓

義理の父には夫さんがいて

おじいちゃんのだんなさんっていうとね、「あれ?」って思うと思うんですよ。私は普段、だんなさんという言葉は使わないんです。夫婦関係というのはイコールであって上下ではないので。おじいちゃんの夫さんですね。

まず一番びっくりされるのは「え? 同性愛の人なのに何で子どもが生まれたの?」ということです。たぶん隠していたんですよね。グランパのお父さんはすごく厳しい人で、言えるような感じの人ではなかったんだと思います。それでずっと隠していて、たぶんね。学生時代はシアターが好きだったし。

それでグランパはグランマと結婚して、子どもが3人生まれました。夫が高校生の頃に理由はわかりませんが離婚をして、その後夫さん(パートナー)が見つかったみたいです。そのときにたぶん同性愛だということをそのまま、自分らしく生きていこうと思ったんだと思います。

離婚してからもアメリカは共同親権なので、お父さんとお母さんの間を子どもたちはずっと行き来していました。お父さんはすごく成功している方で一時期はブラックカードを持っていましたね。今はちょっとわからないですけど、引退してフロリダにいます。だから子どもたちは休みになるとフロリダに会いに行きます。

でも普通にお父さんとお母さんは共同で子育てをするので、両方ともと仲良く育っていくんですけど、だんなさんはもうすごく長い間一緒ですね。ちゃんと結婚しています。マサチューセッツ州に住んでいたときに、ニューヨークだったかな、アメリカで一番先に同性愛の結婚がOKになった州に飛んで結婚式をしました。写真をみんなに送ってくれたりして、お祝いもしました。

熱意に親切心にホスピタリティーに

夫さんは南アフリカの出身で、そこで育った方で義理の父よりかなり年下です。すごくキュートな人なんですけど、私のイメージではスターウォーズのC-3POみたいな感じの方です。本当にかわいくて。南アフリカなので、イギリス的な感覚なのか、キスは両方してハグします。何人かの人には口でキスをするんですよね。初めはびっくりしますけどね。でもそれが文化みたいです。

そして、本当に本当にホスピタリティが高い人です。もともとそういう人でしたけれど、ホスピタリティのPh.D.(博士号)も取ってしまったという人です。ホテルマネジメントとかです。フロリダにディズニーランドがあるので、フロリダの大学でワインとかホスピタリティについて教えています。

Ph.D.も50歳くらいで取ったのだと思います。とにかく情熱があって、親切で、私が知っている人の中でも5本の指に入る自己肯定感が高く幸せな人です。私の今日の強みの講座では熱意について話しましたけど、熱意もすごく高い方です。

グランパはすごく貧しい家庭に生まれて頑張った人なんです。たぶん短大しか行けていなくて、私がPh.D.を取ったら、夫の家族がすごく感化されました。夫もPh.D.をその後に取りましたし、妹さんも取りました。そうしたらおじいちゃんの夫さんが「僕もPh.D.いく」と言ってホスピタリティのPh.D.を受けて、今家族にPh.D.を持っている者が4人います。おじいちゃんはすごく苦労された人なので、とてもうれしいのではないかと思います。

義理の父の夫さんの親戚は南アフリカでワイナリーをやっていて、私と夫が結婚した年のクリスマスに新婚旅行で行ってとても楽しかったです。そのときも同じように、広いおうちで、何から何まで至れり尽くせりで、お姫様みたいに扱ってくれました。

とにかく、さっきも言いましたけど、私の知っている人で、5本の指に入るほど自己肯定感高くて幸せな人なんです。とにかく親切です。すごく親切で、すごく愛情深くて、自分もすごく受け取ります。プレゼントとかを持って行っても本当に喜んでくれるし、受け取るのが上手いです。

例えば今回、私が行っている間に「ねえねえ」と話しかけられました。彼の博士課程の生徒の奥さんが日本人で、日本で知り合ってコロナの最中かその前にフロリダに来たそうです。子どもがコロナの最中に生まれて、子育てをしているのだけど、日本人の知り合いがあまりいないから会ってあげてくれないかと言われました。こうやってみんなが幸せに暮らしているかということをいつも気にかけている人です。「もちろんです」と返事をして会いました。私の息子がその方の1歳の娘さんをプールに入れてあげて、その間に私は彼女と話しました。そしたら彼女はその後、この音声とかYouTubeとかを聞いてくださっているようなので、今日はちょっと恥ずかしいんですが。私はこの家族がすごくいいなぁと思っています。

自分らしく生きることが普通になる世界を目指して

20年前くらいに夫が「自分の父親とそのだんなさんがいる」と言ったときに、なんていいんだろうと思いました。ニューヨークなので、友だちにゲイの方もいました。レストランのウエイトレスをやっていたときに一緒に働いていた日本人の友だちです。

ニューヨークではすごく自分らしくいられるのだけど、まだ親には言ってなくてだから日本には帰れないと言っていて、すごく悲しいなと思いました。うちの子どもたちは生まれたときから、おじいちゃんとおじいちゃんのだんなさんとおばあちゃんが3人で日本に遊びにきていたので、グランパが2人いることをおかしいとは思っていません。男性同士で結婚するのも普通だと思っています。

よく娘が「ママと私は結婚する」と言っていて、「女の子同士はできないんだよ」って言って、「あ、できるな」と思って。そんな感じですごく自然に育ちました。彼からは学ぶことがたくさんあります。すごく印象深いことは、グランパは今すごく優しい人なのですが、うちの夫はすごく厳しく育ったらしいのです。それはたぶん自分らしく生きていなかったときなんです。

仕事が忙しくて帰ってくるとすごく厳しいことをしたそうです。ベルトで叩かれたこともあると言っていました。でも今は本当に優しい人なんです。昨日言ったように、愛情がいっぱいな人です。我慢して自分らしく生きていない人って嫌な人になるんだなと思います。逆に自分らしく生きている人は幸せな人なのだと思います。

私もこれまで我慢して頑張って生きてきたから、それでイライラしていた部分もあるのかなと思います。人生の後半はもっと自分に正直に、自分らしく幸せに生きていきたいと思います。何度も言いますが、その人がその人らしく生きられる世界、その人が好きな人を愛して、好きなことをする世界を作っていければいいですね。


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