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中国広告紹介「SNS大手が焼き芋店を出店?!しかも無料?!」

どうも、中国SNSマーケティングプランナー兼bilibili投稿者の韓です。
最近麻辣烫(マーラータン)を食べすぎて胃がやられてしまったので、禁煙中です。


本題に入る前に…皆さん、想像してみてください。
もしインスタグラムが急に焼き芋の実店舗を出したら、どう思いますか?
それも、話題作りのため超高級品種を売るというようなことではなく、ただ焼き芋をタダで配るために!

今日は中国の人気SNSプラットフォームが突然焼き芋配りを始めたという謎ニュースの裏側を解説していきます!

お店の様子
出典:https://www.digitaling.com/projects/196363.html

まず、『RED』という中国のSNSプラットフォームはご存じでしょうか?
今の中国SNSマーケティングを語る上には、今や避けて通れないREDですが、「なんだろう?」となっている方のために、ここで簡単にご説明します。

出典:https://www.xiaohongshu.com

『RED』は、2013年に創立した、動画や写真、つぶやきなどを共有できる若者向けのプラットフォームで、日本では「中国版Instagram」とも呼ばれています。
2億人以上のアクティブユーザーがおり*、中でも20代の若者が圧倒的多数を占めています。毎日60万を上る投稿がされ*、流行りのもの、スキンケアや化粧品、映画、グルメ情報等、生活に関わる多くの情報を得ることができます。
弊社代表山下智博が、度々自身のPodcast「とにかく明るい中国」で解説していますが、日本には最近REDとそっくりな「Lemon8」というアプリもあるので、気になる方はダウンロードして使って見てください!
REDの会社が作っているわけではないのに、UIがソックリという恐ろしい現象が起きています。笑

数字出典:
*https://www.qian-gua.com/blog/detail/1594.html
*https://www.niaogebiji.com/article-124649-1.html

出典:Lemon8 App Store

REDには、様々なブランドとタレントが公式アカウントを運用しており、KOL(インフルエンサー)も多数存在しています。日本では小嶋陽菜さんがREDをうまく運用していると業界では評判だったりします。とにもかくにも、日本からも注目を集めているプラットフォームです。


そんな中国SNSの大手が2022年1月に、ポップアップストアを武漢と上海に期間限定でオープンし、非常に話題になりました。
 
『小さなサツマイモ スローアップストア(中国語では:小红薯慢闪店)』という名前の焼き芋の小さな店でした。中国語にもポップアップストアという言葉はありますが、ここではあえて「スローアップストア」という名前が使用されていました。これは、中国でポップアップストア(快闪店)と言うと、漢字の中にも「早い」という意味の漢字が入り、最新の流行りのものというイメージがあるからです。REDは、「早い」ではなく「遅い」という字を代わりに使った「スローアップストア」と打ち出しました。従来の中国でのポップアップストアのイメージと異なり、非常に新鮮なものでした。そして何より、イケイケのプラットフォームなのに、店の雰囲気を今風ではなくレトロ風の、時代感が感じられるものにしたのです。

PR動画
出典:https://www.digitaling.com/projects/196363.html

焼き芋のお店にした理由は2つあるそうです。
① REDの中国語の正式名称は「小红书(シャオホンシュー/Xiǎo hóng shū)」、読み方は「小さなサツマイモ(シャオホンシュー/Xiǎo hóngshǔ)」と非常に似ています。なので「RED」のユーザーは「小红薯(小さなサツマイモ/Xiǎo hóngshǔ)」という愛称で呼ばれています。
② 日本と同じく、焼き芋は中国の冬にも欠かせない存在であり、多くの中国人にとってソウルフードでもあります。(冬になったら、僕も週一回ペースで焼き芋を食べます…!)
言ってしまえばただの駄洒落なんですが、実店舗の形で食べ物の「さつまいも」と、ユーザーを指す「サツマイモ」を繋げるために作られたのがこの「スローアップストア」でした。

また、「スローアップストア」という名前には、
「今の生活リズムはもう十分速い。たまには落ち着いて、ゆっくりじっくりと周りを見て、感動を見つけよう」という意味も入っているそうです。


何よりも面白いのは、お店の“売り方”です。

焼き芋を売るのではなく、無料で配るのです!(毎日数量限定)
もらえる条件は一つだけ:REDユーザーであること。すなわち、「小红薯(小さなサツマイモ)」であれば、誰もが焼き芋を受け取ることができます。
また、REDオリジナルのキーホルダーと感謝の手紙ももらえるようです。

ユーザー投稿したキーホルダーと手紙
出典:REDユーザー投稿

今までのREDは「ユーザーに新しく欲しくなるものを見つけてもらうプラットフォーム」というイメージが強かったです。
しかし、ここ数年、ユーザーの急増に伴い、愛用品紹介など消費者の購買意欲を掻き立てる投稿に限らず、日常・ライフスタイルなどのコンテンツも増え、コンテンツのバリエーションも多いプラットフォームに変わっていきました。
 
オンラインショッピングが主流の今、オフラインは高い信憑性と、人の感情を動かしやすい・共感を得やすい、話題になりやすい(ニュース、トレンド入り)など、オフラインならではのメリットが多くあります。オンライン天国の中国ではありますが、あえてオフラインイベントの特性を利用し、さらにKOL達が乗っかってきてくれれば、有効なブランディングになる可能性が高いでしょう!
 
この期間限定イベントを通し、REDは日常にある幸せ・温かい瞬間をシェアするプラットフォームであることを強調しました。
五感を通じて心身共に温める企画だったと言えるでしょう。

出典:https://www.digitaling.com/projects/196363.html

今回の事例から、学べるところをまとめました。
①  実物ならではの感動を通し、ユーザーとの距離を縮め、ユーザーの粘着性を強化できる。
②  焼き芋自体は中国では冬の風物詩であり、多くの人の注目を得やすい。そして実際に販売するではなく、無料で贈ることで好感度アップにつながる。
③  オンライン+オフラインの相乗効果が期待できる。「オフラインで焼き芋をもらう→投稿する→他の人が見て、行きたくなる→拡散する」というサイクルが起こりやすい。
 
インバウンドの再開に向けて中国向けのオフラインイベントの企画を仕込み始めるなら、今が大きなチャンスかもしれません!どこも予算は限られていますので、その中で効率よく海外向けの話題を作るのは簡単なことではありません。
なので今まで中国向けの企画を行ったことがなくて不安な方も、中国SNS専門家のぬるぬるがお助けします!是非弊社にご相談ください!
 
この記事を面白いと感じていただけたら「スキ」とSNSの拡散をお願いします!


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