見出し画像

植物と図書館と身分証明書のお話


ちょっと雲あるけどいい天気


今日のバルセロナは、多少の雲はあるけれども、久しぶりに朝から快晴。
なので我が家の植物ちゃんたちに、たっぷりお水をあげた。
うちの子は、ミント、バジル、イタリアンパセリ、が三年くらいまえからいるメンバー。
他には、近所のご婦人が捨てようとゴミ捨て場に運んでいる途中、目があってしまったためにを半強制的に押し付けられた『アロエベラ』さん、近所の花壇で拾ってきた金のなる木(多分)の一部が成長した子、栄養分が茎に行き過ぎて伸びまくってついには花を咲かせて大量の種をのこしてくれた『ラディッシュ』、名称不明の多肉植物?、サボテンちゃん、順調に成長してきている『ミニトマト』ちゃん、きれいな色と形に惚れた『グズマニア(アナナス)』ちゃん、それに『ローズマリー(多分)』ちゃん。
※ある朝家を出るときに、玄関前に「あなたの小さなお庭の仲間にどうぞ」的なメッセージとともに四種くらいのハーブが置かれていたのです。不審がることもなく、ファミリーに加えました。現在まで生き延びているのは、ローズマリー(多分)ちゃんだけです。

我が植物ちゃんたちは、たった一日で、とんでもなく身長が伸びる子もいる。
夏休みが開けたら、「お前背伸びたな」って言われる小中学生のよう。
※そんな急激に身長が伸びた知人がいないから想像で表現しました。

始まりは、なんとなく、本当になんとなく、スーパーで売っていたハーブが苗で売られていたので育ててみよう、と思ったことがきっかけだ。
ミントとバジルとイタリアンパセリ。
ぐんぐん育っていく様子がかわいくてかわいくて、もっと仲間をふやしたいなと思った。
どうせなら食べられる植物を育ててみたいなと思い、ラディッシュなら収穫も早いし初めてでも育てやすいかなと思い、ラディッシュに手をだした。
プランターを買って、土と水と少しの肥料を用意して、種を植えて。
芽がでてくるとめちゃくちゃ嬉しくなって愛おしくなった。
ミントなんかは育ちまくってつる植物みたいになったり、バジルは、「お前本当は樹木だろ」というくらいりっぱに育ってしまったり、トマトは茎が伸びすぎて「お前はどこまで行くんだー」と思ったりした。

しかし、ミントは一回、残酷にも殺してしまった。
ある年の夏、暑い日が続いた。
わたしは恒例の熱射病状態になってしまい、植物ちゃんの世話ができなくなった。
何週間か水やりができずにいたら、もののみごとに枯れ死にさせてしまった。
まことに申し訳ないという気持ちしかなかった。非常に遺憾である。
それでも、ミントの根っことお花の部分が少しは生き残っていたから、かろうじて生き延びた花の部分を土に埋めてあげたら種ができていたようで、ミントちゃんは見事に蘇った。

枯れても枯れても、何度でもよみがえり生きようとする植物のたくましい生命力。
うちの子たちを眺めるたびに、今日も元気に伸びておるな、と笑顔と元気をもらえる。
改めて純粋に、「植物ってすごいな」、と思う。

植物を育て始めてから、近所の方が近くを通るときに声をかけてくれるようになった。
「自分も庭をもっていて、お花をいっぱい育てているんだよ」とか、
「緑がきれいだね」とか、
声をかけてくださるのは、たいていが年配の方。
中には齢90になるご婦人もいらっしゃった。
ある日突然、変なアジア人が一人で住み始めたから、近所の方には不審者としか思われていなかっただろう。
近隣住民と認めて、声をかけてくださるのは非常にありがたいことである。
バルセロナ住民の一人として認められた感で、胸がいっぱいになる。
素直に嬉しい。

ある日、朝の水やりをしていたら、一人の若い女性がわたしの住むピソ(集合住宅のこと)から出てきて、
「毎朝仕事に行くとき、ここの植物を見て元気になる」
というような、もったいなさすぎるありがたいお言葉をいただいて、めちゃくちゃ嬉しくなった。
あまりにも嬉しかったので、母に電話をして嬉しさを報告してしまった。

自分のやっていることで、誰かがちょっとでもほっこりして嬉しくなったり笑顔になってくれるのって、ほんとうに嬉しい。
自分が社会と隔絶した引きこもり状態だからなおさら、植物ちゃんを育ててよかったなあと思う。
けっこう、枯らすけれども。
食べられる植物ばかりを選ぶから、色とりどりの色彩に溢れたお花畑ではないけれども。

ラディッシュは育ちすぎちゃって栄養が全部花を咲かす方へ渡っちゃって可食部が育たなかったりするけれど。
※そもそもプランターに蒔く種の量がおかしい。基本的に種をまいたら水やりと雑草除去と虫よけスプレーしかしない。

過去には、キュウリ、唐辛子、ミニナス、ディリ、ビーツ、なども一生懸命生きてくれました。
ちなみにイタリアンパセリは、根っこさえ生きていれば無制限なくらいに成長する。
アンリミテッドイタリアンパセリワークス、だ。
※元ネタは『FATE』というアニメやゲーム作品です。
参考イメージ:https://es.images.search.yahoo.com/search/images;_ylt=Awr.gek13Elmr8wcs1ZU04lQ;_ylu=Y29sbwNpcjIEcG9zAzEEdnRpZAMEc2VjA3BpdnM-?p=アンリミテッドブレイドワークス&fr2=piv-web&type=E211ES714G0&fr=mcafee

※もう絶滅してしまいましたが、食虫植物ちゃんもいました。いつか一面の食虫植物園を作りたいです。


そして春先にはスーパーで植物の種や腐葉土、庭造りや庭作業用の道具も販売される。
わたしはもっぱら種とプランターと腐葉土しか買ったことがないが、草刈り機とか庭用テーブルに椅子なども扱っている。
夏が近づくと、バーベキュー用品が並ぶ。もうすでに並んでいる。

ちなみに、プライベートブランドの腐葉土が50リットルが5,99ユーロなのは破格。
だが、わたしには積み上げられた50リットルの腐葉土を運ぶための筋肉がまったくなかった。
わかりきっていたことだが、試しに腐葉土の袋を抱えようとしたが、一ミリも動かすことができなかった。

そのあと筋肉隆々な男性がやってきて、米俵みたいな腐葉土50リットルの袋を、赤子でも抱えるかのように、ひょいひょいと買い物カートに次々と載せていった。
すげえな、と思った。
わたしは、25リットルの袋が限界だ。それでもめちゃくちゃ重いけれども。
だがプライベートブランドの腐葉土は、一般に流通している品の半値くらいで購入できる。
だから今が買い時なのだ。

左がプライベートブランド腐葉土50リットル。
右側が一般流通品25リットル。


余談だが、父親が畑仕事をしているので、たまに電話で植物の育て方を教えてもらう。
土の作り方を教えてもらったり、水のあげかたを教えてもらった。
腐葉土も、適度に変えてあげることが必要なんだな、と初めて知った。

初めて知ったと言えば、ある夏の日、日差しがギラギラ照り付ける昼間に、あまりにも土の表面がかぴかぴに乾いていたのでプランターに水をあげていたら、近くを通りかかった近所の方が、
「水をあげるなら早朝か夕方がいいよ。昼間は日差しが強いから、水が熱くなって植物が焼けてしまうから」
と教えてくれた。

水のあげ方なんて、スペインに住むまで知らなかった。
※小学生のときに朝顔を育てる授業で学んだのかもしれないけれど、その記憶を司る脳細胞さんたちの樹状突起は握手しないようです。


そもそも、わたしは日本にいた時はいわゆる汚部屋住人だった。
名古屋と東京で10年以上一人暮らしをしたけれど、
「どうしてこうなった」
と、毎度毎度、気が付いたら足の踏み場がなくなっているのだ。
さすがに、ごみはきちんと捨てていたので、ごみ袋が積み上げられれて山ができることはなかったが、『収納』という概念が自分から欠けていたのだろう。
常に、床はモノだらけだった。

なかでも一番多かったのは、紙媒体の『漫画』。
毎月大きめの本屋さんに行っては新刊コーナーで興味関心のある分野の漫画を大量に買っていた。
ある日様子を見に来た母親から「床が抜けるぞ」と言われるくらいだった。

けれどスペインに移住すると決めたとき、手元にあった2000冊近くの漫画はすべて古本屋に売った。
今思うと、『水曜どうでしょう』DVDは手放さなくてもよかったかなと思う
スペインに移住してから知ったのだが、姉が『水どう』にハマっていたのだ。
ローソンで新作の予約が開始されるたびに予約特典付きで買っていたので、惜しいことをしたなと思う。


本といえば、最近は近所の図書館に開館から引きこもって創作活動をしている。
創作活動と言ってもまだまだ二次創作の範囲を抜けられていないのだが。

近所の図書館は、Wi-Fi完備、プリンター完備、パソコン完備、コンセントで充電もできる。
カフェテリアが併設されている。
こじんまりしたギャラリーもある。
マルチメディア室もある。
近隣住民向けに無料でインターネットやコンピュータやデジタルな物事関係の講座が開かれており、希望者は受講が可能のようだ。
※さらに語学交流会というか、ある程度のレベルの語学講座も開かれているようです。

本の貸し出し返却は、完全に機械で行う。
蔵書は、本だけではなくて、漫画やDVD,音楽CD,最近はゲームソフトも少々、扱っている。
ちなみにDVDは映画作品だけではなく、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどで放送されているテレビドラマシリーズのものもある。
※最近の日本の図書館事情は存じておりません。個人的にはこの図書館はもう、小さいTSUTAYAやん、と思ってしまいます。

もちろん、分類名『日本』の書架もある。
大半が、スペインで発行されたスペイン語訳された小説だったり漫画だったりするが、ごく数冊、日本の文庫本もおいてある。
さらには日本の映画DVDだけをあつめた一角もある。
大半が、黒澤明や小津安二郎、北野武とアニメ作品だが。
※最近知ったのだけれども、日本の音楽CDもあった。アーティストについては申し訳ないがまったく存じ上げません。申し訳ございません。

最近は、多分ものすごくいろんなことができるんだろうけれど、わたし自身がよくわかっていないから、使用用途不明のタブレットもある。
まだ一回しか触っていないから。

バルセロナ公共図書館のポータルサイト
参照:『Biblioteca Virtual』 https://bibliotecavirtual.diba.cat/
※いろんなサービスがあることがわかりますが、個人的にはほとんど活用できていないのが現実です。

※ちなみにこの図書館では、閉館時刻を知らせる音楽は『ホタルノヒカリ』ではありません。なんかノリのいいポップでロックなミュージックです。


ところで、以前はバルセロナの公共図書館カードをもっていると、バルセロナの美術館や水族館などで料金割引サービスが受けられました。あの、グエル公園も無料で入園できます。
今は図書館カードの提出ではなく、バルセロナ在住資格がある人ならだれでも登録できる『Gaudi mes』というサービスに変わりました。
登録時に必要な証明書は、DNI、NIE con foto 、pasaporte、のいずれかです。
※パスポートでも可能ならば観光客でも登録できるのかもしれませんが、サービスの管轄がLA OFICINA DE ATECION CIUDADANA(役所の市民課的な部署)になっているので、可能かどうかはわかりません。

参照:『Gaudir mes』
https://www.barcelona.cat/gaudirmes/es

※グエル公園に関しては、近隣住民向けに『CARNE DE VECINO O VECINA』という無料入園カードが存在します。役所で申請すれば発行してもらえます。
参照:https://parkguell.barcelona/es/el-park-guell-y-la-ciudadania

正式名称:
DNI→DOCUMENTO NACIONAL DE IDENTIDAD
NIE→Número de identidad de extranjero
PASAPORTE→パスポート


DNIとPASAPORTEは以下のサイトで詳細が確認できます。※スペイン語です
参照:[CUERPO NATIONAL DE POLICIA ]
https://www.dnielectronico.es/PortalDNIe/
※DNIは、スペイン国民であることの身分証明書です。70年以上の歴史があるようです。

NIEは、外国人登録票ナンバー(カード)です。外国人にとってのDNIがNIEです。
NIE(バルセロナもしくはカタルーニャ州)については以下のサイトに詳細がありました。
参照:BARCELONA INTERNACIONAL WELCOME ※スペイン語、カタルーニャ語、英語
https://www.barcelona.cat/internationalwelcome/es/numero-de-identidad-de-extranjero-nie


※外国人向けバルセロナ移住ガイドポータルっぽいです。今まで知らなかったのですが、もしかしたら比較的新しいポータルサイトなのかもしれないです。
外国人留学生向けのサイトというよりは、バルセロナ移住希望者向けのポータルサイトっぽいです。


身分証明書といえば、日本ではマイナンバーがなんだか話題になっていますが、多分スペインではもう70年近く続いているから国民にとっては『慣習化』された事項なのかもしれません。生活の一部というか、生活必需品というか。
個人的には、超便利、だと思います。
※期限切れにならなければ。

なぜならば、どこいくにも何をするにも、NIEを提出すれば『お前、おK!』だから。
役所に用事があるとき、銀行口座を開くとき、保険証を申請するとき、図書館カードを発行するとき、公立の外国人向け語学学校に申し込みをするとき、警察のネズミ捕りにつかまったとき、などなどなどなど。
買い物やサービス利用時に領収書発行を申請するとき、税務署に確定申告をするときにも必要になります。
※自営業ビザなので。

また、外国人であるわたしにとっては、身分証明書であると同時に、『スペインに合法的に滞在していますよ』という『信頼証明書』でもあるのですね。
※もちろんパスポートも重要ですが、国籍のみに言及するならば、NIEに国籍も記載されています。パスポートはパスポートで旅行するときに必須ですが、スペインに帰るときはNIEの提出が必須。帰るべきオガール(HOGAR:家、ホームのこと)はスペインにありますからネ。

多分運転免許取得時も提出すると思います。
※スペインの教習所に通ったことがないからわかりません。地元民によるとバルセロナ中心地は駐車可能な場所を探すのが非常に困難らしく、だったらバイクの方が便利だよってことでバイク社会でもあります。
レンタルバイクサービスもレンタル自転車と同じくらい普及してきているので、バイク免許はとってみたいものです。

いずれにせよ、バルセロナでなにかしらのサービスを受ける場合は、とりあえずNIEを提出すればほぼなんとかなります。
バルセロナでは四つ星以上のホテルになると、チェックイン時にスペイン国民でも身分証の確認が求められるので、外国人にとってNIEは必須です。
※ここ1,2年は自宅に引きこもってホテルに宿泊していないからわかりません。



捨てられかけたアロエベラさんとその取り巻きたち


そんなわけで、今回は、植物のお話と図書館と身分証明書(NIE)についての超個人的な感想と案内でした。


うちのミニトマトちゃん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?