【詩】はんにゃパンチ☆

久しぶり　会いたくなったから来ちゃったよ♪
……ねぇ、どうしたの？
君に般若はんにゃの仮面が貼り付いているよ
いつもの笑顔が見たいな
悩みや愚痴があるなら幾らでも聞くよ

「何にもない」って？　ふぅん？

そう言うと思ってスマホを預かりました！
あ　ごめんね～事後報告でさぁ
ぼくの手癖が悪くてやんなっちゃう♪
おやおや　でもでも　もっと悪いメール文が
君の上司って恥じらいのない般若かな？

はいポチッとな　パワハラ窓口に転送したよ

なんで怒るの？　相手が違うでしょ？
それとも他に辛い案件があるのかな？
ふむふむ　なるほど　ビンゴだね
恋人に裏切られ　親とも喧嘩してしまった
わかった　叩かないで　バカにしてないから

ぼくの君に対する愛で解決できたらいいのに

はいはい　冗談ですからね～
だからその仮面を外してほしいんだよ
般若の仮面ってさ　欲張りじゃない？
怒りも悲しみも内包した鬼面でさ
とりあえずさ　どっちか決めよう？

うん　涙も出ないほど怒っているんだね

もっと言ってごらん　赤裸々に
今は暴言も言えるんだよ　鬼のように
何がそんなに言葉を詰まらせているの？
そうやって我慢して幾つの月を眺めたの？
さっきから拳がプルプルと震えているんだよ

うーむ強情だなぁ　ならば……必殺技だぁ！

ほらほらどうだ　くすぐったいでしょう
ふざけてるのかって？　本気でふざけてるよ
君が笑いたい気分じゃないのは知っている
でも強張った顔じゃ涙も文句も出ないんだ
あとで怒ってもいいから　一度だけ笑ってよ

般若の仮面を砕く秘儀　『笑撃破』！！

……ね　出てきたでしょ？　目尻から涙がさ
笑い過ぎて生理的な涙が出ちゃったでしょ
もう大丈夫だよね　涙が出たから泣けるよね
ぼくは後ろにいるし鼻水出したっていいよ
ぼくの心臓みたいに君の心が動き出すのなら

あとでゴハンを食べて　スヤスヤ眠って
元気が出たら一緒に少しずつ片付けよう
部屋も君の悩みも　模様替えしたっていい
つい散らかった漫画を読み直したりして

そんなとき　今度こそ笑い合えたらいいな

あとがき

　一か月くらい前に書きかけたものを放置っていうか寝かせていて、先程完成した詩です。
　いや、もはや短編小説みたいな内容ですね(笑)。

　生きてれば大なり小なり辛いことは起きるわけで、心の病とまではいかなくても、泣きたいし泣いてもいいのに泣けない心境に陥ることってあると思うんです。そんなとき、嘘でも演技でもいいからアホみたいに笑ってみる、という方法は案外いけると思っています。

　というか、実際にやったことあります（だいぶ昔に）。
　なるべく声を出す感じで笑うのです。笑うと目元が緩み、食いしばっていた口元も緩み、体のこわばりも何となく解けます。そしたら、緩んだ隙を狙ったかのように生理的な涙が意外と出るんです。もうそれを心の涙って思うことにしたら、泣けるものですよ。私はね(笑)。

　もちろん、辛いときに笑うなんて、もうホントしんどいことなので、やるなら奥の手かもですね。気持ちがどん底のときよりは、ふっと少し浮いたときが楽かな（※持論です）。

　そもそも以前に、気持ちが塞ぐのを防ぐのが先か。
　気心の知れた人に打ち明けたり、日記に書いたり、noteみたいなSNSで発信したり。結局どんどん思いを外に出していくのが最強ですね。垂れ流しアウトプット、最強の防御は攻撃、みたいなね。これはわりと一般論なのでは？？(笑)

　ふぅ、書けた。これで私の心も少しはスッキリ～。