お金の哲学~一般人と小金持ちと大富豪の違い①~

将来を考えるとき

一般人は、年収2,000万円を諦める

小金持ちは、年収2,000万円で満足する

大富豪は、年収2,000万円を通過点と考える


日本で年収が1,000万円以上の人の割合は約5%。給与水準が高い業界で働いている人なら役職がつかなくても到達できます。ただ、これが2,000万円以上となると約0.4%まで下がります。「年収が2,000万円もあれば大富豪だろう」と信じてやまない人が多いはずです。

しかし、現実は違います。

年収2,000万円前後の大富豪はほとんどいません。資産どころか借金を抱えている人もいます。

その原因は浪費で、このケースに陥りやすい典型例は外資系企業などに勤める若いエリートサラリーマンです。

勉強もできて仕事もできるのでしょうが、彼らは所詮、雇われの身。お金に対する考え方は市井の人と大差ありません。そういう人の口座に毎月何百万以上も振り込まれると感覚がおかしくなるのでしょう。

2,000万円を使い切るのは簡単です。

たとえば、都内には高級タワーマンションがたくさんあります。月々の家賃が60万円などザラで、広告を見れば「セレブ」「エレガント」「プレステージ」など扇情的な言葉が並んでいます。そこに反射的に飛びついてしまうわけです。

しかし、冷静に考えれば家賃だけで年間720万円。それ以前に税金と社会保険料で600万円以上取られ、手元には680万円しか残りません。

豪華な家に住んで慎ましい生活を送ろうとする人はいないでしょうから、食費、交際費、車、ファッション海外旅行と支出が止まりません。

見栄ほどコストのかかるものはありませんからね。これでは貯金がゼロになって当然です。

お金を増やしたいならインとアウト(収入と支出)の両方をコントロールしなくてはいけないことは誰でもわかる話です。しかし、インが増え始めるとアウトに対する意識がとたんに薄れてしまうのが人間の弱いところです。

逆にアウトを徹底して管理できれば年間1,000万円未満の会社員でも金融資産を1億円以上にすることもできます。そうはいっても極端な倹約生活はこのコラムの主題ではないので、いったん置いておくとしましょう。

大富豪になる人は、自分が若くして年収2,000万円をもらう立場になったら将来の更なる飛躍のために有効に使います。

企業のためにお金を貯める人もいるでしょうし、自分に投資する人もいるでしょう。もちろん、余剰資金を確保して資産運用を始めることも忘れません。

そうやって元本を大きくしていき、放っておいてもお金が増えるレベルまでなったらはじめてそこから得られる利益で贅沢な暮らしをすればいいと考えるのが大富豪の考え方です。

ロバート・キヨサキ氏は、ベストセラーとなった[金持ち父さん、貧乏父さん]のなかで、「コップの中の水を飲むのではなく、コップから溢れた水を飲みなさい」と説いています。

手元に1,000万円のキャッシュがあるからといってすべて消費するのではなく、1,000万円分の贅沢をしたいなら1,000万円を元手に新たな1,000万円を生み出してから行いなさい、ということです。

そもそも人間はステージが上がるにつれ目標も上がるはずです。たとえば、本が好きな学生からすれば出版社で働くことは夢でしょう。でも、いざ働き出したら普通のことになって、10万部のヒット作を夢見る。でも、それも実現してしまえば今度は100万部売りたくなる。これが自然ですよね。

大富豪になる人たちはこうした目標のアップデートを誰よりも頻繁に繰り返しているにすぎません。そうやって高い目標を持ち続け、自ら思い描く未来にワクワクしながら、自分の可能性を常に広げているのです。

人は現状で満足した時点で成長が止まります。そして、未来ではなく今や過去を生きることに専念しだします。

年収が2,000万円もあるのに一向に資産が増えない人は、その年収を「ゴール」だと考えている可能性が高いのではないでしょうか。ゴールだと思うとわざわざ水が溢れるのを待つ意義がなくなるので、目の前の水をガブガブ飲み干してしまっても不思議ではありません。

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