デザインシステムを考える「Schema by Figma Tokyo」参加レポ
Adobeによる買収のニュースも記憶に新しく、今大注目の「Figma」。
そのリアルイベント「Schema by Figma Tokyo」が超〜楽しかったので
来れなかった同僚の為にも、何を得られるイベントだったのかをざっくりと伝えるレポートを書きたいと思います。
要は、「名だたる有名企業によるセッションを聞きながら、デザインシステムについて話そうぜ!」というイベントです。
イベント会場へ
Figmaらしさが強く印象に残る空間づくりが最高です。
入場してまず貰えるノベルティは大きなバッグ。
9種の缶バッジからひとつ、興味あるトピックスを選んで付けることで、参加者同士のコミュニケーションを生む仕掛けも用意されています。
サンドイッチ等のケータリングやコーヒー、ドリンクも無料。休憩時間は長蛇の列!
ワクワク感も最高潮になったところで、セッションの始まりです。
オープニング・キーノート(Figma ショウ クワモト氏)
「デザインシステムを守らなければ!」という考えに囚われると、
自由さ、そしてクリエティブな思考が奪われてしまう。
というお話に、自分の仕事を振り返って反省しきりでした。
ヤフーにおけるFigmaを活用したデザインシステムの運用フロー(ヤフー 廣橋 孝紀氏)
いきなり全サービスでデザインシステムを導入するのではなく、まずはミニマムでデザインシステム担当メンバーが通常業務で所属しているサービスから導入する
密なコミュニケーション
ペアデザイン
3年間に及ぶこういった働きかけにより、10を超えるサービスでデザインシステムを導入してもらうことに成功したとのこと。
「コミュニケーション」、他の登壇者も何度も口にしていた言葉です。
「いかに効率よく課題やニーズを吸い上げられるか、 開発スピードを落とさない運用フローが重要」
「スペシャルな施策より地道なコミュニケーションが大事」と強調されていました。具体例として、MTG開催時に意識していたことを挙げています。
50以上のサービスの代表者+デザインシステム担当メンバーのMTGって、何人規模!?それを週イチで!? 地味に大変なことです。
Figmaを活用してチャレンジしたいこととして
「デザインシステムを利用することで何の効果が数値的に現れたか、 デザイナーがどう貢献できたかなどを可視化すること」
と話していたのも印象的でした。
(Figmaはプランによってコンポーネント利用率等の数字を取れるらしい? 詳しく知りたいポイント)
▼ 3.ペアデザインについてはYahoo! JAPAN Tech Blogを参照
“デザイン”のためじゃないデザインシステム(SmartHR 植田 将基氏)
個人的にめちゃくちゃ響いたセッションでした。
デザインシステムに対するよくある誤解を取り上げつつ、
「プロダクト開発の生産性を高め、 顧客に素早く価値を届けるための手段」としての在り方を考える内容。
SmartHRのデザインシステムに関する誤解①
SmartHRのデザインシステムに関する誤解②
SmartHRのデザインシステムに関する誤解③
特に③、いや②も気になる!!
機会があれば、より詳細なお話を伺いたいポイントです。
さらに発表の最後には、明日からできる具体的な施策も。これも大変分かりやすかったです。
以上まとめてはみましたが、正直私なんぞが書くより、植田さんの記事を座して待ちたいそしてそれを読みつつ同僚とデザインシステムについて小一時間語り合いたい。
18以上の製品を持つブランドハウスにデザイントークンを展開する方法(Atlassian デボラ・リンドバーグ氏、ルイス・ヒーリー氏)
個人的、本日の大本命!(いつもお世話になっております……)
ダークモード用のカラーパレットを開発し、実際に使ってもらうまでの過程のお話をメインに、自社でツールをゴリゴリ作ってしまう圧倒の技術力、そして効率化に対する追求。素晴らしすぎる。
▼トークセッション内容をまとめたFigJamも公開されています。
チームラボのデザインシステムと思考の体系化(チームラボ 伊藤祐春氏)
クライアントワークを扱う企業様にとっては、このイベントで最も「めっっっちゃ分かる!!!」と頷いてしまう内容だったのではないでしょうか。
私自身はこのセッションを聞くことが叶わなかったので、Twitterのハッシュタグで内容を追わせていただきました。簡単にまとめます。
チームラボは、受託開発に於いて共通で使えるUI kitを開発。
しかし、例えば同じ問い合わせフォームでもそれぞれのサービスでの機能、役割、世界観によるちょっとした違いがクオリティを左右するため、共通のものを使い回すのは難しかったそうです。
結論、
「teamLabデザインシステムはできない」
「私たちは車輪を再発明し続ける」
という答えに至る。
代わりに、デザインを考える思考プロセスを体系化する試みを行っている。
肝心の、「思考の体系化」って具体的にどうやるの?という点は、参加者の感想を追うだけでは理解が難しかったので、アーカイブ動画を待とうと思います。残念!
▼まとめてくださった方のスレも参考になりそうでした。
セッションのまとめと感想は以上です。(一部セッションの分が書けず申し訳ないです)
まとめ
コロナ禍で、営業活動を兼ねたセミナーはオンラインも含めるとパンデミック前よりむしろ増えていますが、
今回のイベントは設定されたテーマの良さもあってか、各社の企業文化がよく表れており、その点も大変興味深く聞かせていただきました。
オンラインではなくリアルで集まるイベントの開催にあたり、恐らく多くの課題に直面したことと察せられます。
しかしイベントは大盛況で、コミュニティ性の強いFigmaの持つパワーをひしひしと感じました。ますますファンになってしまいますね。
私自身もデザインシステムを扱うデザイナーの一人として、明日から活かせるヒントを多く得ることができ、やる気がモリモリ湧いてくる一日になりました。
貴重な機会をありがとうございました。
関連リンク
イベント公式Web
イベントレポート
さっそくイベントレポートを発見したので、シェアさせていただきます。
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