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「集中力」と「持続力」

    日本人としては初のノーベル賞を受賞した湯川博士は『天才の世界』という対談で、天才の条件は「集中力」と「持続力」ではないかと語っています。例えば、数学界の巨人ガウスや天才物理学者ニュートンも大発見の前には、何桁も何十桁も計算に次ぐ計算をやっています。「いったいどれだけの桁数までこういう計算をやったか、言うのも恥ずかしいくらいだ。何しろこの時は、何もすることが無かったから。」と ニュートンは告白しています。またある時、ニュートンは、彼の友人が来たので、歓待してあげようと思って書斎のブドウ酒を取りに行ったところ、書斎でいいアイデアが思い浮かび、そのまま熱中してしまい、友人が来ている事を忘れてしまったことがあります。彼はしばしば、自分の食事さえ忘れて思案に熱中しています。
    気象大学教授のひろさちや氏は、『一日一禅』の中で次のように語っています。「きらりと光る論文は、仲間から少し離れて、ひとり静かに講義を聴く学生から寄せられることが圧倒的に多いのです。もちろん友達との友情が大切なのは言うまでもありませんが、学問をしたり、物事を突き詰めて考えるときは、一人の方が良いのです。エサキダイオードの江崎博士にしても、振り子理論の朝永博士にしても、ひとり研究室に残って研究を続けたのです。」
    情熱の唯一にして最大の欠点は長続きしないことであると言われていますが、持続の秘訣とは何でしょうか。仏陀は「静かに歩め」と次のように教えています。「静かにゆく者は遠くまでゆくのだ。音少なくしてゆく者は、千里を駆ける。騒がしい音と共に歩む者は、さほど遠くまで進むことは出来ない。何故ならば、音を聞いて周りからゾロゾロといろんな人が集まってきて、やがては話し込むうちに、本来の旅の目的を忘れ去ってしまうからだ。ゆえに、諸人よ、先を急ごうとするならば、静かにゆけ。」
    どのような世界でも昔から「継続は力なり」と言われていました。湯川博士も「やはり繰り返しであると思うのです。」同じことを昨日もダメだった、今日もダメだった、と繰り返し繰り返しやっているうちに、何か飛躍のチャンスが訪れるということは明らかにあることです。」と集中と持続の大切さを強調しています。地道に、一筋に、まっしぐらに勉強に打ち込み、「点」高くなる秋にしていこうではありませんか。
    まだまだ朝晩の寒暖の差や天気の移り変わりが激しく、体の調子がなかなか整いづらいかと思われます。日々の仕事の成果で落ち込むこともあるかもしれないし、仕事の重圧をより強く感じ始めて精神的にもきつくなるかもしれません。そんなときは体調を崩しやすいので、あまり無理をせず、適度な息抜きを必ず忘れないでください。


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