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【家宝に】 C-C-B書籍「寝たふり」 【します】

先日、ようやくゲットできたC-C-B本「寝たふり」。
1989年の解散時に出版されたもので、
C-C-B本の中で一番面白いと定評のあるものでした。

私は他のC-C-B本は手放したものもありますが
過去に何冊か持っていた事があり、
でも「寝たふり」は持っていませんでした。

年明けくらいにこの本がメルカリで出ているのを見たのですが、
3,000〜5,000円くらいしていてその時は手を出さず。

しかし、やっぱり欲しいかもと再び「寝たふり」を
メルカリで検索した時には全て売り切れ・・。

「うーん」と考えた私は、
「そうだ!」と神田の古本街に行ってみる事にしました。

「古本屋の片隅に500円くらいで転がってるんじゃね?」
そんな思いでいたのです。 が、とんでもない!

何軒か古本屋を巡り「やっぱりないか・・」と諦めかけ、
「ここで最後にしよう」と入ったバンド系の古本専門のお店。

店内をウロウロし、「PATi PATi」が沢山あったので、
なんとなく一冊ずつ引っ張り出して表紙を確認しました。

すると発見! C-C-Bが表紙のもの!
しかし! 値札を見ると20,000円近い値段!

「えー! 『PATi PATi』だよ!?」と目を疑う。
尾崎豊の表紙の物でさえ5,000円台だと言うのに。

棚の前で呆然としていると店員さんが
「何かお探しですか?」と声をかけて来ました。

C-C-B本を探してるって言うの恥ずかしいなぁと思うのと同時に、
「寝たふり」なんてわかるかな?と思いつつ、
「C-C-Bの寝たふりっていう本を探してるんですけど・・」と言うと、
「あー! 寝たふりねー!」と店員さん。

「え? わかるの!?」と驚きつつ店員さんの話を聞くと、
探している人が結構いるようで、
ただ古い本なので出回っている数が少なく入手困難との事。

「ちなみに他の本はありますか?」と聞くと店員さんが奥から
「Yes, 100熱」と「photography」を持って来ましたが、
どちらも二万円と言われました。

そこでようやく「C-C-Bがえらい事になっとるぞ!」と気が付いたのです。

二万円なんて出せない、と言うか「寝たふり」はここにはないと悟り、
メルカリで出品を待つ事約半年・・。

出品されても価格はどんどん高騰し(2万円台くらいまで上がっていた)、
それでもあっという間に売れて
気づいた時には「Sold out」になっているので、
もう買える気がしないと思っていました。

しかし先日、特殊な形で出品されていたおかげで
誰にも見つかっていなかったものを、
たまたま見つけてゲットできました。

出版元に再販希望のリクエストも出したりしましたが、
結局メルカリで買いました。

ちなみにシンコーミュージックのリクエストはこちらからできます。

メルカリでは50万円とか法外な値段でも出品されていて(まだ売れてない)、
それはさすがにありえないなぁと思いますが、
それでも買う人がいるかもしれないと出品者が思うほど
需要があるって事なんでしょうね。

そんなこんなでやっとこさ手に入れた「寝たふり」。

確かに内容が濃かった・・。

赤裸々で正直なメンバーの言葉がびっしりと綴られていました。

前半は1959年メンバー生誕から1989年解散までの出来事を、
「事件簿」として30個くらいエピソードを紹介しています。

編集者さんの語り口調がちょっと面白いのと、
その合間に「証言者」としてメンバーが当時の事を語っているのが、
リアリティがあって読んでいてもドキドキワクワクします。

まだまだ知らない事があったんだなぁと、
「こんな事公表しちゃっていいの?」というようなお話もありました。

あとは記事の合間に小さくですが当時の写真が載っていて、
まだココナッツボーイズ時代に自転車置き場での営業
(割り箸でヨーグルト食べた時の)で歌っている模様とか、
今までは頭の中で想像するだけだったのが「こんな感じだったんだ」と
実際の様子がわかったりもしました。

売れる前の苦労話と、ブレイクしてからの目まぐるしい日々、
この辺までは勢いがあって、
こちらもエネルギーを貰えるような感じで読みました。

そして私がファンを離脱した後の話。
アルバム「走れ★バンドマン」が出た後くらいでしょうか?

末期の頃はこれまでよく知らず、情報もあまりなかったので、
「そうだったんだ」と思いながら読みました。

その頃はバンドが衰退に向かっていく時で、
メンバーは思い悩んだりしていただろうけど、
それでも頑張ろうとしていたのかなという感じが読み取れ、
そんな中離れてしまっていた自分が
申し訳ない気持ちになりました。

解散したのも風の便りに聞いたくらいで、
当時はほとんど関心がなかった。

1989年の特に10月って、
私的に振り返ると人生で一番青春していた時期で、
リアルでの生活でいっぱいいっぱいだったんですよね・・。


後半は関口さんが他の4人のメンバーに対してインタビューをしています。

そういうコーナーがあるのは事前に知っていましたが、
私はもっと対談形式の会話中心のものだと思っていました。
実際は関口さんらしく小説のような描写で綴られた
エッセイのような内容になっています。
その合間に会話が入ってくるような。

もっと和気あいあいとした感じかと思っていましたが、
真面目に話をしていますね。
そして関口さんから見た各メンバーについても、
関口さんが思ったままを書いています。

中でも印象的だったのは、
関口さんはあるメンバーに会う時にいつも緊張するとの事でしたが、
そのメンバーが意外な人物で
「そういう風に見ていたんだ」と驚きました。

関口さん脱退や解散理由の真相についていろいろ囁かれていますが、
結局はみんな自我が芽生えたって事なんだろうなという気がしました。

ココナッツ時代は売れる事を目標に頑張って、
売れたら売れたで忙しく、やるべき事をひたすらこなす日々。

そんな中で経験値も上がって、
「自分が自分らしくいられる生き方」みたいなのを
考えるようになったのかなと。

そしてそれをいち早く見つけて動いたのが
最年長の関口さんなのは納得がいく。
その後に続くように他のメンバーも
「俺の道はこっちだな」と言うのが見えてきてしまった。

それがみんな違ってて、
みんなが自分らしくいられるには
一旦解散という答えしかなかったのかなと。

これまでもうっすらとそんな感じだったのかなと思っていましたが、
「寝たふり」を読んでよりその見解が確信に近づいた気がしました。

でも同じ人間ではないから、
成長とともにそうなっていくのは自然な事なのかもしれません。

本の中でタモリさんが以下のようなコメントを寄せていました。

彼らも若い若いと思ってたけど、もう30近いんだよね。
解散、と聞いて、そろそろその時期だなぁと思いました。
音楽やるやつは、結局みんなわがままだし、
わがままになって個性を出していかなくちゃね。

「寝たふり」より

さすがタモさん。
大人な目線のコメントだなと思いますね。
それぞれが成長して自分の世界を追っていくのは自然な事だって
わかっているんでしょうね。

また、こちらの一文もグッときました。

(1987年関口さん脱退後の武道館ライブの時の話)
「武道館っていっても、
ライブ中はステージが狭く感じちゃったねー」(英樹)
「うんうん」(3人)

「それでいいんだよね」。
武道館の1階席一番後ろで、
じーっとステージを観ていた関口が、そう言った。

「寝たふり」より

関口さん最後のEASTのライブの時に、
渡辺さんが関口さんがいなくなった後、
ステージが広く感じたら・・関口を思い出すと思います
みたいな話をしたんですよね。

でも武道館なんて大きなステージでも
狭く感じたという言葉を関口さんが受けて、
「自分がいなくても大丈夫」な4人の事を、
少しは寂しさも感じただろうけど、
「それでいいんだよ」って思ったのは、
やっぱり大人だなと思いました。

某掲示板でC-C-Bの解散について
あれこれ書き込みされていたのを見た事がありますが、
解散に至った戦犯探しみたいな流れになっていて、
悲しく思った事があります。

みんな大人になっただけって私は思っています。
(その過程では傷つけあったりする事もあるんだと思う)


家宝にします


その他、個人的に印象的だった所。

●Q&Aコーナーにて渡辺さんへ
「自分を動物にたとえると何ですか?」の質問の答え。

カワウソ

に、似てる・・。笑

●田口さんは地元のバンド仲間ではすでに有名人だった
渡辺さんと定時制高校で初めて出会い、
憧れの人だっただけに緊張したそうだが、
いきなり「凧あげしようぜーっ」と叫びながら
夜の校庭に出ていく渡辺さんを見て呆気にとられたとの事。

メンバーで最初に知り合ったのが渡辺さんと田口さんだったようですね。
そこに笠くんが入り、関口さん、米川くんと続いたようです。
笠くんは渡辺さん、田口さんと出会った時はまだ14歳の中学生でした。
そんな頃から知り合いだったんですねーー。

●解散間際、いいともで笠くんのそっくりさんが
出ていたのを見た笠くんは過去にスタイリストさんに
「リュウも、ものまねされるようにならないとね」
と言われたのを思い出したそう。

そして解散後だいぶ経ってからも
C-C-B吾郎なんてキャラも出てきた訳だけど、
笠くんはそれだけ人の心を掴んでいたんだよーと
言ってあげたいと思いました。


●関口さんのインタビューでの米川くん。
「はじめのうちはなじめなくってさ!」の米川くん言葉を受け、
「だと思うよ。でもいつの間にかわかりあえた?」の関口さんの質問に、
「というか、だんだん同じ人間になってしまった」と米川くん。

「ウッハッハハハ」(大爆笑)の関口さん。

当時は米川くんてずっとメンバー内でも一歩引いた感じで、
バンドの事どう思ってんのかな?と思っていましたが、
ちゃんと気持ちの上でも仲間になってたんですね。(*^ ^*)


●最後の締めくくりの編集者さんの言葉で、
「C-C-Bは、カッコよくないカッコよさを
教えてくれたバンドなのかって、ようやくこのごろ、
気がつき始めた世間です。」
とありましたが、そうなんですよね。

カッコ悪い事がカッコいい。
どことなくB級感漂うちょいダサな普通の兄ちゃん。

彼らがカッコつけるときは、
お客さんに楽しんでもらおうという演出・サービス精神のため。

お高く止まったり自分たちを必要以上に良く見せるために
カッコつけるなんて事はなかった。
自分を等身大以上に飾って見せる方がダサいよねってポリシー。

そんな偽りの無さ。

それがカッコいいんだって事を、ファンはわかってるんだよね。
(逆にファンじゃない人はB級っぽい部分しか見ていないのかも)

いつでも自然体だった。

メンバーみんな、本当に素直で正直な人たちで、
純粋に音楽にそして仲間に対して愛がある。

だからこそビジネスとしての音楽屋にはなれなかったんだろうなぁ。

それが彼らの最大の良さ、魅力でもあるんだけど。

そんな事を改めて気付かせてくれた一冊でした。

メンバー達、この本の取材は大変だったようですが、
こんな素晴らしい本の"ネタ振り"をしてくれた
出版社さんには感謝いたします。笑


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