「イタリアワイン好き」と、「アメリカワイン好き」が思わずニヤリとする、ある葡萄の話
ワインを飲む事が好きで、そして自分が好きだと思うワインには「どうも共通の葡萄品種があるぞ」という事がわかったとして。
その品種の名前を覚えておいて、一つのお店での「ワイン選びのヒント」にしている。
そのようにしていらっしゃる方は、実際に少なくないと思います。
むしろワインがお好きという方であれば、誰しもがなんとなく自分の好きな葡萄品種というものを、必ず一つか二つは持っている様な気がします。
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自分の好みの葡萄品種を知っているということは、全く飲んだことのないワインの中から確実に自分好みのものを探し当てることができる「最有力な情報」と、言えます。
そしてこの自分好みの葡萄品種の情報を数多く知っていればいるほど、その方はいわばワインにおける通で、お店でワインを選ぶ場面ではとても活躍をされるでしょう。
さて例えばですが、もしここに二つの違う葡萄の名前があり、その二つが実は同じ葡萄のことだったとわかれば、ちょっと得をするとは思いませんか?
一つの葡萄の特徴を知ることで、二つの葡萄の名前を活用できるようになる。一挙両得ですね。
今回は特にそれを知って得をするんじゃないかと思う、2つの名前を持ったある葡萄品種をご紹介させていただきます。
1. 「プリミティーボ」と「ジンファンデル」
その葡萄とは、イタリアの「プリミティーボ」と、アメリカの「ジンファンデル」です。
元々は「プリミティーボ」が先にイタリアで生まれ、その後にそれがアメリカに渡った時、名前が「ジンファンデル」に変わったと言われています。
その品種自体の特性に非常に豊かな果実味があるいう事から、どちらの国でもとにかく力強くてフルーティーで重たいタイプのワインが出来上がります。
この葡萄の特徴を簡潔にまとめるならば、「インパクトのある」「ジューシー」で「ハッキリとした果実味」。
人によっては、甘いと感じる方も中にはいらっしゃいますが、それが特にお好きな方だった場合にはたまらない満足感が味わえます。
「赤ワインの酸味が苦手!」という方にも、ぜひオススメしたい葡萄ですね。
2. 「【うまい】は【甘い】」
ワインをよく飲まれる方で、ただただ酸っぱいだけのワインというものがお好きな方は殆どいらっしゃらないのではないでしょうか。
全ての人に共通でいえるのではないかと思うのですが、そのワインが美味しいと感じるかどうかの決め手になるのは「果実味が豊か」かどうか。
それでも私の場合でいうと、正直甘すぎるワインというのはちょっと苦手で、酸っぱさと甘さのバランスが優れているワインというのが好きです。
私と同タイプで、ある程度の酸味も必要だと思う方も確実にいるはずです。
陶芸家の「北大路魯山人」の有名な言葉を思いだします。
「うまいは、甘い」
甘味とは人がうまいと感じるものの本質である、という事をいいます。
それをいうのであれば、この葡萄にはまさにその「うまい」が豊かに詰まっているといえるのではないでしょうか。
3. シノニム【別名】を知る
同じ葡萄なのに別名を持っている、この別名のことを専門用語で「シノニム」といいます。
今回のこの「プリミティーボ」の他にも、「シノニム」をもつ葡萄がいくつかあります。
例えば、馴染みの深い葡萄品種である「ピノノワール」。
イタリアでは「ピノネロ」になり、ドイツでは「シュペートブルグンダー」と名前を変えます。
そしてあまり頻繁に出てくることはありませんが、最も有名な白ワインの品種「シャルドネ」の場合はどうでしょう。
自然派ワインの名産地として最近人気上昇中のフランス ジュラ地方では、「ムロン・ダルヴォア」とも呼ばれます。
まだまだ他にも「シノニム」を持つ葡萄はたくさんありますが、その中でも特に「そうだったんだ!」となる葡萄は、この「プリミティーボ」と「ジンファンデル」だという、私なりの何となく経験則があります。
4. ニヤリ(笑)、と締める
いかがでしたでしょうか?
これでイタリアワインしか置いていないようなレストランで、もしこの「プリミティーボ」をリストの中に発見したとしたら、それは大方そのワインがどういうタイプかはもう飲まずとわかったも同然です。
逆もまた然りですね。
どちらかを一度飲んでみてそれが自分の好みにあっていると発見した時、もしかすると他の葡萄のそれよりも2倍得したと言えるかのもしれませんよね😊
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