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季節の持つ役割、秋は熟成なり

こんにちは、おはようございます。

ストーリーでもそうなんですが、季節には特徴があって、なんらかの力を持ちます。今回はそういうお話。

・春はあけぼの

枕草子でしたっけね。もう随分昔にやったような気がします。いい言葉ですよね、春はあけぼの。

夜明け前、月明かりが照らす山を見ていると、だんだんと太陽が登っていく。草原を明るく照らし出して、春が始まる──みたいな、始まりがある。なんたって入学の季節ですからね。桜とか咲いちゃう。

夏は夜。これも枕草子からの引用です。セミですね、セミ。たまに蚊。蚊は……嫌ですよね。もう滅びればいいとか思っちゃう。かゆい。

夏って歌ですよね。突然ですけど。"secret base 君がくれたもの"とか、もうめちゃくちゃに夏。誰しも一度は聞いたことがあるんじゃないですかね。

君と夏の終わり、将来の夢、大きな希望、忘れない──。

私はあの歌が好きです。冬でも聞きたい。夏の歌なのに。そういう時ってありますよね。

夏のテーマは冒険です。ずばり。大人になってからじゃできない、子供時代の思い出。高校生ぐらいまではこのテーマがあると思います。これが大人になるとまたちょっと変わってきて、なんというんでしょうか……。戦いってテーマになるんじゃないですかね。サラリーマンとかが汗水垂らしながら、必死に働いて、戦う……みたいなイメージです。いや、イメージですけどね?

で、秋です。

・秋は熟成

熟成っていうとお肉とかお酒とか、そういうのをじっくり蔵に入れて寝かせるみたいなイメージですよね。まさにその通り、秋は熟成。じっくり、楽しむ。

色を変える、と表現しましょうか。紅葉とかがまさにそうなんですけど、夏にかけて繁らせた葉っぱを、一気に色付ける。熟成です。美しく老け込む、というか。夏の生命力あふれる緑の葉っぱを、冬に散らせるために、秋で歳をとって枯らせていく。そう考えるとちょっとロマンチック……なのかもしれませんね。

そして、そうやって歳をとった葉っぱはとても綺麗で美しい。

秋のイメージカラーは紅葉色、赤から茶色。少しずつ、枯れていくんですね。

これをストーリーに当てはめても同様になります。

春出会い、夏に冒険して仲良くなったのが、秋でまた変化する。望む望まないに関わらず、色を変える。その変化にどう対応していくのか。これが秋におけるテーマの一つでもあるでしょう。

そして冬がやってきます。

・冬のテーマは試練

冷たく凍えた道を一人で帰る。そういう情景です。

なんというか……冬ってこれまでやってきたことの成果を問われる季節だと思います。現実で言うと受験とかですね。受かるか受からないか、これまでの努力が問われる。それと確定申告とか、会社の決算とか。利益を確定させて、一年の成果を問う。

冬は特に、人間関係をテーマにした作品において輝きます。楽しいだけが人生じゃない、そう言うことを前面に押し出してくる訳ですね。

例えば、春に卒業を控えて、違う進路に進む友達との別れとか。秋の熟成を経て新しい関係に踏み出そうとする男の子とか。

これまでの仲良しな関係が、いやが応にも変わらざるを得なくなる。でないと、厳しい冬を超えることはできない。そういうテーマなんだと思います。春を迎えるために、一年に対する答えを出さなければならない。ストーリー的にはそんな感じです。

・そしてまた、春が来る

試練の冬を乗り越えて、また春が来ます。

また出会いと別れを繰り返して、全く新しいことに挑戦するための第一歩を踏み出したりする。一年はそうして繰り返していくって訳ですね。

ストーリー作りの観点から見ると、日本という国はなかなか難しくて、四季をどうストーリーに絡めるか、みたいな部分がとっても難しい。逆に、それをうまく使えるととても詩的で感情的なストーリーが生まれる。俺ガイルとか。ラノベですけどもね。

実際の一年もある程度はそれに沿っていると思います。

さて、ようやく夏が終わり、秋を迎えますね。

熟成の秋、お肉とビールを構えて乾杯。楽しみましょう、秋。

今回はそんなお話。ここまで読んでくださったあなたに感謝を。







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