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しあわせって何だろう。 〜「MIDSOMMAR(2019)」感想〜
自分はホラーというのはあまり怖くないと思う人間である。だから見れてしまう。
やはりホラーを作るといえど所詮人間であるので、どこか生理的な遠慮や他人に対する見栄などが見える瞬間があって、そうなると怖いというより逆に可愛げすら覚えてしまう。
普通のホラーはお笑いと同じで、大抵ツッコミが入ってしまうのだ。恐怖を演出するために恐怖じゃない描写を入れる、死んでしまって当然なくらい不注意なお馬鹿を主人公たちに
人をセイウチにしたくてたまらないおじさん〜「Mr.タスク」感想
ポッドキャストというまあいわばインターネットラジオがあるわけですが、そこで配信してるとある二人組がとんでもないクズだったわけなんですよね。
一人はテディーという、まぁこのかたを演じてるのが実はシックスセンスの主人公でもあるハーレイ・ジョエル・オスメントさんの育った姿だったりするのですが、それはともかく、もう一人のウォレスという男が、これがまあ、セイウチ髭がチャームポイントの、いかにもセイウチみたい
差別の裏のメルヘン~「シェイプ・オブ・ウォーター」感想
予告の「半魚人と清掃員の美しい純粋なメルヘン」的なイメージのみに期待して見始めると色々と面食らう映画だと思う。冒頭で清掃員の主人公がいきなりおっ始めるアノ行為(しかも日課のように淡々と描写される)とか、結構アグリーで時に酷い事をしちゃう半魚人とか、意外とグロテスクで邪悪な陰謀が普通に渦巻いてる感じとか、とにかくいわゆる美しいだけじゃない意外に大人な生々しい映画という印象を抱くこともあろう。
だがし
人の肉体を持った機械たち - 「スキャナーズ(1981)」感想
タイトルを見ると人造人間の話かな?と思われるかもしれないが、「スキャナーズ」は超能力者同士の戦いを描いた話である。能力を極め過ぎてもはや機械のように冷徹な性格をもってしまった人たちの物語なのである。
この映画は私の好きな映画トップ3に入るくらいの映画である。なにしろここまで俯瞰視された超能力ものは他になかなか無い。普通ESPが出てくる映画って映画的な誇張がされるものだが、この映画はただストイック
とても真摯なホラーである − 「ヘレディタリー/継承」感想
アリ・アスターという新人の映画監督に最近興味がある。「ミッドソマー」という最新作の、およそホラーとは思えぬ強烈に爽やかな外観と香ってくる禍々しい雰囲気に魅せられ、彼の前作でありデビュー作のこのヘレディタリーを見始めた。
・・・異常な映画であった。洗練されたド変態って感じ。美術から脚本まで細部にわたり作り込まれており、観るもの考えるものを寸分の隙なく異次元の感覚に投げ落とす迫力がある。
ホラー映画と