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【詩】インスタントラーメン

君はスーパー・スター
いつも忙しそうにしている

働いている→常にマルチタスクで
喋っている→喜怒哀楽がコマ単位
食べている→最短時間で
 修飾語なんて後追いだよ……

ぼくは君の親友
こんなにのろまな人間なのに
どういうわけか仲良くしてくれる

君はぼくに素敵な新幹線を見せてくれる人

お気に入りの店で話すアレコレは
君の瞳のキラキラで結晶化して
いつも宝石達になっていくよ


でもね
 ぼくが話したいときは 一悶着
  いつも困らせてしまう……

たくさん話さないと理解してもらえないんだ
 時間を取らせて ごめんね

そう言ったことがある 秋の夜
君はヤケにムキに言った
「だからワクワクするんだよ!」

「いつもと違う自分に出会えるんだから!」
七色の火花にチカチカするぼくの心


君はスーパー・シューティング・スター
いつだってすぐ安定の感動をご提供!

そんな君の好物はインスタントラーメン
いつだってすぐ安定の食事をご提供
ちなみに醬油味系が好物


ぼくはスーパー・スロー・ストーン
 ゆっくりと届く地味な石さ

ぼくは……茎わかめなんだって
よく噛めば味がわかるからって
やけにドヤ顔の君が勧めるから


ちょっと反抗的に
酢昆布を噛みしめながら
ぼくはぼんやり考えていた

インスタントラーメンに昆布出汁を入れたら
もっと美味しくなりそうだなってね



あとがき

 私……実は干物みたいって言われたこと、あります。

 いや、厳密にはスルメだったかな。「噛めば噛むほど味がある」って理由を言った本人から聞いて(※その方とは仲が良かった)、そっか~そうなのかな~と感じた記憶があります。

 でも、当時は綾瀬はるかさん主演の「ホタルノヒカリ」が話題で……迂闊に自慢話にできないな~なんて、あんまり自慢できませんでした(笑)。

 ただ、この方の言葉で、私は他人から分かりづらいんだな~とか、切っ掛けさえあれば、どんどん理解され得る人間なんだな~とか、思えるようになりました。まぁ、速度的には難儀ですがね(笑)。自分の努力次第で、受け入れてもらえるのだと、一種の安心を授かったのです。

 そんなことを「インスタントラーメン」を書きながら思い出しました。最初からは想定していなかった想起です。でも、これも気づきのアウトプットなのかな。


 本当は、詩のイメージは個人的にもっと暗くなるかと思っていました。それが(個人的には)明るくなり、しかもカタルシスに繋がって、本当に幸せなアウトプットになりました!


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