181115_わたし取り戻す食卓

わたし、取り戻し中

 2ヶ月くらい前に走り書きした文章が出てきた。
 その時のわたしは、こんな風に残していた。

 ☆

 いま、ぽっかりと、わたしの時間を与えてもらって、
 上手な表現じゃないけれど「わたし」を取り戻している最中なんだと思います。

 先日、「あなたの人生」というワードを見せられ、それぞれ自分の人生について思いを馳せるというワークを何人かの方と体験しました。
 ある人は「理想に向かってあるき続けていたい」とか、またある人は「その時々で理想や、ありたい人生は変わるから難しい」とか。
 そんな中、わたしは
「わたしの人生は、わたしだけのものじゃない。色んな人が見えるからそういう人たちに相談しながら、人生と伴走したい」
 と言った。

 でも、よく考えたら、色んな人にわたしは相談しているのか?いたのか?
それは相談だったのか?

 「わたし」が会社だとすると。
 わたしは「わたし」の代表取締役ではあったけれど、筆頭株主ではなくなっていました。

 世間体、両親、上司、同僚、友だち、、、
 そういうもののほうがわたしより上位にあって、そういう人たちが「いいね」って頷いてくれるところを狙って歩んでいた気がします。

 ☆

 そして先日の話。
 妹がわたしの家へ遊びに来ていた時、朝ごはんのパンを買うためにコンビニに寄った。

 わたしはパンの陳列棚の前で「うーん」と腕組み、少し悩んだ後、2つ手にとって雑誌を立ち読みしていた妹に見せにいった。
「どっちがいい?」
 妹は誌面から視線だけ上げて、2種類のパンを見て
「チョコチップの方」
 と答えた。

「おっけー」
 で、終わるはずだった。いつもは。でも、その時
『違うんだよなあ。』
 って、聞こえてきた。
 むむっ、なにやつ。どこに潜んでおる。姿を見せぬか。

「ねえ、やっぱりランチパック ピーナッツにしてもいい?」

 意識せず、妹にきいていた。
 自分で、自分が発した言葉にびっくりしているうちに、妹が、今度は顔ごとあげて、わたしをしっかりみて、
「うん、そーしよ!おねーちゃんが食べたいもん食べよ!」
 と言ってくれた。

 さっきの声は、わたしの内側から聞こえたのでした。

 たかが朝のパン。しかもディズニーシーに向かうまでの道中に、歩きながら食べるパン。そんなこだわりがあったわけじゃない。
 でも。
 だれかと一緒にいて、ちゃんと自分の『本当はこうしたいなって思うんだよね』を、掬えたできごとだった。


 おやすみを頂き始めて、2ヶ月と半分。
 少しずつ、わたしはわたしを取り戻しているのかな。

この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。