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つれづれ/汐喰シーサイドホテル

 昨年12月29日に投稿した「汐喰シーサイドホテル517号室」は、フォローさせて頂いている豆島さん、市子さんと書かせて頂きました。同じ設定を共有し、それぞれがそれぞれの物語を書くスタイルです。連続した話ではないので、どの部屋から読んで頂いても問題ありません。お時間があるときに「どんな感じ?」と覗いて頂けたら幸いです。

 ホラーです。残虐表現あります(注意!)

 あとがきも少し。
 私がホラーテイストにしたのは、物語の舞台がホテルに決まったからでした。そうです、気分はシャイニングです。旅先でホテルに泊まるたびに「レドラム…」と呟いてしまう方も少なくないかと思いますが、私もそのうちの一人です。

 シャイニングなので部屋番号は517にしました。原作は217(映画では237ですね。映画セットとして使用していたホテル側から、217は実在する部屋なので今後の影響を考えて存在しない部屋番号に変えてほしいと要望があったらしいです)なのですが、参考にしたホテルの2階に客室が無さそうだったので、517としました。

 ちなみに汐喰シーサイドホテルの537には、魔が住んでいます。愛らしく痛々しく禍々しい妖気を放っています。鏡に映った文字を読むシーンがあります。


 704に泊まっているのは、シャイニングと家族構成は違うのですが、問題を抱えた家族です。シャイニングと同じく、父親が狂っているのかもしれません。男の子から感じるのは光(シャイニング)です。


 ただし、斧でドアを破壊する有名なシーンはありません。映画を観た直後に誰もが真似する名場面ですが、実際にジャック・ニコルソンが言っているのは「Here’s Johnny!」で、アメリカで放送されていたバラエティ番組(司会者がジョニーさん)から来ているらしいです。今からショーが始まるよ的な悪ふざけだと思うのですが、もちろん直訳では日本人に通じないので、時代によって訳が変わり、現在は「お客様だよ!」となっています。我が家は「おコンバンハ!」のままアップデートされていません。

 とはいえ、もしも読んで頂き、ぜんぜんシャイニングじゃない!という苦情は受け付けておりませんので、あしからず。
(ぜんぜんシャイニングではありません。これを書くにあたって私が勝手にシャイニングにこじつけただけです)
 でも、読んで頂けたら嬉しく思います。

 最後に自分の作品をもう少し。
 櫂のないボートが出てくるのですが、これは完全に「women “Wの悲劇“より/薬師丸ひろ子」です。作詞が松本隆で、作曲が呉田軽穂(松任谷由実)です。その曲のなかに「ああ時の河を渡る船にオールはない、流されてく」という歌詞がありまして、私はこの歌が好きで、あの家族が航海しているのは〈時間の海〉のつもりですが、まあ、これは書き手のささやかな願いです。

 寒い日が続きます。風邪などひかぬようご自愛ください。明日から仕事の方も多いかと思います。もう恐怖でしかありません(先週の金曜日はお休みにしたんです。妻は仕事に行って「この1日は予防注射と同じだよ、仕事の免疫をつける」と言われましたが、その妻の顔も恐怖に歪んでいます)そんな連休の最終日です。
 今年もよろしくお願いします♪


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