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卵巣が破裂して緊急入院した話 -4

3では少し脱線気味だったので軌道修正しまして、緊急入院した体験談の続きです。

少しセンシティブな話を含みますので、自分自身と他人の思考や体験を切り離して考えるのが不得意な方は読まない方が良いと思います。

看護師さんたちは太陽のようでした

通常の予約しての入院ならムダ毛処理してから行けますけど、緊急入院だとそんなことできるわけもなければ前日のお風呂でサボったこと、激しい後悔しかなかったです。

でも痛みが天元突破してるとムダ毛どころじゃなく、早く検査すませたいの一心で恥は捨てました。捨てるしかない。

全身のムダ毛ボーボー&眉毛なし&口元に胃液の姿で病室にゴールインしたというのに、こんな飛び入り患者を年長の方があたたかいタオルでささっと体を拭いてくださったり、着替えを手伝ってくださったり、水を買いにいってくださったり、深夜に氷枕もってきてくださったり、あまりに申し訳なくて謝ってばかりいると年長の看護師さんが「いいのよ、いいのよ、何でも言ってね」って…

母のような優しさってコレのことか?

うちのおかんといえば昭和には許されても令和ではもう許されない系マザーだったので、こんなに尽くしてもらった経験がないのです。
怒鳴らない、突き放さない、責任放棄しない人…たとえ有料でもまぶしい…。

結婚後に義弟につくす義母の姿をはじめて見た時にも、あきれるよりもマザコン息子うらやましーーー!と素直に思っちゃったことがあるくらいですよ。

看護師さんって天使にたとえられがちだけど、それ以上の上位存在でしょ?! 該当する言葉が見当たらねえ。正座で拝みてえ。病院受付で順番を待てずに怒鳴り散らして看護師さんやスタッフさんに迷惑かけて暴れてる謎の患者は帰れ!

具合がよくなって「水が飲めました」「昨日よりお腹の痛みが弱くなった気がします」とか報告するたびに「よかった!」といってくれて、逐一泣きそうでした。
うそです。目尻から涙が漏れちゃってました。

もし塩対応の看護師さんしかいない病院だったら(あるのか? ないと信じたい)こんなふうに「早く良くなろう!」とは思えてなかったかもしれないです。

病院食の量、ハンパねえって

食事も入院初日の急性期は上半身を起こすだけで痛くて、ベッドや椅子に座っていられずに昼食はパス。

夕飯はどうにか体を起こしてみても胃も腹も痛くて、5分と座っていられず丼飯を前に一口か二口しか食べられず。

2日目も朝から丼飯で、さすがに罪悪感でそれ以降は半量にして頂きました。それでも多いので絵で見比べてみてください。

残してごめんなさいごめんなさいごめんなさい

麦茶とフルーツとヨーグルトしか食べきれない時もあってMOTTAINAI奴代表でこれも申し訳なかったです。
作って下さった栄養士や調理師の方々にも土下座したいです。

病院食の味自体は好みだったんですけど、胃に物を流し込むと胃底のあたりの炎症を刺激するのかギッチギチにへそ周辺が痛んでしまい、食欲があっても食べられなかったです。

少々汚い話ですが、

食べたい。ぱくっ→ギャー!胃の周辺が痛いー!
出す→下腹部痛い―!
寝る→吐き気と熱
食べたくない時→でも食べなきゃ→ギャー!

これを繰り返してました。
生きるために必須の行為が拷問。

4日目くらいからはようやく食べて胃が痛むことも減りましたが、完食すると胃がパンパンになってその圧で下腹部の炎症が刺激されるのかズキズキと痛くて痛くて。

このお腹いっぱい食べると痛いから半分くらいしか食べれない現象は、退院後も続き、発症から二週間以上たってからやっと元の量を食べられるようになりました。

1日おきの採血と恐怖のCRP値

初日に搬送されたときにすぐに打ってもらった点滴用の注射でいきなり2回失敗、3回目でボス看護師様に選手交代したら一発で成功。そのあとCT検査も造影剤を注射。採血でも注射。

思い返すとずっと注射(採血&点滴)をしてたのでビリーズ注射キャンプ状態でした。おかげで注射も針も怖くなくなりました。

でも初日もう脳内にはタスケテしかなかったので針が痛かったかどうかはあまり覚えていません。むしろ刺してくれてありがとうございます!のドM状態でした。

その後も一日おきに採血で体内の炎症がひいているか診てもらっていました。

炎症がわかるというCRPの基準値が0.03未満らしいのですが、入院した翌朝くらいには約30に達していました。
ちょうど100倍。

これは退院後に自分でググって知ったことなのですが、

  • 10以上→急性期症状が起こってる。要入院。

  • 30以上→生命の危機が訪れている。

という状態なのだそうです。

わい、死にかけてたんか!

今になって思うと看護師さんたちがノンスマイルの青い顔で代わる代わる心配そうに声かけてくださってたのはそういうことだったのか!
当時は搬送されてきてお手数おかけしてすいませんすいませんしか頭になかったですよ。

※医療の正確な知識がある者が書いている記事ではないため、参考程度でお願いします。気になる方は病院へ相談されるのが最善です。

退院日の朝のCRP2.5でも家の中を歩くのやっとで長くは立ってられずフラフラで、食事も園児のお弁当くらいの量でもう痛くてムリという状態でした。その状態は退院後10日くらい続きましたが、家で安静にしていろと言われても必要最低限の家事などはさけられませんよね。

で、これも今になって調べたら心筋梗塞や悪性腫瘍と同じくらいの数値だったことがわかり、炎症のあなどれなさを思い知らされました。そりゃフラフラするわ~。

すごく痛い採血は腕ではない

初日のボス看護師様以外のほぼ全員から2回以上刺し直されつづけていたのですが、看護師さんもこの瀕死のヤベェやつに急いで刺さねばと焦ったのだろうと思うと、なにもかも申し訳なかったです。

口々に「血管が細くて」と言われましたが単に私の脂肪が分厚いのでは?
くっ!

いわゆる平時の健康診断の採血や、血管造影の検査の針などでは人生で一回もミスられた事ないので、今回の入院でびっくりです。
退院後の通院時の採血も一発で成功してもらったので、もしかして弱ってると血管が出にくい? どう考えてもあのミス率は看護師さんたちのせいじゃないように思えるんですよね。

ある日、腕からの採血をあきらめたベテラン看護師さんが手の甲へチェンジしたことが一度だけあって、それが腕より痛い! 甲がこんなに痛いとは!
ある意味お腹の方がそれを上回る痛さで良かった(?)。

腕での採血のありがたみを実感

調べてみたところ、手よりも足の甲からとるとさらに痛いらしいのでいつか体験することにならないよう願ってます。

水を飲むという苦行

初日から脱水症状が続いていたので「水を飲みまくれ」という指示があり、院内の自販で全て買うことに。

自宅近くの格安スーパーでは水ペット500mlでも2ℓでも70円くらい。
院内は500mlが100円。オーマイマネー。

蛇口をひねれば浄化した水が飲めるマイホームが恋しい。

そのうえ具合が悪いとただの水さえまずく感じてしまうし、胃に染みて穴が空いていないことの方がおかしいと感じるほどのエグい激痛。

真夏だったけど、飲まないで良いなら一滴も飲みたくない…!

点滴で水分流し込んでトイレが近くなるも、排尿痛もあって激痛。
飲んで激痛。だして激痛。

生きるって痛い。

水との格闘の図

水は意外と飽きるので、スポーツドリンクの方が味や香りがある分かなり飲みやすかったです。

小さい冷蔵庫がついてる部屋だったので水とスポドリを両方用意して、なるべく交互に飲んでいました。お茶は少なからずカフェインが入っているので痛みが悪化しないか心配だったので飲まないようにしていました。

腸が動いていない件

卵巣破裂でこんなにいろいろな症状が出るとは思いもよらなかったので、医師から腸が炎症で動いてないと説明を受けておどろきました。

炎症が広がった影響で腸の動きがほぼ止まり、入院3日目まで便通がありませんでした。汚い話が多めでごめんなさい。

ちなみにふだんから快便で、どちらかといえば緊張でゆるくなったりはしても便秘とは無縁の人生なので3日間も出ないのは人生で初めてでした。

入院初日なんて脱水を起こしていたのもあって、尿もたったの3回/日しかトイレに行かないほど出なかったです。

便通があったかオナラが出ているかをほぼ毎日聞かれ、聴診器でお腹の音をチェックされていたので、オナラだけでもあったことを報告するとみなさん喜んでくださるのでうれしかったです。

ありがたい!

この排泄行為もものすごく痛くて、膀胱も腸も張っていて生理痛MAX時にすごく似ているけれど入院期間中の不正出血はたったの一滴/週しか出ておらず、なんだか不気味でした。

排尿時は子宮と隣接してる膀胱がギュウウウウと痛み、これが点滴流し込みまくりなので日に十回以上トイレに行った入院2日目は地獄でした。

ベッドから体起こすと痛み、歩くと痛み、トイレに座ると痛み、排泄で痛み、立ち上がるのにまた痛み、ベッドへ戻って横になるときに痛み、「痛い」以外の言葉がでてこない。語彙力までもが低下。

面会禁止だったので弱音いう相手がその場にいなくてよかったです。面会で誰か近くにいたらバーッとしゃべって弱音大会になって相手に心配させたり、痛い話ばっかりして不安な気持ちにさせていたかもしれない。
病気の話は読みたい人だけが見てくれるインターネットが向いてると思いました。

抗生剤のおかげか回復にむかい入院3日目にようやく便通があり、そこから排泄の回数が徐々に通常運転にもどり、水も少しずつ痛みを感じずに飲めるようになって地獄を脱した気分でした。

続きはあれだけ迷っていた手術での卵巣と子宮摘出(詳しくは3をご覧ください)を決意して予約するまでのことを書こうと思います。
また読んでくださるとうれしいです。


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