三宅香帆

文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』他…

三宅香帆

文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』他13冊発売中。 1994年高知出身、京都在住。

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  • 三宅香帆のエンタメ評論ゼミ

    評論家・三宅香帆のエンタメ評論のノートです。 エンタメの見方のコツ、おすすめの本、読んだもの見たものの感想、文芸批評や日々の雑感について書きます。月8記事(週2)更新です。 読みたい本や映画を見つけたい方、本や漫画や映画が好きな方、読書や執筆のモチベーションを上げたい方、他人がいま何を読んで見ているかに興味ある方に読んでもらえたら。 大きな声で言えない感想ばかりなので、有料です。 マガジンのタイトルを「ゼミ」としたのは、文系の大学の、閉じた場でみんな好きなこと喋るゼミの雰囲気が好きだったから。

  • 2023年ベルギー/ウィーン旅行記

    2023年にヨーロッパを旅行したときの記録です。 ケルン、アントワープ、ブリュッセル、ウィーンを巡りました。 マガジン有料買い切りです。

  • 本・漫画・映画などの批評

    本や漫画、映画などの感想・批評記事を集めたマガジンです。

  • うしろめたい読書日記

    京大の文系院で研究しつつ、書評・文筆業をしている三宅香帆の読書日記です。読んだ本や漫画の感想すべてと日々の雑感を書いています。平日毎日更新してます。 本や漫画が好きな方、読書のモチベーションを上げたい方、他人がいま何を読んでいるかに興味ある方、文系院生がどんな日常を送ってるかに興味ある方などに読んでもらえたら嬉しいなと思います……が、正直読んでる本が全世界にばれるのが恥ずかしいので有料です。いただいたお金はすべて本代になります。どうぞよろしくお願いいたします。

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三宅香帆(Kaho Miyake)プロフィール/お仕事依頼お待ちしてます

こんにちは、三宅香帆(みやけかほ)です。文芸やエンタメの分野で、評論家をしています。 ProfileTwitter / Instagram で主に日々の発信・仕事の告知をしています。 読んだもの見たものの感想やエッセイを、週2で更新するnoteマガジンを運営。 読んだ本の感想をすべてthreadsで記録したり、 「本がある生活」を発信するyoutubeチャンネルで発信したり、 Podcast「こんな本、どうですか?」をライターの谷頭和希さんと運営しています。 でき

    • それは狭さの問題

      今日はかなり抽象的なことを書くので、なかなか伝わりづらいと思うのだが、それでも書こうとしてみようと思う。 ここ数年出会う、自分が好きで、最高だ、と思っている物語たちの、ある種の「狭さ」がずっとずっと気になっている。

      • 最近考えている、女性管理職の物語はどうしたら描かれるのか問題

        先日、作家の朱野帰子さんとトークイベントを開催した。 仕事する女性をたくさん描いてくれている朱野さんとがっつり喋ることができて、本当に楽しかった。ありがとうございました!!! そのうちトークイベントレポがサイボウズさんから出るはずです! さて、このトークイベントで話したことが面白くて、新幹線の間中考え込んでしまった。それは、「日本の物語では、社会的に”強者”と言われる、仕事する女性たちの葛藤が描かれなさすぎるのでは?」という話だ。 朱野さんが「とくに女性主人公の物語で、

        • 『絢爛たるグランドセーヌ』が提示する新世代の少女主人公

          最高のバレエ漫画をご存じですか……!!! いや~もう私はドはまりしてしまって、紙で全巻買ってしまいました……。好きですこの漫画が……!!!! 本当に素晴らしいマンガです!!!! バレエ漫画といえば、山岸凉子先生の『アラベスク』や『テレプシコーラ』がもともと私は大好きで、ほかにもさまざまな少女漫画が描いてきた分野ですが。この漫画が画期的なのは、もうね、 主人公の奏ちゃんが「バレエのプロとして生きる」ことに常に自覚的なところ……!!!!!! そもそも少女漫画の部活漫画やス

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          なぜ働いているとtimeleszにぐっときてしまうのか(という名の、timeleszコンサートに初めて行ってきた感想)

          8月、人生初の男性アイドルコンサートを観に行った。timeleszさんのコンサートである。仙台でチケットが取れたから、と友人たちが誘ってくれたのだ。私は普段女性アイドルを楽しんでいる民なので、女性アイドルのコンサートには何度も行ったことがあるのだが、男性アイドルのコンサートははじめてだったので楽しめるか緊張していた。 が、そんな緊張は杞憂でした、楽しかった!!!!!!!!!! ちなみに仙台に観に行った翌日早朝、Netflixで新メンバーオーディション企画の番組が配信される

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          なぜ働いているとtimeleszにぐっときてしまうのか(という名の、timeleszコンサートに初めて行ってきた感想)

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          グローバル資本主義に日本がすり潰されないために―映画『ラストマイル』感想

          映画『ラストマイル』を見てきた。私はもうめちゃくちゃ面白かった……!! 個人的に、『ラストマイル』が描こうとしているものがわかりすぎて『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』作者としては泣きました……。 https://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top Amazonを彷彿とさせる外資系ECサイト「デイリーファスト(通称デリファス)」で働く、舟渡エレナと梨本孔。彼らのもとにある報道が飛び込んでくる。デリファスで新発売となったスマホが、突然爆発したという。

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          グローバル資本主義に日本がすり潰されないために―映画『ラストマイル』感想

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          『それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史』が面白かった話と家族制度について考える(最近考えている話・後編)

          このnoteでは、『虎に翼』が今描いている結婚制度の是非について書いた。今回はその続きである。 「国が家族ごとに戸籍を与えるのがおかしい、欧米では個人で戸籍管理しているのだから日本もできるはず」という意見は至極全うだと思う。実際、マイナンバー制度は戸籍(家族単位で管理)から個人番号(個人単位で管理)に移行するためのものであるはずだ。だとすれば、日本的な家族共同体単位社会から、欧米的な個人単位社会(結婚はあくまで個人間の契約であり、家=先祖や親は関係ない)に移行するのが良い、

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          『それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史』が面白かった話と家族制度について考える(最近考えている話・後編)

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          『虎に翼』と家族制度について考える(最近考えている話・前編)

          『群像』で「夫婦はどこへ?」という連載が始まった。 この寄稿からはじまった問いをもとに、 現代の「夫婦」について批評をとおして考える連載である。 で、ばればれだとは思うが、個人的には『娘が母を殺すには?』の問いを引き継ぐシリーズである。 https://note.com/nyake/n/n82c17dbdddfe というのも、長年の謎だった「日本の母娘こじれやすすぎ問題」を考えていくと、そこには「夫(父)の家庭における不在」が浮かび上がってくる。するとやっぱり「夫(

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          『ガラスの仮面』面白すぎた

          何度読んでもなぜか続きが気になって止まらなくなってしまう長編漫画というものがこの世には存在しており、私のなかで『NANA』と『スラムダンク』と『ガラスの仮面』はその三大巨頭である。なぜ何度も読んでるのに新鮮に続きが気になるのか、そのメカニズムはよくわからない。不思議な成分でも絵に含まれているのだろうか。よくわからないが、今回の『ガラスの仮面』も止まらずに結局夜更かしして仕事を放り投げて読んでしまった。仕方ない、『ガラスの仮面』の続きを読むこと以上にやりたいことなんてこの世にな

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          『小山田圭吾 炎上の「嘘」 東京五輪騒動の知られざる真相』と『ダーティポップ・ビジネス ボーイズバンド詐欺事件』をめぐるボーイズアイドルと責任の問題

          最近読んだ『小山田圭吾 炎上の「嘘」 東京五輪騒動の知られざる真相』がとても面白かった。 作者の中原一歩さんがふだん音楽畑にいないノンフィクション作家であるからこそ、それゆえに小山田圭吾さんをひとりのミュージシャンではなく、ひとりの「大きな炎上によって仕事や健康を損なった人間」として扱いつつ、真相に迫っていたところが印象的だった。 あわせて、偶然同じ時期に観ていたのが、netflix配信ドキュメンタリーの『ダーティポップ・ビジネス ボーイズバンド詐欺事件』である。 3話

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          Netflix『地面師たち』は現代日本版『パラサイト』である説

          Netflixドラマ『地面師たち』が面白すぎて一気見してしまった。 「地面師」とは、集団で不動産詐欺をおこなうネットワークをもつ人たちを指す言葉。地面師たちがさまざまな不動産詐欺をおこなう物語なのだが、実際にあった事件を参考にしてつくられた話らしい。 まあもうこのような記事を挙げただけでもおそらくわかるように、ドラマ『地面師たち』も、エログロバイオレンスの極致のような話になっている。というわけで友達に薦めたいかといわれると、かなり人を選ぶ気もする……。普通に暴力表現の時点

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          Netflix『地面師たち』は現代日本版『パラサイト』である説

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          Netflix『ボーイフレンド』という物語の現在地

          netflixで配信されている『ボーイフレンド』にハマってここ2週間くらいを過ごしてしまった。 1.『ボーイフレンド』にハマった2024夏 番組はもうほとんど3日くらいで一気見してしまったのだが、なんせYouTubeでアフタートークやら未公開映像やらたくさん流してくれているのだ……Netflixさまありがとう!!! というわけYouTubeをひらくたびふらふらとボーイフレンド関連の映像を観てしまう日々であった。昨日はPLANETSの批評座談会で『ボーイフレンド』について喋

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          エネルギーを振り分ける

          自分のエネルギーは有限だなあ、と昔からよく思っている。今となってはそう見られないことのほうが多いけれど、近しい人からは「省エネ」と評され続けて早30年目。今も自分って省エネ人材だよなあ……としみじみ思う。無限にエネルギーが湧き上がってきてそうな友人や身のまわりの人を見るたび、すごいなあ、エネルギーがあるなあ、とめっちゃ思う。今も昔も自分は変わらず省エネ人材である。ただエネルギーは有限なので、どこで使うのか、を日々意識しているだけなのだ。昔から。見られ方によってはめちゃくちゃ嫌

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          傑作朝ドラ『カーネーション』を見ていた高校時代の思い出

          先日『虎に翼』についてPLANETS批評座談会で議論した。ぜひご覧くださいませませ。 そしてこの会のなかでふと話に出たのだが、何気に、私にとって、いちばん影響を与えられた映像作品は朝ドラ『カーネーション』なのである。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07ZQDBGFS/ref=atv_dp_share_cu_r カーネーションみたいな作品を生み出してくれることへの信頼のようなものがあるから、毎期結局朝ドラを見ているし、

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          傑作朝ドラ『カーネーション』を見ていた高校時代の思い出

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          映画『ルックバック』の藤野が机に向かう背中

          映画『ルックバック』を見て、なんだか胸がいっぱいになってしまった。 たぶん同じような感想が日本に溢れているのだろうけれど、それでもこの感想を言いたくなる、「自分のことを思い出してしまう」と。作品として分析する前に自分のなにか根本的なものが震え、共鳴してしまって、胸が詰まってしまった。 自分のことを思い出してしまうのは、やっぱり、あの、机に向かうシーンから始まるからだ。

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          2024年に流行する胃袋コントロール型の書籍について考えてみた

          専業になったくらいから、最近流行っている本を読むようにしている。自分の好き嫌い問わず、流行っている本というものを読むと、いろいろ分かることがある気がするからだ。気がするだけかもしれないけれど! しかし純粋にどんなふうにこの本が買われているのだろう? 手に取られているのだろう? なぜ? どこがみんなに好かれているんだろう? と考えるのは楽しい。こんなことしてられる余裕ができたのもひとえに会社を辞めたからだ(なぜ働いていると本が読めなくなるのか!)。 そんななかで、最近ちょっと

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          2024年に流行する胃袋コントロール型の書籍について考えてみた

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