レンタススペースでたこ焼き器を有料で貸し出すべきか?
レンタルスペースで人気のオプションといえば、たこ焼き器が多いですね。
他にも、スペースのジャンルによっては、プロジェクターやホワイトボード、カードゲームといったものも人気があると思います。
そんなオプションについて、レンタルスペースのオーナーさんであれば、無料にすべきか、有料にすべきか悩んだ経験があるのではないでしょうか。
もちろん、いろんなケースがありますが、行動経済学の観点からすると、オプションは無料で貸し出す方が利用者にとって満足度を得られやすい場合が多いということが言えます。
Amazonの送料無料
みなさんも「無料」という言葉についつい引っ張られて行動してしまうことはあるのではないでしょうか。
多くの人が利用しているAmazonの送料は今このようになっています。(※2021年5月6日時点)
ご注文金額が2,000円以上の場合 無料
ご注文金額が2,000円に満たない場合 410円
例えば、Amazonで購入しようと思っている本が1,800円だった場合、どうしますか?
①追加で何かを購入し、合計が2,000円以上になるようにする
②そのまま送料を支払う
ほとんどの方は①を選んでしまうのではないでしょうか。
また、3,000円以上購入すると駐車代金が2時間延長になるショッピングモールで、ついつい2時間延長しようと3,000円以上買い物をしてしまったことはありませんか。
ヒトは無料という言葉に弱い
行動経済学研究の第一人者でもあるダン・アリエリーさんの『予想どおりに不合理』では、無料について、このように書かれています。
無料!の何がこんなにも心をそそるのだろう。
自分がほんとうに求めているものではなくても、無料!となると不合理にも飛びつきたくなるのはなぜなのか。
わたしの考える答えはこうだ。
たいての商取引には良い面と悪い面があるが、何かが無料!になると、わたしたちは悪い面を忘れさり、無料!であることに感動して、提供されているものを実際よりもずっと価値あるものと思ってしまう。
無料という響きで、ヒトは本来のもの以上に価値を感じてしまいやすくなるのです。
オプション料金をあらかじめ利用時間に組み込み、オプションは無料に
これを応用すると、オプション料金をあらかじめ利用時間に組み込み、オプションは無料にすることで、利用者にとっては同じものでも価値を感じやすくなるのではないでしょうか。
例えば、ゲストがとあるスペースを4時間、たこ焼き器、プロジェクターを利用する場合、どちらも利用金額は5,000円ですが、利用者は②の方に価値を感じやすくなるのではないかと思います。
①1時間あたり 1,000円
たこ焼き器 500円(1回)
プロジェクター 500円(1回) ②1時間あたり 1,250円
たこ焼き器 無料
プロジェクター 無料
ちなみに利用者に対しては、「4時間以上予約いただいた場合、たこ焼き器、プロジェクターは無料でご利用いただけます」ということをしっかり伝えることで、よりオーナーの気持ちが伝わりやすくなると思います。
実際に、レンタルスペースのオーナーさんに対してアドバイスをさせていただくこともありますが、実際に利用者の満足度が上がったという声もいただくこともあるので、よかったら参考にしてみてください。
最後に読むたびにたくさんの気づきを得られる本を紹介します。
今後もレンタルスペースのオーナーをされている方に向けて、行動経済学を活かしたレンタルスペース運営のノウハウを発信していきたいと思います。
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