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【日々の暮らし#4】一本の電話に思いがけず救われたというお話。

出産のため、娘を連れて、私の地元に里帰りをしてから約2週間あまりが経とうとしている。このコロナ禍、分娩予定の産婦人科で初診を受けるのも、当然ながら2週間の自宅待機が必要で、本当ならもう少し東京での生活を続けたかったところを泣く泣く、少しだけ早めに実家にお世話になることにした。

超がつくほどのパパっ子の1歳8ヶ月の娘は、パパと離れて、あからさまに寂しい素振りはみせないけれど、後ろ姿や寝顔はやっぱりどこか寂しげで、小さいながらに色々と我慢してるんだろうなぁと思うと、胸がぎゅーっとなる。ましてや、この生活の延長線上には、弟の出現という一大事が控えているわけで、母親として、何ができるんだろうと、頭の中は漠然としたモヤモヤが見え隠れ。

実家での暮らしもやっぱり慣れない。して欲しいコト、して欲しくないコト、娘を育てていく中で自分の中にある程度のボーダーラインがあって、夫とは、その点阿吽の呼吸でこれまでやってこれた。というより、夫がとてもよく娘の面倒も見てくれて、遊びも私より格段に上手だから、私が夫に頼りきっていたというのが実際のところ。そんな頼れるパートナーの代わりを、実家の両親に期待するなんて…そんな事は、はなからするつもりもなく、そう自分にも言い聞かせて実家に帰ってきた。けれど、どんどん溜まっていく小さなストレス。(以前、1回目の里帰り出産をしたときのことをnoteにも綴っております。まろやかに書いたつもりでも、後から読むとほぼ愚痴の結集ですが、よろしければこちらもどうぞ。)

きっと、受け入れ側の実家の両親だって、可愛い孫が近くにいるとはいえ、この約2週間の生活は心身ともにストレスを感じるものだったことでしょう。

そして、忘れてはいけない。東京でひとり暮らす夫もまた、可愛い盛りの娘が近くにおらず、飯を作る嫁もおらず、、寂しくも不便な生活を頑張ってくれている。そう、みんないろんな立場で、いろんな想いを抱えて頑張っている。

前置きが長くなったけれど、そんな今日この頃。娘のお昼寝タイム、抱っこしながら片手で握る私のケータイに03で始まる東京からの着信が一本。

知らない番号は、まず出ません。

けれど番号を検索したら、住んでいるエリアの保健センターからの電話であることが判明。折り返しかけてみると、感じの良い保健師さんが応対してくださった。娘の一歳半検診後のフォローアップも兼ねて、各家庭に電話をしているとのこと。

ちょうど実家に帰る前に、ひと通り済ませた娘の検診や予防接種。ありがたいことに、大きな問題もなくすくすく、多少ヤンチャに育ってくれて、一歳半検診も何の問題なくクリア。

電話越しの保健師さんにもその旨伝え、まぁ電話の要件的にもこの位で話が終わるかなぁなんて思っていたのだけど。最近何か心配だったり、困ったことや変化などありませんか?という保健師さんの優しいお言葉につられて、まんまと、もうすぐ出産を控えていること、里帰り先での生活、それに伴う娘の様子、出産の不安な気持ちなんかをドバーッと、気づいたら約20分くらい聞いてもらうという展開に。

毎日のように夫とはビデオ電話をしたり、最近では地元に住む友達とも子育ての情報交換をしたりと、ある程度のガス抜きはしているつもりだった。先日、産婦人科でもたくさんアドバイスをもらって、気持ち新たにリフレッシュしたところでもあった。

けれど、身の上話は知らない人の方がしやすい、ということを聞くが、今回がまさにそれ。不意にかかってきた一本の電話を切り終えた後には、少しだけ目に水が溜まった自分がいた。

自分だとネガティブに捉えてしまっていた気持ちを、否定するわけでもなく、うまく変換してくれるあたりが聞き手のプロだなぁと。思わず、保健師さんって、どういう資格でどういう仕事をする方なのかを、その後ググったほど笑

そして、少しばかり更新が途絶えていたこちらnoteにも、この気持ちをどうしても書き留めておきたくて、こうして文字を起こしている。

子育て中のママ…いや、子育てをしていなくても、ママやパパじゃなくても、人間、日々生きてれば、抱えるストレスや不安とか。頭や心の片隅に、自分の気づかない色んな気持ちが眠っているもの。人に話す事で、あぁ、自分はこう感じていたんだ、とか、それで良かったんだ、とか、違う角度からその気持ちに触れることができるだなぁ、とあらためて。

(もし、このnoteを読んでくださった方の中に、少しでも誰かに話を聞いてもらいたい、みたいな気持ちを抱えている方がいるのなら、世の中には色んな窓口があって、活用次第ではそれはとても有効で役に立つ、なんてこともありますから、使ってみる価値はあると思います。)


これまで、行政というものに、あまりよい印象を抱いていなかった私。でも今日の電話ばかりは、なんだかとても救われた気分。行政サービスに助けられたというべきか?保健師さんのスキルなのか?人柄なのか?

さておき、もうすぐ通知がくるであろう住民税の決定通知の青い紙も、少しだけ前向きに眺めることができそうな気がした。

2021.5.11