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3年1組~インクルーシブ教育~

あれもいやこれも嫌と駄々をこね、クラスの子供や親に我慢を強いる発達障害親子と担任教師に、保護者の怒りがさらに上がった。

「もう我慢できない!私たちの子供が毎日こんな目に遭うなんて信じられない!」
怒りに満ちた保護者の一人が叫びんだ。

その時、私は静かに立ち上がり、発達障害の子供の両親に向かって話し始めた。

「発達障害のお子様のお母さん、お父さん。私の話を聞いて、この行為がいじめかいじめでないか判断してください。」

会場が静まり返り、全員が私に注目した。

「ある生徒が、お友達から授業ができないよう机を揺さぶられたり、ノートが取れないように破られたりぐちゃぐちゃにされます。その子は書店にいって家族と楽しみながら購入したノートや鉛筆を全て破られ折られ、あまつさえよだれやハナクソをつけられました。もう一回買ってほしいを何度も繰り返し、言いにくくなった生徒は何度もノートをひきのばし、破られたところをテープでつぎはぎして使っていました。これはいじめだと思いますか?」

発達障害の子供の母親は顔をしかめ、ためらいながら答えました。

「それはいじめね。」

「では次に、自分も話に入れてくれなかった、遊びに誘ってくれなかったという理由だけで殴る蹴るの暴行を受けた。これはいかがですか?」

父親はしばらく考え込んでから、低い声で言いました。
「それはいじめではなく、犯罪だと思うが…」

「今申し上げた事例はあなたがたのお子様から私の次男が受けた一部のいじめです。」

その言葉に、発達障害の子のご両親は驚きと困惑をみせた。

「えっ…あっ、でもそれは…うちの子なら仕方ない…です」

「何が違うのですか?」

「うちの子は発達障害だから…」

「健常者だといじめで、発達障害の子になるといじめではなくなる…そうおっしゃりたいのですね?」

両親は言葉を失い、周囲の保護者たちもその場の雰囲気に緊張感が増した。

「私は、次男が受けている苦痛を無視することはできません。発達障害の子供が特別な支援を必要としていることは理解しています。しかし、それが他の子供たちに対するいじめを正当化する理由にはなりません。」

この言葉に、保護者たちは一斉に賛同の声を上げました。
「そうだ」
担任の先生が冷静に待ったをかけた。
「ちょっと待ってください。これからこういう課題の子は増えていきます。インクルーシブ教育と言ってですね、皆様にはなじみのない言葉かもしれませんが、最先端の教育で、課題のある子たちも皆で支えていく必要が…」

私はその言葉に対してさらに待ったをかけた。
「先生のいうインクルーシブとは、私がさきほど申し上げたようないじめや暴行をする発達障害の子の行動に寛大な心でひたすら耐え抜くことですか?先生は、先日私が『席の移動も支援級転級もだめならもうやり返してもいいですね?』と言ったらそれはだめとおっしゃいましたものね。でもこのいじめに耐えられないので登校拒否したいと言ったら、先生はそれもだめとおっしゃった。私には先生が、次男が登校拒否なんてしたら自分の評価が下がるし、発達障害の子のお世話係がいなくなってしまって困る。やり返すのも発達障害のご両親からクレームがくるからダメ。先生の困ったをなくすために次男に耐えて下さいと言っているように聞こえました」

「先生、我が家は夫婦ともに在宅勤務だから最悪不登校になっても問題ないでしょう。しかし、もしこれが出社ベース共働き夫婦ならどちらかが仕事をリモートワークのできる転職または退職し専業主婦になる必要が出ます。そのご家庭の収入や生活を壊すことになるのですよ?」
「それらの犠牲を払ってでも我々に耐えろ、それが社会にこれから求められることだとおっしゃる。そうしてそのような家庭を次々生み出して、最後に残るのが発達障害の子だけだったとして、あなたはその被害にあった家庭の親子が将来この発達障害の子と同じ発達障害者を支援しようと思うと思いますか?」

先生は動揺し、少し困惑した表情で答えた。
「いや…それはちょっと…言い過ぎでは」

すると、他の保護者が怒りを爆発させた。
「何が言い過ぎだ!!現に僕の娘が昨年その発達障害の子の暴行を受けて学校に行けなくなった!まだ繰り返すのか君は!!」

先生は再び口を開いた。
「ですがね、保護者さん。インクルーシブ教育では…」

私はその言葉を遮った。
「先生、インクルーシブ教育とは、多様な子供たちが共に学び、共に成長することを目指す教育です。あなたがやっている発達障害の子の問題行動を無条件に受け入れることではありません。見てください。お友達が破ったスローガンを。あれは先生が書いたものですね?『弱きを助け、強きをくじく』。あれはどういう意味ですか?」

先生はしばらく黙った後、答えた。
「弱いものを助けて、横暴な上のものを…」

私は続けた。
「先生がやっているのは、強きを助け、弱きを苦しめることです。『私たちは発達障害なんです』という弱者の立場を掲げて、『お前たちはなんでも持っている強者なんだから色々尽くせ。俺たちは弱いから何もあげないけどそれは仕方ないよね』と言っている。弱者のふりをした強者です。」

保護者会の場はしんと静まり返り、私は続けた。
「また、インクルーシブ教育とは、全ての子供たちが共に学び、互いの立場を理解し合うことを目的としています。あなたがやっていることは違います。私は教育の専門家です。とインクルーシブ教育について語りながら、子供でも分かるような矛盾した言動を繰り返す。恥を知りなさい!」

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