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Nutmegが米国挑戦する3つの理由とグローバルで打ち勝つ方法【シリコンバレー x アドバイザー活用】

NutmegLabsでCEOをしている中口です。2023年5月にシリーズAの資金調達を発表してから、早くも1年が経ちました。

調達後は日本の採用やGTM戦略の磨き込み及び実行に忙しく過ごしてきましたが、ありがたいことに日本の事業は順調に伸びています!

本来であればCEOとして日本の事業をもっと伸ばすことにコミットすべきだとは思いますが、私自身は次の1~2年は「米国事業」に集中していきます。

というのも、もともとNutmegはDay1からグローバルからやっており、ハワイを初めとして米国のビジネスも手掛けていました。その上で調達後1年たったこのタイミングで思い切って「米国側も同時GTM」を仕掛け、更に成長させる決断をしたからです。


本当に大丈夫なのか?という心配の声も頂きますが、その狙いや理由をnoteに書くことで様々な方に知ってもらいたいのがこの記事作成の背景です。そして振り返った時にここがターニングポイントだった!と言えるように記録になれば嬉しいと思っています。

<この記事で伝えたい事>
・なぜこういった決断をしたのか
・どういった未来を見ているのか
・難しいグローバルで勝っていくのか

日本で展開しているSaaSのスタートアップが初期からグローバル展開本当にできるのか?と悩んでいる方や、これから米国進出やグローバル展開を考えられてい方など、少しでも参考になれば幸いです!



なぜNutmegは米国事業を推進するのか?

Nutmegは創業当初から米国でビジネスをしているのですが、スタートアップとしてはレアな部類。なぜ一見無謀にも見えることをしているのでしょうか?

そこには私の「強い意志」と実現したい世界にたどり着くための「ロジック」の両方を備えているからです。以下で詳しく記載します。

結論:私自身がグローバルでNo1になり世界に影響を与えたい(Warm Heat)

Nutmegが米国事業を推進する最も重要な理由は、私自身が「グローバルで挑戦」したいという強い意志があるからです。

オリンピックでいう「金メダル思考」を持っており、一度しかない人生を後悔しないためには業界のNo1になって世界を変えたいという想いから来ています。


業界No1になって世界を変えるためには「鍵となる米国市場での成功」が必要不可欠だと感じています。

客観的に見れば今や日本は世界の最前線から退きつつあり、いわば沈みゆくような船といっても過言ではありません。そんなマーケットの中で日本だけでビジネスをやっていて、どうやって世界の金メダルを取れるのでしょうか?強い意思を持っているからこそ、妥協せずに進められているのだと思います。

Why?:米国は世界のエンターテイメントの中心地

グローバルで戦ってNo1になるために、なぜ米国なのか?答えはシンプルで、「米国は世界におけるエンターテイメント業界の中心地」であり、ここでの成功は世界中に影響を与えることができます。

つまりグローバルで勝つためには、米国での成功が絶対的に欠かせないのです。Nutmegのプロダクトが米国で受け入れられ、観光事業界に新しい価値を作ることができればサービスを世界展開することで金メダル獲得を狙うことは十分可能、むしろ一番の近道と言えるでしょう。

本当に可能?:ロジックはしっかりとある(Cool head)

私の意思はご理解いただけたと思いますが、個人の感情的な理由だけでなく「ロジカルな観点」からも米国市場進出には多くの利点があります。

米国が持つ市場的な環境や優位性をどう活かすかかいう点と、米国で勝つための戦略や実行力の担保です。以下にその具体的な理由を示していきます。


米国で事業をやるの3つの理由

理由1:米国はエンターテイメントの本場

先ほども触れましたが、米国はエンターテイメント業界のメッカであり、ハリウッドやディズニーを始めとする大手企業が世界中の人々を楽しませる技術とノウハウを持っています。
※日本で人気のテーマパークや観光体験(例:ディズニーリゾート、USJ)の本場は米国であり、圧倒的な人気とコンテンツを保持していることを皆さん知っているはずです。

この本場である米国で「本質的に人を楽しませる」ためにNutmegのサービスが全米の観光事業者によて選ばれ使われ、そして消費者に提供する顧客体験の進化を通じて「観光のエンターテイメント化」ができれば、私が真に達成したい世界が作れると信じています。

理由2:グローバルの競争力がプロダクトを強くする

一方で市場特性的に「競合が多い」のが米国の特徴です。競争が非常に激しく、生半可なプロダクトでは米国では戦えません。

各分野で数えるだけでもかなりの競合数があり、この厳しい環境で勝ち残ることで「Nutmegのプロダクトはさらに強化」されます。

また、米国自体は広大な市場であるため、セールスだけでサービスが伸びることはなく、戦略的なマーケティングと優れたプロダクトが必要です。洗練されたプロダクトがイノベーションを起こし、従来の在り方を大きく変えるのが米国流といえるでしょう。

こういったグローバルの中でも1や2を争う厳しい競争環境が我々のプロダクトを世界が戦えるレベルまで高めてくれるのです。

日本は競合が少ないため短期でマーケットシェアを獲得して成長するには確かに良いのですが、競争環境が十分でないため日本で育ってプロダクトが世界に出ても戦えないケースは往々にして出ています。

逆説的に米国の最先端で戦っていれば、自然と日本での戦い方はやりやすくなるでしょう。外資系のSaaSやITサービスが台頭するのも納得できます。

理由3:今後は外貨の獲得が重要になる

Nutmegの日本における事業成長は順調ではあるものの、実は人口減少等を通じたマクロ環境では将来的な成長が限定的にならざる終えません。

短期的にはインバウンドの需要はありますが、ずっと伸び続ける訳ではないためいつか限界が来ます。更に直近の円安の影響も考慮すると、米ドル基準の世界から見ると「相対的に後進」しているのです。

例えば日本の成長率がx3〜やx4〜を達成していたとしても、世界から見たらx1.5〜x2.0となり相対的に成長率が鈍化します。

今後日本のサービスが生き残って持続的な成長を行うためには、米ドルを始めたとした「外貨の獲得」が欠かせないでしょう。

これは外貨の割合が多い自動車産業やメーカーなどの上場会社の決算を見ても一目瞭然と言えます。つまりインフレが進行して円が弱体化する中で、持続的に成長するためには伸びている・将来期待できるマーケットに進出することが不可欠なのです。

私は100年続くような企業を作るつもりでやっているため、大局的な観点からも日本に貼り続けることはよくないと考えています。


どうやって米国で勝つのか?

米国の重要性や進出すべき理由は皆さんも感じていることだと思いますが、進出したところで本当に勝てるのでしょうか?

これは起業家の覚悟や調達した資金量の問題よりも、勝つための「戦略性や実行力がより重要」になると考えています。

厳しい競争環境で勝つためには、以下に3つのポイントを押さえる必要があるため私の考えを紹介します。

ポイント1:シリコンバレーで「世界で戦えるチーム」を作る

競争が激しい中で勝ち切るためには、一緒に戦えるチームがとても強いことが重要であり、グローバルレベルで強いチームを作るためには、世界一の人材を継続的に獲得することが欠かせません。

既知の通りシリコンバレーは世界一の人材が集まる場所です。SF周辺に集まってくる「世界を変えたいという大志を抱く(Ambitious)人々」を集めることで、強力なチームを作ることができます。やっている事やプロダクトに価値があれば、人材も自然と集まるのが面白いところです。

一方で、面白いことにNutmegがやっている観光業界内のSaaS競合はシリコンバレーを拠点とすることはほとんどなく(2024年5月現在)、米国内の他の地方都市や、周辺の国(カナダ・オーストラリア)に固まっています。

つまりシリコンバレーで継続的に優秀な人材を集めて戦うことができれば、グローバルの競合と比較しても十分に勝てる見込みはあるのです。

ポイント2:「米国先駆者」のノウハウを最大限に活かす

米国では当たり前に行われているのが、外部アドバイザーの最大活用です。

元起業家などの専門アドバイザーを各分野で入れることで失敗を最小化し、成功の可能性を最大限に引き上げた上で恐ろしいスピードで事業を推進します。米国で成功しているスタートアップは例外なく取り組んでいると言えるでしょう。

また、米国での成功には現地で実際に事業をやったことのあるノウハウ・経験が欠かせません。この点で私はとても恵まれており、「福山太郎」さんとの出会いは大きな転機となりました。

福山さんは、FONDにおいて米国での著名VCからの資金調達やGTMの実行及び成長、直近でExitまで経験された経験豊富なアドバイザーで、いつも的確なアドバイスを頂いています!

具体的には毎月の1on1を通じて、
・米国におけるPMF方法
・GTMの考え方
・SF式の採用方法
・米国流の組織の作り方
・多様性の捉え方
など日本人にとっては目から鱗の情報ばかりです。

例えばどんな話をしているかというと、米国本土の展開を行うにあたって初期はAE2人でやるべきことや、初期のAE(Founding AE)は自らアウトバウンド営業できることの重要性など、とにかくすぐに使える実践的なアドバイスを頂けるのが本当にありがたいです。

今後は福山太郎さんにお世話になりつつも、観光業界に特化された方などアドバイザーの招聘を継続していきます。
(ちなみにFONDさん自身も素晴らしい名だたるアドバイザーを招聘していたとのことで、興味ある方は福山さんまで聞いてみてください)

ポイント3:プロダクト作りでは絶対に負けない

米国では圧倒的なプロダクト作りが重要であることを伝えましたが、この点で「絶対に妥協しない姿勢」が求められます。

例えば競合を徹底的に分析するために私自身が米国で開催されている展示会へ赴き、Nutmegとして何が差別化になりそうかを継続して調査しています。

<競合調査のインタビュー内容>
・プロダクト内容
・バリュープロポジション
・主な導入先、出ている効果
・今後のプロダクト計画
※上記を競合のCEOやVPレベル、営業マネージャーなど幅広く聞いて回っています

また、顧客インタビューの数と質も追求しており、米国で上場している大手のテーマパークから地方の観光施設まで直接実施しています。

<顧客インタビュー実施例>
・米国上場テーマパークのCMO(売上数千億円レベル)
・米国内のウォーターパークチェーン(売上千億円レベル)
・サンフランシスコ周辺のローカルパーク
・ハワイにおけるNo1パーク/施設
・ハワイの象徴的な観光施設

こういったインタビューを通じて日本とは違ったペインポイントを明確にすることで、世界No.1の品質を持つプロダクトを作り上げます。

既に競合がやっているから良いではなく、顧客が求めているものを徹底的に理解した上で、世界の誰にも負けないようなプロダクトを作ることや、将来に渡って差別化になるような独自性あるプロダクト作りを心がけています。


そして走り出した2024年

米国展開の決断は2023年中に行い、実際には2024年の初頭から走り出しました。

まだ動き出して数ヶ月ではあるものの、確実な手応えを感じつつあります。
以下に直近の出来事や流れを記載しますので、興味ある方はご覧ください!

SFの採用は想定以上に早く進んだ

2024年1月からシリコンバレーの採用(ビジネスサイド)を開始したのですが、これが想像以上に順調に進みました。

現地で名もないスタートアップがSFで採用なんて出来るの!?と思うかもしれませんが、これは上述した通り完全に「アドバイザーのおかげ」だと言えます。

シリコンバレー式の採用のメソッドを忠実に実行することで早期の採用実現でき、以下に拘ってやりきりました。

<SF採用で気をつけたこと>
・採用市場のマーケットリサーチ方法
・JD作り方及び見せ方
・報酬のレンジの設定、Equityの考え方
・インタビュープロセス
・リファレンスチェック
※SF式の採用メソッドなどは別途情報共有できればと思います

採用の過程では「福山太郎」さんにとてもお世話になり、なんとAEのインタビューやリファレンスチェックまでご協力頂きました。
(まさかこんなにサポート頂けると思ってなかったのです、本当にありがとうございます!!)

今後はSFチームで米国本土の本格的な展開を行なって行きますので、随時アップデートをお伝えしたいと思います。

ハワイでは新しいプロダクトが売れつつある

米国の中でも先行しているハワイでは、1つの良い兆しが見えてきました。

2024年から新しく売り始めたプロダクト(マルチプロダクトの1つ)が徐々に受け入れられつつあることです。

これも徹底した顧客インタビューの実施に加えて、継続した競合との比較や独自性を出せるプロダクト分野を追求したからだと感じています。

結果的に既存で成功している競合サービス(SaaS)とは異なるペインポイントを発見し、初期セールスでPMFを感じています。

今後はハワイ内でスケールするための体制整備やKPIの構築・運用を行なって行きますが、既に日本でやっていることを2週目として活かせそうなことにも手応えを感じています。

米国本土の顧客インタビューを通じてペインの共通化を感じる

ハワイでPMFしてスケールしたとしても、米国本土で展開が出来なければ意味がありません。仮説的には似たようなペインがあると感じていたのですが、直近で行った米国本土向けの顧客インタビューを通じて「ペインの共通化」を感じることができました。

確かに米国本土側の顧客の方が一定DXは進んではいるのですが、私が見ているペインポイントや顧客のあるべき姿(To Be)としては同じ事を発見できました。

しかも米国内の最先端の企業でも同様のペインが顕在化しており、これを解決することで大きなチャンスが生まれると手応えを感じています。

ここからはペイン解決に向けたプロダクトの調整やブラッシュアップを高速で行い、米国本土でのPMFを目指して頑張りたいと思います!


まとめ

2024年はとにかく新しい事に挑戦する(Try something new)をテーマにやっていますが、上記の通りありがたいことに手応えは十分に感じています。

新しい事に挑戦するリスクはあるのですが、リターンが大きすぎるのでリスクを取ってでも無茶するというステージだと私は思っています。
今後はシリコンバレーを拠点に、米国市場への展開をさらに加速!

普段から関わっている投資家の方々、アドザイバーの方々のサポートをありがたく頂きながら、業界を変革するようなサービスになることを本気で実現してきます。

そして米国市場での成功を足がかりに、グローバルに影響を与える存在となることを目指しますので、Nutmegに興味を持って頂けた方は、是非一緒に働きましょう!!

もし一緒にNutmegチャレンジをやってみたいと思った方や、私に興味を持って頂いた方は、是非一度お話しできればと思いますで下記よりお問い合わせください。

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