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洞察力と作文力を鍛えるために

1.はじめに


 就活(就活に限らずではありますが)で自分はどうしていきたいか、やりたいことは何かということを深く考えることがあると思います。
 また、就活においては、そのやりたいこと、考えたことをESという文書に落とし込まないといけません。

 ただ、自分は何をやりたいかが分からないといったことをしばしば耳にします。

 自分が何をしたいか、何に関心があるのかについて考えを整理するとき、自身のこれまでの経験や身の回りや社会で起こっていることで気になること、日常生活を振り返ることが常だと思います。
 何をやりたいかわからないかわからないという人がいる原因として、日常生活で意識や好きなこと、興味関心があることに対して食指を向ける行為が当たり前となっていることが挙げられると思います。当たり前になることによって、いざ思い出す必要があるときになって、「何が好きなんだっけ?」「何がやりたいんだっけ?」となかなか思い出せず、結局やりたいことが整理できないということが起こるのかなと思います。

 自分が何をやりたいのかということをすぐに思い出し、整理するためには、いかに自分の中で当たり前となっている状況を、第三者的立場に立って見つめなおす訓練が必要かなと思います。いかに自分の生活を外において客観的に見て観察するといった、「洞察力」が必要になるのかなと思います。

 こうした自分の身の回りの何気ないことに目を向けてあれこれ広く考察する力をつけて、自分のやりたいことの本質が何かを見抜くために次の2つの訓練がお勧めかなと思います。
 また、就活などにおいてはそれを文章に落とし込む必要があります。モノを書く練習及び作文力の向上にもつながると思います。

2.『黄本 散文』を使って日記みたいなエッセイ書いてみる


 一個目に挙げるのは、生活雑貨大手のLoFtが出している『黄本 散文』で自分の日々や考えを綴ってみるのが良いと思います。単純に、日記を書くのでもブログやSNSで発信しても良いのではと思いますが、それだと他の記事と変わらないので少し変わったものを紹介します。
 また、日記では、その日の出来事を書き綴って、そこから発想を飛ばすまで行くかが少々疑問ではあります。ブログやSNSでは発信するものを考えないといけないのも少々苦労するかなと。

ロフトが出している黄本 散文

 自分の身の回りのこと、日々起こったこと、興味関心を思い出すとともに、そこから発想飛ばして思いや考えを綴る練習にこれはうってつけかなと思います。
 見た目はただのノート、一筆箋みたいな感じです。ただ、こちら365ページあるものなので日記としても使用することができます。
 また、この散文には各ページごとに文章を書くきっかけとなる一文が書いています。小説のような書き出しの一文が端に書いているのでそこから発想を飛ばしてみたり、自分の経験と照らし合わせてみたり、その文自体の意味を考えてみたり、頭をフル回転させることができます。
 そこから随筆文やエッセイのように一続きの文章を書くことになると思います。こうした自分の経験や頭をフル回転させて考えたことを一続きの文章を書く練習は、常に自分を振り返る力、潜在化しそうな出来事や関心事を顕在化させたままにすることに役立つと思います。また、作文力、論理力の向上にも使えると思います。

 加えて、書き出しの一文があるのでブログやSNSといった何もないところ書くよりもいくばくか書きやすいかなと思います。

 日々自分の経験を思い出す訓練として使っても良いのではと思います。

3.身の回りをフィールドワークしよう

 2つ目は、身の回りをフィールドワークしようです。これは身の回りの特に何も意識していないものや風景に気に掛ける練習を行って、それを自分の中で何気ないものとなっている好きなことや生活を見える化することに応用させていこうということを目的としています。その一つの方法かなと思います。
 普段使っているスーパーや公園、病院など何でもいいので30分間ぐらい観察して、見たもの、感じるもの、匂うもの、状況の変化などを余すことなくノートに記録していきましょうというものです。(※注:佐藤郁哉(2002)『フィールドワークの技法 問いを育てる仮説をきたえる』新曜社p162 ←こちらを参考にしています。この本では「羅生門課題」と銘打って紹介されています。)
 普段意識せず利用している場所で一回立ち止まってじっくり観察していると普段見えてこなかったものが見えてくるかなと思います。こんな匂いがあったのか、こんなに人多かったのかなどなど…。
 五感で感じたことをこれも随筆のように書き綴っていくことで、意識していないものに目を向けること、作文力に寄与していくかなと思います。
 最初は、すべてを綴ることは難しいかもしれませんが、次第に慣れていくと思います。これを続けて、その記録したノートを他の人が読んで容易に情景が思い浮かぶと言われるようになったら相当な作文力が身についていると思います。相手に伝えるためには、抽象的にこういう雰囲気だったというだけでは伝わらないと思います。例えを使ったり、具体化させる必要があります。
 ESにおいても、いかに読み手に状況や考えを明瞭にかつ具体的に伝えるかが勝負になってきます。そのうえで、このフィールドワークを行うことは、文章力や表現力の向上に大きく作用すると言えます。

4.まとめ

 洞察力、作文力を上げるために2つの方法を挙げてみました。何をやりたいかを整理するときは、自分が普段生活の中で考えていること、これまでの経験、興味関心を洗いざらい思い出して、言語化する作業が必要になります。ただ、日々無意識におこなっていることをいざ思い出す作業はかなり難しいと思います。なおさら、それを一続きの文章として表現することはもっと難易度が高いと思います。
 普段から、自分自身や何気ない日常を見つめなおす、文字を書く訓練をしておく必要があると考えます。
 結局のところ自分の普段のことや何気ないことを文章として表してみることが重要で、ブログでもなんでもいいやんという話ではありますが…。ちょっとユニークな方法を提示してみました。またこちらの方が、想像力豊かに表現することになると思いますし(黄本の方)、細かな視点も見につきやすいと思います(フィールドワークの方)。両方とも頭をフル回転させる、感覚を研ぎ澄ます練習になると思います。

 もしよければ、実践してみて下さい。

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