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第1回講座「地域コミュニティをつくる」レポート (前編)1/2

2月1日 地域づくりを実践されているお二人の女性から「地域コミュニティをつくる」と題してお話していただいた。

まちづくりについて決める場には、圧倒的に女性が少なく、ともすれば男性だけできめられている事もあり、そこで暮らす人々、女性はもちろんだが、暮らしに困難を抱えている人たち、弱者が置き去りにされているのではないだろうか。

「まちづくりってなんだっけ」と改めて考えてみる。
立派なビルやマンション、FCのお店が立ち並び、無人走行のバスや車が行き交い、ネットでデリバリーした食宅。週末はショッピングモールでお買い物。健康でお金も時間もあればとても便利で楽しそうだ。
でもそれは本当に私達が望んでいる暮らし、まちづくりなのだろうか。

そこで、だと考え、女性の視点から地域が元気になる取り組みを行い、地域住民が主体的に協力しながら取り組むしくみや、持続可能な「地域づくり」を実践している山梨県南アルプス市のNPO法人bond placeの加藤香さんと長野県辰野町で地域コーディネーターとして活躍されてたAICラボ主宰の福島明美さんのお話を伺った。

加藤香さんのお話し

一人一人のやりたいことが実現できるよう、人と人が繋がり、学び合う場を作っているNPO法人bond place
加藤さんは、普段ワークショプをしたり、思いやり思考(身近な誰か困りごとを見て見ぬふりしない)の小さな商いを起こしていく方と一緒に場づくりをしている。加藤さんの考える「まちづくり」は、やりたいことを口に出したら、それが実現してしまう「まち」

加藤さんは、今から10年ほど前にコワーキングスペースを開き、女性起業支援をはじめ、才覚とか資金力がある人が起業するよりも、働きたいけど働きにくい人たちや、まちづくりに無関心の人たちを少し関心層に向ける起業支援を行っている。

つぶやきをかたちに

2021年3月に主宰する「PUBLIC HOUSE モモ」は、みんなで家賃を出しあい古民家を借りた。

加藤さんは所属する法人で学習支援事業を行っており、働きたくても働けない母親たちと出会う。母親たちと対話を重ねていく中で背景、価値観、大切なモノに触れさせてもらえる瞬間があり、話を聞いているうちに、何かやりたいと形になったのがパブリックハウスモモだ。

環境系のNPOを協業し、リユースの資材を利用した食支援が始まる。産後の家庭や、困窮している家庭にお弁当を届けて回収することで、気になるご家庭を見守る食の支援。大きな資本が壊してしまってきたことを女性が補うまっとうな小商いがはじまった。

 加藤さんの行動は怒りから始まる。「なんでこの人がこんな目にあわなきゃいけないんだろう」

生まれ育った環境や、本人の特性で理不尽に選択肢が制限されている。
学習支援で出会った子どもたち。そして働きたくても働けない母親たち。

対話を重ねてつながりあう

加藤さんの心の中の「女性たちがやりたいと思ったことがやれる場」を作りたいというつぶやきから、同じ価値観を持った人が集まり、様々な活動が始まる。そしてその場から加藤さん自身も作られ、パブリックハウスモモも加藤さんの心が反映されていく。

みんなでやりたいことが口に出したら、誰かに応援されて実現されるまちっていうのをつくっていきたい。やりたいことは手段だが、なぜあなたがそれをやるのっていうことをとことん対話してつくっていくことが大切だ。

加藤さんは終始楽しそうにお話をしてくださった。怒りから始まった行動は、対話を重ね、穏やかな女性の連帯のから地域をケアする場に変えていく。大きな資本にとらわれず、ローカルに生きていく人々を楽しく連帯させ、コミュニティ・オーガナイジングの実践を行っている。

後半に続く

レポート担当 小和田尚子