【読了017】鮎川哲也『黒い白鳥』
鉄道トリックとかアリバイ崩しみたいなものに全く興味がないものだから(頭が精巧に出来てない……というか……パズル的なものとか理屈とか割とどうでもいいと思っちゃう)、その辺りは完全に「ふんふんふん」くらいの斜め読みをしてしまいました。
でもキャラがなかなか良くてですね。主人公のどこか淡々とした感じとか。最後、犯人の告白をすごく冷静に聞いてて「おっ、いいなこの人」ってなってしまいました。女中さんもかわいかったな!
『沈黙の函』の時も感じたんですが、
鮎川さんの小説って実は結構キャラクターの描写が上手い? もっとガチガチのトリック重視系なイメージだったんですが、結構人物で読ませてくれるというか。
足を棒にして……みたいな話は退屈になりがち(私にとっては)なんですが、女中さんとか飛田とか、視点が色々変わってくれるので「退屈だな……」って思うことはほとんどなかったです。
ただちょっととっ散らかってて散漫としてる感じはあったかな。名作! 絶対オススメ! という読後感ではなかったです。
次も楽しみになってきました。何読もうかな。
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