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サステなぜブル 問い続けた2020年

先日、次男(小学6年生)の保護者面談があったという。
そこで担任の先生から「リーダーシップを存分に発揮している。あえて言うならば、他の子達への当たりがキツいときがあるが、よく気がつき、率先して行動してくれている。彼が高校生になって、学園祭でどんな活躍をしているのかぜひ見たい。」といったようなことを言われたらしい。中学を飛び越えて高校の学祭というのは興味深いが、なによりそんな評価に驚きである。

長男(中学2年生)は、先日の期末試験で学年トップ10に入れば「鬼滅の刃全巻ゲット」を賭けた戦いに惜敗した(副教科を加味すれば達成したと彼は言う)が、親の目から見てもサッカーとの自律的な両立ができている。彼なりのリーダーシップを大いに感じられる一年だったように思う。

「なぜ」の一年

毎年恒例ともいえるGoogle検索の総括ムービー。
今年は様々な「なぜ」が検索されたという。

仕事においてもまさに「問いを立てること/立て直すこと」そしてその解決に「コミットすること」が求められた一年だった。

それはまさしく「リーダーシップ」の多様なあり方について考え、実践する一年であったのだと思う。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

そんな問い直しのキッカケでありドライバーとしても持て囃されたキーワードがDX=デジタルトランスフォーメーションであった。
そのキーワードはときに「デジタル最適化」に押し込まれ、思考停止を招きかねないという意味では、この「DX」自体を問い直すことも多かったように思う。

企業Webサイトを未来志向で捉え直すというプロジェクトでは、「どのようなWebページを作るのか?」「プラットフォームやツールの選定(機能比較)」から脱却し、様々な兆しを捉えて解釈し、ユーザーの行動やメディアのあり方、インタラクションを検討した。そこでのあるべき組織から取り組むべきアクションの仮説を立てた。

その“Webのありよう”という観点では、ポーラ美術館での「#おうちでポーラ美術館」は決して派手ではないが、本質的なチャレンジではないかと思う。観光が予測不可能な状況に置かれた2020年において、美術館に来訪させてアートを観せるというだけでは立ち行かなくなった。
しかし、そのことも含めて“ありよう”については、ずっと前からポーラ美術館内で思考し取り組まれてきた。その一つがFOREST MUSEUMであると思う。

これは来訪させるという点では変わりないが、観せることにチャレンジされている。#おうちでポーラ美術館は“来訪させる”へのチャレンジとして結実した一つのカタチで、さらにはWebサイトからも離れた取り組みとして「#あつ森でポーラ美術館」があるのではないかと思う。

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このようにスプリントに実装し、関わり合いのなかでチューニングをしていくというマインドセットが求められている。

とあるモビリティに関連するサービス開発においては、プロトタイプ開発と検証を繰り返し、仮説の強度を上げている。サービスの存在する意味というものを自らに突きつけ、批評するプロセスはとても楽しい。

存在する価値

自らに存在する価値を突きつける(突きつけられる)というのは、組織そのものにも向かっている。

個人的には、システム・インテグレーター(SIer)の存在価値というものにフォーカスしたいと考え、取り組んでいる。
ほぼ日本固有の存在で、DXという文脈においてときに悪し様に言われ、クライアントとの関係性をアップグレードしようと取り組むが、アジャイルという手法論に陥りがち。ここには「デザイン」が大いに求められている。まだまだ私自身の力不足ゆえ具体化できていないが多様なパートナーと様々なチャレンジをしたいと思う。

自社の価値

ドラスティックに変化した今年は、様々なレイヤーで見つめ直す機会と時間に恵まれた。

インフォバーングループ自体を見つめ直す社内プロジェクトも実施し、進行中である。事業そのものではなく、まずは「バックオフィス」の問い直しから着手し、あるべきカタチを共有可能な状態に引き出そうとしている。

創業者が健在であるがゆえに、コアな部分は暗黙知化されており、共感度の高いメンバーによって再解釈され、事業運営されているのは、コピー不可能であり強みともいえるが、それはいわゆる「経営」ではない。すなわち“経営戦略がない組織に対する組織デザイン”ともいえる。
ワークショップ中にとある参加メンバーが言った「(経営陣は)“効率化”という言葉にアレルギーがあるように思う」という言葉は、言い得て妙だと思う。

自律と依存

デザインチームIDLの事業の仕組み化を図るべくマーケティングを構想し、チーム全体で役割分担し、まだまだ不完全ながらも実行することができているのは、ひさしぶりにBtoBマーケティングを実践することができて楽しい。

上記のように“効率化アレルギー”のある職人気質な企業においてはときに「環境が整わないなかでもパフォーマンスを上げよ」とまことしやかに言われるが、「可能なかぎり最高の環境を整備しアップデートし続けることで、最高のパフォーマンスが得られる」と考えている。ないものねだりをするわけではないが、今の世の中、だいたいのものが、ある。

そういった意味では、デザインチームでDesign Ops(デザイン運用)という言葉で(まだまだとっかかりではあるが)共通理解を進めようとしているのは、必然であり、本質的でもあると思う。

自律と依存とが適切にバランスされてこそ、あるべきリーダーシップを発揮することができる。

サステナブル

個人で購読していて、いまや毎日、目を通すほぼ唯一のメディアともいえるQUARTZで若林恵さんが紹介されていたこと

先日、とあるIT企業の「サステナビリティ部」の方とお話をする機会があったのですが、その部門の仕事は何なんですかとお尋ねしたら、非常に秀逸な答えが返ってきまして、その方が言うには、「財務以外の企業のパフォーマンスを測定することですね」ということだそうです。
(2020年10月18日発行/Guides:#26 コンサルの持続可能性)

「サステナブル」が“(儲からないけど)やっておいたほうが良いこと”から、“企業としてやるべきこと”、さらには“実践することで企業として存在し続けるられること”となり、当然に企業のOSとしてインストールされていることになる。

ただしかし、そうなる、ということこそ「そう言うしかない」総論賛成状態で、具体的なアクションはまだまだ見えづらいように思う。ゆえに「デザイン」の出番がある。社会的なインパクトをもたらすべく、仲間を作り、企業を動かしていく触媒としてリーダーシップを発揮しなければならない。

2021年は「サステナブル」をてらいなく取り組みたいと思う。

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英語のスコアが伸び悩みトップ10入りを逃した長男に、英語版をプレゼントしてみた。I hope he’d like to struggle with Total Concentration.

デザインチームでは、ニュースレターIDL.zipを発行しています。ぜひともご登録ください。

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