マガジンのカバー画像

お気に入りの記事まとめ

433
好きだな、とか、また読みたいな、と思った記事たちをブックマーク代わりにまとめています。どの記事もとっても素敵なので、良かったら見てください。
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

鬼の子

 息子の頭を何気なく撫でていると、何か突起があるのに気づいた。どこかにぶつけてできたコブだろうか。しかし、触れていても痛がる素振りは見せない。それに、コブにしては先端が尖っているように思われた。ぼくは息子の髪の毛をそっとかき分け、その突起を見てみることにした。それはツノだった。それほど大きくはなく、ほんの先が露出しているだけではあったが、間違いなくツノである。牛や、鹿が頭に持つあれである。いや、最も近い喩えは、鬼、ではあるまいか。頭頂部に顔を覗かせたそれは、まさに鬼のそれその

+20

写真、世界でいちばん小さな窓枠

自分を形作ってきたものが、なりよりも明快な自己紹介になる。

「子供の頃思ってた○歳って、もっと大人だと思ってた。」 これ、決め台詞ですかってくらい何度もいろんなところで聞くよね。前の職場で34歳の先輩が「年齢だけが大きくなっていくけど俺の心は18からなんも変わらない」って真剣に言ってるの聞いて、そんなもんかって思ってた。 だけどその先輩と同い年の別の先輩は、「俺もそう思ってた時期あったけど、自分はおじさんなんだって認めた瞬間、なんかすごく生きるのが楽になった。モテたいとか、カッコつけようとか、そういうのから離れられた瞬間に今の自分

無料で公開されているのに、あえて"お金を払いたくなる"noteとは

『お金を払って、自分の欲しいものを得る。』 これまでずっとそれが当たり前だと思っていた。 しかし私はnoteのサポート機能により、無料で手に入るものにそれ以上の価値を見出した時、お金を払うことに幸せを感じるという最初の経験をした。 今日はそのことについて書いていこうと思う。 無料で公開したのにあえて買われたnote私にとってnoteとは、"お金を払わなくても楽しむことができるコンテンツ"という立ち位置だった。無料で記事を公開し、無料で記事を読む。無料でスキと言ってもらえ、

勉強嫌いを"思わず勉強したくなる"に変える世界最高の授業

_____ 自然という偉大な本を読むには、その本が書かれている言語を知らなければならない。そしてその言語は、数学なのだ。 (天文学者・ガリレオ・ガリレイ) _____ どうも、はじめまして。今日から君たちに数学を教えることとなった〝カズ・マナブ〟です。 ブリストル大学で数学の博士号を取得した後、日々数学の研究をしています。 〝カズ先生〟と呼んでもらえたら嬉しいです。 さて、今日私がなぜここに来たかというと、世の数学の授業がおもろなさすぎるからです。 子どもたちに数学アレル

『ちいさな異邦人』(短編小説)

 間違いなくあれは現実だったのだと、今もそう信じている。  11歳のわたしは“ぐるぐるゲーム”に夢中になっていた。その名の通り、地球儀をぐるぐると回転させ、目をつむって人差し指で止めた国名を当てるそれは、わたしが考案した遊びだ。滅多に当たらないけれど、的中した時は興奮する。     北半球を狙ってアメリカやロシアと言えば当たりやすい。けれど、国土の広い国が当たってもそんなに嬉しくはなく、やっぱり、国土の狭い国、例えばネパールやアイスランド、キューバなどを狙いたくなる。

「いじめをしていた人が嫌な気持ちになるから書き直して」と言われた娘の卒業文

昨日小学校から帰宅した娘が言いました。 「卒業文集でいじめの事書いたら、 『いじめていた人が読んで嫌な気持ちになるから 書き直してください』って先生に言われたよ。 いじめをされた私はずっと嫌な気持ちが残っているのにね」 娘は小学3年生の時にいじめにあいました。 幼稚園の頃から我が家に 毎日のように遊びに来ていたお友達に。 いつもと同じように 我が家のリビングで三人が遊んでいました 「りぃちゃんは二階に行っていて」 娘が二階へ行くと 「これを隠して困っている姿を撮影しよう