歩くということ

お靴を履いて
お外を歩けるようになった
あなた

真剣な顔で
大地の感触を確かめるように
一歩
また一歩と
どんどん進んでいく

途中で
私が両手を広げて
抱っこしようか
と尋ねてみても
私の手を取って
また一歩
一歩と
どんどん進んでいく

これまでは
高いところから眺めるしかなかった
地面が
落ち葉が
木の根が
すぐそこにある

これまでは
指を差して知らせるしかなかった
行きたいところが
自分の足で
自由に行ける

これまでは
顔を背けていた
風さえも
心地良い顔で
向き合っている

自分の足で
歩く楽しさを知った
あなた

あなたの行く道が
優しさと　
楽しさに
溢れていますように

あなたの歩む世界が
あなたを
あたたく迎えてくれますように

あなたが
この世界を
１人で歩けるようになる
その日まで
私はあなたの隣を
どこまでもどこまでも
一緒に歩きたい

あなたの左手をパパが
あなたの右手を私が
ぎゅうっと握って
せーので
あなたを
高く高くあげる
あなたの笑い声が
新緑の輝く公園に響き渡る

世界が
私に
微笑みかけている