ついにめぐりあった理想の物件 〜親の移住と、家族の記録#12〜
早まるな、もう少し待て。
そんなメッセージを、移住サポート制度担当Sさんの態度から感じ取り、待つことを決めた両親。しかし連絡がないまま一週間、二週間、時間が過ぎていく。前回内見した物件は保留にしていたが、いつ誰が契約してしまうかわからない。
「待つ」ということは、しんどい。思えばもう一年くらい、理想の物件との出会いを待ち続けている。まだまだ元気とはいえ両親は六十代後半、ゴールの見えないこの長期戦の疲れも少しずつ出てきているはずだ。実際、「完全な移住が難しいなら、定期的に遊び