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妊娠を機に起こった私のコペルニクス的転回Ⅲ-結婚は点ではなく,線である-

前回までのお話
1  私のこれまでの人生における結婚・出産の意味
2  突然現実化した私の結婚

3  結婚は点ではなく,線である

付き合って約2週間で婚約し,その約2週間後に同居を開始し,さらに,その約2ヶ月後に入籍したわけだが,あまりにも急展開で,結局,結婚指輪も結婚式も新婚旅行も結婚に伴う儀式は未定のままだった。

元々,商業主義に踊らされたくないとか,みんながするからするとかそういうのかっこ悪いよねっていうなかなか捻くれた性格なのに加え,極度の凝り性で優柔不断なのもあって,どうせするんだったら,結婚指輪は他の人と違う私たちだけのスペシャルなものが良いし(結婚の証なのに他の夫婦と同じ指輪って変じゃない?とか思ったり),結婚式するなら人と違った私たちだけのスペシャルなものにしたいし…なんて考えて,結婚指輪も結婚式もいくつも検討したり,最後は結婚指輪は自作しちゃうことまで考えたりもしたけれど,結婚して3年目を迎えた今でもまだ何一つ実現していない。

結婚して初めて気付いたことだが,結婚は人生の出来事ではなく,毎日の生活のことで,つまり,結婚は点ではなく線であるということ。私は結婚指輪や結婚式や新婚旅行といったいわゆる「THE 結婚」というイベントよりも,夫と一緒にご飯を食べて,たくさんお話しして,アイスを食べながら映画やドラマを見て,ベッドで横になってそれぞれスマホをいじったり,くだらないことで笑ったり,ときには喧嘩したり,傷つけ合ったり,泣いたり,仲直りしたり,休日にはキャンプなんかに出かけたり,夏休みには1週間のぶらり旅に出かけたり…そんななんでもない毎日が「結婚」そのものであって,そんな日常の中で「やっぱりこの人と結婚して良かったなぁ」とふと思うことが私にとっての「結婚」なんだと思う。そして,私にとって大事なことも幸せなことも,結婚に伴うイベントではなく,なにげない日常の方なんだと思う。

つまり,何が言いたいのかと言うと,付き合って初めてのデートで決めた結婚だったが,夫と結婚したことは私のこれまでの人生で最も良い決断だったということ。夫とのなにげない毎日は女性にとって憧れのキラキラした幸せの象徴たる結婚に伴うイベントが霞むほど素晴らしいものであるのだから。

つづく

第4話はこちら⇒ 妊娠を機に起こった私のコペルニクス的転回Ⅳ-私にとっての「結婚式」-

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