信頼を与えるか刺激を与えるか。それが女の立ち位置を決める。
「彼の奥さんは高校時代の恋人でね、今ではすっごい太ってて、ただのおばさんだけど、彼は絶対離婚しないわよ」
NYで金も地位もある男というのは、高校・大学時代の同級生と結婚しているケースが多い。それゆえ、残った男たちを巡って、世界中から集まった女たちが結婚へのバトルを繰り広げる。
なぜ彼らは、「ハイスクールスイートハート・高校時代の恋人」と結婚するのだろう?
ずっと不思議に思っていたのだけど、先週末その謎が解けた。
ビジネスパートナーと仕事の打ち合わせで集まった先週末、話題はいつものように、ビジネスから、美容・恋バナ・ゴシップへと移っていく。
彼女が何気なくこぼした、「以前同僚だったアジア人女性」の話に興味をひかれた。
「前の証券会社で一緒だった女性ね、業績不信で数年前にクビになったんだけど、その時の上司とずっと不倫してて、妊娠したの。それで奥さんも交えて話し合った結果、清算金をもらって、もう二度と彼とは合わないって契約書にサインして、一人で子供産んで育ててるのよ。」
という。
私「へえ。すごいわね。その人いくつ?」
友「妊娠した時は39で、今は42、3かな」
私「その相手の上司ってどんな人なの?」
友「すっごいキレるアメリカ人だけど、外見はまあ普通よ。奥さんとの間に子供が6人いるのよ!」
私「わお!6人!奥さんどんな人?」
友「ハイスクールスイートハートよ。今は太ったおばさんだけどね。でも、彼女賢いわよ。6人よ!6人。それじゃ絶対離婚されないもんねえ。」
私「30後半になって、よくそんな相手と不倫関係続けてたよね、その女性も。」
友「本当よね。「妻と出会っていなかったら絶対君と結婚してた」とか言われてたらしいけど」
私「そんなの誰でも言うでしょ!なんの意味もないじゃない。それで、奥さんにばれた時はどんな騒ぎだったの?」
友「それがさ、彼それが初めてじゃなかったらしいのよ。前にもあったの。で、奥さんは、冷静沈着に弁護士立てて、金額提示して、契約書作ってきたのよ〜。」
私「さすがねー。だてに高校時代から付き合って、子供6人産んでないわ。」
友「全くよね。金融の世界ってさ、高校とか大学時代の同級生と結婚する男多いのよ。なんせさ、競争がし烈な世界じゃない?だから一緒に育った相手じゃないと、心から信頼できないとこあるみたいなのよね。だから適当に遊んでも、最後に戻るのはハイスクールスイートハートってわけ」
なるほど
私は心の底から納得した。
男女の関係というのは
「信頼・安心」を与えるか、それとも「刺激・興奮」を与えるか
このバランスによって、その形が変わる
アメリカでは一般的に、パートナーにその両方求めるようなところがあるが、言葉で言うほど簡単でないのは、まともな恋愛関係がある人間であれば、想像に難しくない。
「信頼・安心」を与えなくては、生涯のパートナーに選ばれることはないが、ほどほどに「刺激・興奮」を与えなくては、男はよそ見をしはじめる。
ここで、既に家庭という「信頼・安心」の土台を持っている男に、いくら「刺激・興奮」を与えても、その浮気相手の女が、妻という「信頼・安心」を与える立場に新たに取って変わるケースは稀なのである。
特に、成功している男ほどコンサバであることが多く、生活の土台は何一つ変えることなく、たまに非日常的な刺激を楽しみたいだけなのだ。
私の周りでも、子供が4、5人いる”金持ちの子沢山”たちが、「子供が4人もいるから妻とは離婚できない」などどと言いながら、浮気しているケースが少なくないのである。
だから、そんな男と関係するなら、この先もずっと「刺激・興奮」を与えるだけの女でいる覚悟をしなくてはいけない。
私「それで、彼女今どうしてるの?」
友「かわいい女の子産んでね、手切れ金でビジネス初めたの。順調みたいよ。ほら。」
そう言って、こちらに向けられたiPhoneのFacebookページには、栗毛色の髪をした小さな女の子と、頭からつま先まで、いかにも金がかかっている気の強そうな女性が写っていた。
彼女はきっと、その上司のことが本当に好きだったんだと思う。40近くでありながら、世間知らずなところもあったのかもしれない。
世の中にはどうにもならないことがある。
それでも、底力があればなんとか前に進めるんだな。
「信頼・安心」を与える女であっても、「刺激・興奮」を与える女であっても
自分で自分を支えられる女であるかどうか
これが一番大事なんだと思う。
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