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【Kindle出版】新サービス・ペーパーバックの概要と可能性

Amazon Kindleの新サービス・ペーパーバック。

従来の電子書籍だけじゃなく、紙媒体で出版ができる。

ここ数日で日経新聞なんかにも記事として取り上げられていましたね。

※日本で実装されたのが最近というだけで、海外では何年も前からスタートしてます。


今回はこのサービスについての概要と可能性について語りたいと思います。


★サービスの概要


・自己負担ゼロで「製本されたものを」出版できる。

 本が買われたらロイヤリティからコストを差し引いて支払われる仕組み。

・「本は紙じゃないと買わない」という層を開拓できる。

 電子書籍の利用者はまだまだ少ない上、ジャンルも漫画が圧倒体多数。

・発注後に製本されるため在庫管理の必要がない。

 「たくさん注文しちゃったから売らなきゃ」と焦る必要がない。

・必要なものは原稿と表紙のPDFデータ(推奨)。

 電子書籍で使用しているものを流用できる。多少の編集が必要。

・「校正刷り」で販売前に本の仕上がりを確認できる。

 有料(消費税+下記コスト+配送料)。「再販禁止」の透かしが入る。

 指定した住所に届けられる。

・ロイヤリティは本の設定価格の60%。

 電子書籍の場合は35%か70%。

 それに加え読み放題サービスで読まれたページ数に応じ収入があります。

・ロイヤリティから「固定費用+ページ数×単価」が差し引かれる。

 モノクロ印刷の場合、108ページまでなら400円。

           110ページ以上は175円+1ページにつき2円。

 カラー印刷の場合、40ページまでなら475円。

          42ページ以上は175円+1ページにつき4円。

 例:50ページのモノクロ本→ロイヤリティから400円が引かれる。

   200ページのモノクロ本→175+200×2=575円が引かれる。

   30ページのカラー本→475円が引かれる。

   100ページのカラー本→175+100×4=575円が引かれる。

つまり、「カラーかモノクロか」「ページ数」によってコストが決まる。


★原稿と表紙に必要な編集


電子書籍で使ったWordファイルがあれば、次の通り編集をすれば流用できます。

原稿→表紙の順番で編集するのがおすすめです。

・原稿

 ①用紙サイズの変更(A4→B6など)

 ②①に伴うズレの解消(文字や画像の大きさ、字間や行間の幅)

 ③余白の設定(製本時に裁断されるため)

 ④ページ番号の追加

 ⑤PDFへの変換(変換しなくていい場合もあるが簡単だしおすすめ)

・表紙

 ①原稿サイズに合ったテンプレートをダウンロード

 ②テンプレートへの貼り付け

 ③背表紙と裏表紙の作成

 ④テンプレートの削除

 ⑤PDFへの変換(必須)


▼失敗しないペーパーバックの作り方はこちら


★サービスの可能性


悪いところから。

ネックなのは価格設定です。


自己負担ゼロで本を販売して、印刷・製本・配送までAmazonがやってくれる。在庫管理の必要もない。

著者からすればあり得ないほどの画期的なサービスですが、読者目線だと価格が高くなるというマイナス面が。


例えば一番コストのかからないパターン、カラーの本で42ページでも、最低351円のコストがかかるので、これに見合う「最低希望小売価格」が存在します。

これは、「コスト÷0.6」で計算します。

つまり、最低でも、351÷0.6=585円。

税込みで644円です。


電子書籍の価格はどうでしょう。

500円以下の作品が散見されますね。

個人出版なので情報量やページ数が少ないこともあり、100円前後で販売している場合もあります。


そして、電子書籍と違いページ数が大きくなるとコストがかかります。

電子書籍の場合、読み放題サービスの対象として読まれたページ数に応じてロイヤリティが決まる仕組みなので、ページ数を多くした方が利益は多くなります。

ページが増えてもコストはかかりません。


このため、「せっかく本にするんだから有益な内容にしよう」と思ってもページを分厚くすると価格も高くなるので、読者からすると「こんなに差が出るなら電子書籍でいいや」となってしまいます。


さらに、今のところ電子書籍のような無料キャンペーンも利用できません。

個人で活動している人間にとって、この機能がないのは厳しい。。


というわけで、このサービスを利用する上でポイントになりそうなのは、

・判型を大きく、文字や画像を小さく、行間や字間を詰めるなどしてページ数を圧縮する

・ページ数を稼ぐための余計なテキストや画像を極力カットする

などの価格をおさえる対応策や、

・電子書籍にはない付加価値をつける

など、電子書籍よりも高価であることの正当化です。


前向きに商機として捉えるなら、高い価格でも買ってもらえるよう努力をすること。

付加価値の例としては、QRコードを埋め込み、限定のサービスへ誘導するとか。

有料動画、特別会員、ライブチケットなど。


あとは、ペーパーバックをバックエンド、電子書籍をフロントエンドとしたマーケティング。

まずは安価な電子書籍で試してもらうことで新規の読者を集め、価値を認識してもらったら高価なペーパーバックを購入してもらう、っていう流れ。


ただ、これらは電子書籍でもやろうと思えばできることなので、完全に出版者側の都合になってしまいます。

かと言って普通の本ならできる、著者のサイン入りとか物理的な付録をつけるとか、そういったことはできません。Amazonがワンストップでやってくれることの弊害ですね。


電子書籍にはできなくて、ペーパーバックならできること。


これは、見開きですね。

電子書籍は本で言うところの片側1ページずつしか表示されませんので、例えばバトル漫画で見開き1ページで大技のシーンを派手に見せる、なんてことができません。

これは電子書籍で漫画を読んだことがある方は経験したことがあるでしょう。


他には、次のようなものが考えられます。

・塗り絵

・ドリル

・クロスワードパズル

つまり、書き込むことを前提とした作品。

もっと派生させて考えると、例えば・・・

・絵を描く練習

 左ページにお手本となる絵があって、右ページは白紙。

 お手本を見ながら絵を描く練習ができる。

 描いた絵の写真を撮って、専用QRコードを読み取り送信。

 プロが指導・添削してくれる。

とか。工夫次第で面白いものが作れるかもしれません。


あとは、Amazonのギフト機能を使って、本をプレゼントする。

要は自腹で購入して人にあげちゃう。

もしくは、人に贈りたくなるようなギフト用として作る。


ただ、あまり深く考えず、価格は高くても買ってもらえるかも、という期待もあるにはあります。

やっぱり手に取ってページをめくりたい、本棚に並べたい、そういう需要はあると思いますので。

マニュアル的な本なら、手元に置いて見ながら作業したいとか。


とにかくやってみて、反応を見るしかありませんね。



Kindle出版に関するノウハウについては別の記事で紹介できればと思いますが、気になる方は私の本にすべて書いてありますので読んで頂ければと思います。

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