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分かりやすさを忘れずに

飲食店業界に長くいたりすると、業界の人なら当たり前に知っているけれど、そうでない人にはわからないことを失念してしまいがちです。

外国の名前の料理や、料理法を書いても、お客様には何のことかわからないことが多いのです。皮の表紙に挟まれたメニューを持ってくるホールの方が、すべて説明してくれるような高級店なら、特別なメニューという感じでもいいでしょうね。ここで、ご自分の店が、どういうお店なのか、きちんと見極めるのは大切です。

会社帰りにちょっと立ち寄って、気軽な値段で飲食してもらえるように、人件費をかけなくて済む、カウンターだけの店だったり、ランチタイムに近所のオフィスの方々が来る、手早く提供しなくてはならない店だったら、お客様が一目でわかる説明のあるメニューが必要です。

自分ひとりで料理もドリンクも出さなくてはいけないのに、きちんとした説明ができますか?昼休憩の短い時間に、会社から往復して食事を済ませなくてはならないお客様にとっては、説明を求める時間も貴重なはずです。

一般の飲食店のランチメニューをみると、わかりやすい、つまり知っているメニューの方が売れているのがわかります。それが、食べたいという気持ちのほかに、メニューの内容を聞く時間が惜しいという方も多いのではないか、と思います。例外は、各国料理などの専門店です。こういうお店にランチを食べにくるお客様は、そういう料理が好きでご来店しているので、初見のメニューでも喜んでチャレンジしてくれます。

「これ、修業した店の自慢料理なんだよね。今の季節の食材を使うし。」というようなメニューがあるなら、グランドメニューに説明つきでのせるより、メニューに挟み込みで説明文を入れましょう。店内に掲示する場所があるなら(ブラックボードとか、コルクボードとか)そこにも張りましょう。グランドメニューより、目立ちますから。どんな食材を使った、どんな味の料理かを書いておくのもお忘れなく。

メニューの見やすさ(配置や、字の大きさなど)、内容のわかりやすさというのは、実は大切なポイントです。もう何十年も同じ場所でやっていて、同じメニューと言うお店だって、新しいお客様がいらっしゃるかもしれないのです。常連さんだって、実は知らないメニューがあるかもしれないのです。




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