お金の哲学〜一般人と小金持ちと大富豪の違い④〜

頑張る理由として

一般人は、
生活のために稼ぐ

小金持ちは、
豪遊するために稼ぐ

大富豪は、
世の中のために稼ぐ

「大富豪の生活ぶり」と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょう。

毎晩、銀座や六本木で飲み明かして、週末は葉山でヨットとシャンパンといった感じでしょうか。あながち間違いではありません。

とくに30代、40代の立身出世型の方は派手な生活をされる方が多く、「仕事もバリバリやりながら、よく遊ぶ体力があるなぁ」と感心してしまうこともよくあります。

『お金の哲学〜一般人と小金持ちと大富豪の違い①〜』で取り上げた年収2,000万円サラリーマンと違って、すでに何十億円もの資産を築いた大富豪からすれば、コップから溢れた水を飲んでいる限り出費は痛くもかゆくもありません。

つまり、そこは趣味の世界。豪遊すること自体を否定的に捉える理由はありません。

ただ非常に興味深いことに、若いときに豪遊三昧だった人でもどこかのタイミングで必ずといっていいほど我に返ります。

50代を過ぎて遊びまくっている人はたいてい遅咲きだった人で、若いときに成功を収めた人はその年齢にもなれば遊び尽くした感覚を持ち、派手な生活に虚しさすら覚えるようになる人もいます。好き放題やってきた人が、家庭に回帰したり、自分が得た利益を社会や地域に還元しようという意識が湧いてくるのです。

企業経営でも似た現象があって、成長期の間は経営者も規模拡大ばかりを考えますが、会社が大きくなるとCSR活動(会社の社会的責任を果たすための活動)を強めていきます。

社会貢献の形として最もわかりやすい例が財団でしょう。大企業、またはそのオーナーで財団を持つことはよくある話で、日本ではサントリーやベネッセなどが有名です。

世界で最も有名な慈善基金団体はマイクロソフト創業者のビル・ゲイツが家族とともに立ち上げたビル&メリンダ・ゲイツ財団で、基金の規模は396億ドル。貧困問題やエイズ、マラリアなどの根絶、教育の拡充などに貢献しています。

ちなみにその基金の半分は、同じく世界を代表する大富豪のウォーレン・バフェットからの寄付で成り立っています(奥様へ資産を譲渡するつもりだつたのが奥様に先立たれたため、この財団を選んだそうです)。

ウォーレン・バフェットは自分の資産の85%は寄付すると宣言しており、ビル・ゲイツ自身も自分の死後、資産の95%は寄付すると明言しています。

圧倒的な資産を築いた大富豪は、世の中のためにお金を還元するのです。

近年ではFacebookの創業者のマーク・ザッカーバーグが立ち上げた慈善団体が有限責任会社(LLC)という形をとっているため「ただの節税対策じゃないか」と非難を浴びています。

しかし、彼としては自分が本当に支援したい分野にただお金を出すのではなく、積極的に関与していきたい、本気で状況を変えたい、と思って新形態の手段を採用したと考えるのが正しいでしょう。これをインパクト投資と言います。

自ら起こした事業によって世の中を変えてきた彼ならではの発想だと思います。

綺麗事だけを言うつもりもありません。

大富豪が社会貢献に関心を持つ背景のひとつには、世間から風当たりを少しでも和らげたい気持ちもあると思います。

とくに地方在住の大富豪になると、地元の名主として崇められる一方で、ムラ社会独特の妬みも生まれます。神社仏閣にいくとやたらと寄付者の個人名が目につくのは、そういった理由があるのでしょう。

大富豪は成功の過程で敵を作らないことが、いかに重要であるかを知っているので、計算高いセルフブランディングとまではいかなくても、少しでもイメージを上げるべく社会還元しているという側面は否定できません。

そうは言っても事業家として大富豪になる人のほとんどは、やはり「人のために何ができるか」を常に考えています。

例えば、優秀な営業マンであれば「お客様は何に困っているんだろう」「自分に何ができるんだろう」という視点を必ず持っています。「どうやってこいつを騙せるか」などと考えている人が成功するわけがありません。

「あいつは強欲だ」「あいつは好きになれない」と周囲から言われ続ける人(や会社)は、一時的にうまくいったとしても、最終的には淘汰される運命なのです。

大富豪が原点に立ち返ることは自然なことだと思います。

人間としての成熟は、収益面でのレベルも上げる

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