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モリコーネさん、作曲したいってよ

今日はある特定の人へのメッセージも兼ねて書きますね。

#続ける

夫婦2人暮らしの食事は全て僕が作る。
このスタイルになって、とうに5年は経ち、早10年近い。

我が家の朝は温かい飲み物と、
あればちょっとクッキーとか小さなパン程度で、調理はなし。
だから作るのは昼と夜の計2食を2人分ずつ。

2〜3週間に一度くらい、マックになったりUberを使ったりもするけど、
それ以外は、出社する日のお昼もお弁当を持たせたりして毎日作る。

汁物があって、サラダや漬物があって、おかずになるものがあって。
日々ちょっとずつ残り物も繰り越されるような食卓。

恐らく充分に昭和の専業のお母さんレベルで作れる自負はある。
具体的には、華やかでなくても、あり物でレシピに悩むことなく作れる。
漬物はぬか床をせっせこかき混ぜたりしている。浅漬けより古漬けが好み。


#性に合う

根底として、僕は料理が性に合う。

ラジオや音楽が好きなので、イヤホンで聴きながら、黙々と手を動かす。
この「黙々と手を動かす」のところが心地よい。

そして短期間で区切りよく成果物が、つまり料理ができ上がる。
この「短期間で区切りよく成果物」のところが心地よい。

会社員だった頃、10年以上昼夜問わず働き続けた。
幾つも案件を抱えて、同時進行して、長期で大きな成果を得る仕事。
楽しくて、タフに振る舞えて、深夜に飲んだりもしていた。

そうしたら、ある日突然、心が重症になっていた。びっくりした。

黙々と手を動かして、短期間で区切りよく一つひとつ成果になる仕事。
結果、それを仕事でも生活でも選ぶようになった。


#当たり前の先

そんな料理が最近、昔ほど楽しめない。
正確には、楽しいか作りたいかに関わらず、作るし作れてしまう。
全然嫌ではないし、飽きてもいない。
どうやら“当たり前”になったっぽい。

賛否あるけど、僕は、可能なら好きなことを仕事にした方がいいと思う。
理由は、根底として興味があるので、放っておいても情報を仕入れる。
好きなことだから仕事が楽しいというよりは、
好きなことだから知識や技術が身につき、発揮できて、上手くいく。

好きなことをやり続けると、楽しくてどんどんできるようになる。
できるようになると、いつしか当たり前に進められるようになる。
当たり前を突き詰めるとどうなるのか。僕はまだ知らない。

会社員ならマネジメントコースに入り、後任育成にまわる頃だろうが、
仕事も生活も専門職コースの僕には、この先どんな開眼が訪れるのだろう。


#極まらない境地

今年の7月、作曲家のエンニオ・モリコーネが91歳で亡くなった。
彼のことは、ニュー・シネマ・パラダイスの曲の人くらいの知識だが、
ラジオの特集で聴いた、とある2006年のインタビュー内容が衝撃だった。

あなたは全ての成功を手にしましたがこれからやりたいことはありますか?
『やりたいことは、私は作曲がしたい』

...そうなるのか。

これは多少かっこよく脚色されたり、盛ったりされた情報かもしれない。
でも、全く言っていないことは流石に語り継がれないだろう。
だから、そういう趣旨のことに触れたんだと思う。

77歳の大家が、さんざんやってきたことを『やりたい』と言う境地。

当たり前を突き詰めるとどうなるのか。僕もまだ知らない。
ただ「次を探さず突き詰めてみる」という選択もあなたに提案してみたい。

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