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Microsoft製ERPコンサルタントの仕事の奥深さや市場価値とは?ベテランと新人の2名が語ってくれました。

エヌティ・ソリューションズで、Microsoft製ERP「Microsoft Dynamics 365 Finance & Operations」の導入を手掛ける、コンサルタント2名の座談会を開催しました。会計システムをリプレイスするプロジェクトのマネージャーとメンバーであり、ベテラン上司と新人部下でもある、服部さんと浪岡さん。仕事内容、製品の強み、社風のことなど、ざっくばらんに語ってもらいました。

【プロフィール】

服部 祐一(Dynamicsサービス部 Dynamicsサービス1課 課長)

専門商社の営業職や、社会保険労務士事務所での勤務を経て、米国公認会計士(USCPA)を取得。その後、会計系のパッケージソフトメーカーにコンサルタントとして入社。保守から導入までを一貫して担当した。会計系以外にもスキルを広げるために、2005年にエヌティ・ソリューションズに転職。現在は、Microsoft製のERP「Dynamics 365 Finance & Operations」の専任コンサルタントチームの課長を務めている。休日は愛犬のトイプードルの世話をしている。

浪岡 倫之(Dynamicsサービス部 Dynamicsサービス1課)

大学卒業後、システム関連会社に入社。大手物流企業の情報システム部門で、事務系システムの改修・保守や、会計系ERPの導入や運用に携わった。ERPの知見を活かしながら、コンサルタントとしての業務を経験するために、2021年6月にエヌティ・ソリューションズに転職。休日は、スコッチウイスキーを嗜むのが趣味。

入社後4ヶ月の教育期間で、専門知識をキャッチアップできた

●服部さん
浪岡さんは2021年の6月にエヌティ・ソリューションズにジョインして、1年と少しが経ったね。前職では、ユーザー側の立ち場でERPを扱っていたけど、コンサルタントの仕事に戸惑いは無かった?

●浪岡さん
入社前に少し不安な気持ちはありました。ERPといっても、Microsoft製のものは扱ったことが無かったので。ただ、入社後は教育期間を設けてもらえたので、現場に出る際には困らなかったですね。最初の2ヶ月間は、座学での研修を受講しました。エヌティ・ソリューションズが外部に提供しているオンライン教育コンテンツ「DLP Online」も活用することで、専門知識を素早くキャッチアップできました。「Dynamics 365 Finance & Operations(D365 FO)」の基本的な機能や開発手法は、この2ヶ月間で押さえることができたと思います。

●服部さん
2ヶ月で一通り理解してもらった後には、マニュアル作りをお願いしたよね。

●浪岡さん
そうですね。次の2ヶ月間では、あるプロジェクトでのマニュアルを作成しました。ここでより実践的な理解が深まりましたね。前職で学んだ会計系の知識は、そのまま活かせることに気づきました。全員の中途入社者に対して、ここまで手厚く「助走期間」を設けていただくのは驚きましたし、とてもありがたかったです。ERP経験者とはいえ、いきなりお客様先に出るのは、やはり不安ですので。そういえば、最初に入った会社では、1週間でいきなりプログラミングの現場に入っていました(笑)。

お客様の業務を、どこまでERPに寄せるのが正解なのか?

●服部さん
そして、2021年10月、4ヶ月の教育期間が終了して、私がリードするプロジェクトにジョインしてくれました。スタートの段階から携わってもらって助かっています。お客様は食品系の会社で、大手ベンダーと協働しながら、まずは上流工程の要件定義を経験しましたよね。

●浪岡さん
販売系のシステムを残しつつ、会計システムを「D365 FO」にリプレイスするプロジェクトで、前職の会計系の経験を活かすことができています。お客様の「業務を標準化することで、効率化したい」という課題感を詳細に把握しながら、「D365 FO」の機能に反映していきましたよね。

●服部さん
浪岡さんは、「D365 FO」を扱うのは初めてなのですが、頑張ってくれたと思う。お客様の既存業務をどこまでERPの仕様に合わせるのか、何度も検討しましたよね。当初は、お客様への影響を少なくするために、カスタマイズを多く施す形での要件定義を行っていた。だけど、お客様とすり合わせを行う中で、「業務内容をERPに寄せることで、よりドラスティックに効率化を図る」という方針になった。そこからは何度か要件の見直しを重ねて、「D365 FO」の機能を最大限発揮できる形に落ち着いたよね。

●浪岡さん
私自身の担当領域では、そこまで大きな変更はありませんでしたが、服部さんは大変でしたよね(笑)。カスタマイズが必要となる要件を減らしていましたから。

●服部さん
カスタマイズに頼りすぎると、どうしても障害のリスクが高くなる。できるだけERPの機能に寄せた方が、スムーズに業務変革が進むことが多い。確かに見直しの作業量は多かったけど、業務を効率化できる確信はより強まったので、そこまで苦ではなかったよ。

自分の手で触って、頭で考えることで、システムを初めて理解できる

●服部さん
浪岡さんにとって、この初めてのプロジェクトで大変だったことはある?

●浪岡さん
外部システムから「D365 FO」にデータを連携させるのですが、その仕様を決めるのには、苦労しましたね。以前の仕様書とにらめっこをしながら、元データを自分で読み解いて、何とか形にすることができました。また、固定資産を担当しているのですが、私自身の経験が乏しいので、こちらもシステムを触りながらマスター設定を行っています。ただ、分からないことを自分の手で調べるのは好きなんですよ。知識を蓄えながら、物事の構造を明らかにする作業には、時間を忘れて没頭できます。前職でも、ERPのリプレイスを担当した際に、期首残高の情報や、固定資産台帳を実行するためのデータを掘り起こしたことがありました。その作業を行ってからは、誰よりも理解が進んで、他のメンバーからも頼られるようになりましたね。

●服部さん
私も同じ意見です。机上の情報や、打ち合わせでのレクチャーだけでは、そのシステムの本質を理解することは難しいと思う。自分の手で触って、頭で考えて、試行錯誤すること無しには、本当の意味でそのシステムを捉えることはできない。その先にこそ、コンサルタントとしての付加価値の高い提案が生まれるんだよね。

ERPの導入ではなく、DXによる業務効率化がゴール

●服部さん
何とか要件定義が完了して、2022年5月から設計フェーズに入った。コンサルティングチームは計6名。それぞれのメンバーで機能を分担して設計作業を進めているけど、いま、浪岡さんのメインの仕事は何ですか?

●浪岡さん
開発担当者が作成した設計書のレビューですね。ただし、業務をより深く理解したいので、自分でも一部の設計書の作成を担当しています。そこで得た知見は、レビューにも大いに役立っていますね。

●服部さん
そうですね。まずは自分で手を動かした方が、必要なスキルが早く身につく。コンサルタントと言えど、開発工程で試行錯誤するのが大切なんだよね。ちなみに、エヌティ・ソリューションズのコンサルタントは、保守まで一貫して担当している。最後まで携わることで、幅広いスキルを身につけることができるから。仮に本稼働後の障害が起こると、テストケースの問題点が浮き彫りになるよね。それを改善することによって得られた知見は、必ず他のプロジェクトにも活かすことができる。「導入して引き継いで終わり」では、お客様の現場で起こっていることが把握できない。ERPはパッケージソフトの一種ではありますが、導入後の改善活動にこそ、大きな価値が眠っていると思ってる。

●浪岡さん
その実感はあります。前職ではユーザー側にいたので、ERP導入後の業務を長く経験しました。服部さんが言う通り、現場の社員に活用してもらう中で、想定していないことが多く起こります。そこにどう対処していくのかが、業務の効率化の正否を分けます。私は、ERPの導入がゴールではなく、その先のDXの推進がゴールだと思っています。ユーザー側の経験を活かして、そのゴールに向かってお客様に伴走していきたいですね。

「D365」は、様々なアプリケーションやAzureと連携しやすく、柔軟性と拡張性を兼ね備えている。競合製品も少ない

●服部さん
浪岡さんが「ERP導入がゴールではなく、その先のDXがゴール」と言ってくれたけど、私もその通りだと思う。そのゴールにお客様を導く、現段階での最適な手法が「D365」だと信じているんだよね。その理由はいくつかあるんだけど、1つ目は「中堅企業が導入できる同価格帯のERPが少ない」こと。会計や人事・給与など、特定の領域をカバーするものはあるけれど、生産管理、販売、購買、在庫管理、原価計算など、全ての基幹業務を網羅して、且つ、OneVersionと言って、バージョンアップの必要がなく継続使用が出来るWorldwideなSaaS型ERPは他には無いと言っていい。

●浪岡さん
確かに、私はユーザー側でERP導入を検討したことがありますが、「D365」と同じようなものはあまり無かったと記憶しています。

●服部さん
もう1つの理由であり強みは、Microsoftのブランドとしての信頼感があること。提供元としてのブランドや安心感は、他の追随を許さない。さらにもう1つは、Azureや、様々なアプリケーションとマイクロサービスで連携でき、世界中のシステムと繋がる。お客様の業務をあらゆる角度から効率化して、集めたデータで高度な分析ができる。私も、他のERPを扱ったことがあるけど、ここまで汎用性と拡張性を両立している製品はなかなか無い。

●浪岡さん
コンサルティングの現場でも、その強みは感じています。Microsoft製品はお客様のあらゆる業務に入り込んでいるので、それらと連携することで既存業務への影響をとどめることができます。ドラスティックな変革を行うよりも、積み上げてきたものを活かしながらDXを進めたいお客様には、よりフィットするでしょうね。日本企業に向いているERPだと感じています。

日本マイクロソフト社からの信頼を武器に、お客様に対峙できる

●服部さん
浪岡さんが入社して1年が経ちましたが、エヌティ・ソリューションズの技術力について、感じていることはあります?

●浪岡さん
協力会社のコンサルタントやエンジニアの皆さん、そしてお客様からも高い評価をいただいていると感じますね。頼られているのが、目に見えて感じますから。「D365」の経験と実績が秀でているので、一目置かれる存在になっているのだと思います。開発者にも優秀な方が多いですね。今回のプロジェクトでシステムの実装を担ってくれるエンジニアの比嘉さんは、とても信頼できる仲間です。30歳前後の若手社員なのですが、システムの構造を理解していて、開発の進め方にも無駄がありません。こちらの意図を汲みながら、新たな提案もしてくれるので、私自身としても勉強になっています。

●服部さん
Microsoft製のERPを、我々は初期の頃からずっと扱ってきた。市場の拡大とともに歩んできた中で、独自の経験やノウハウ、信頼を積み上げてきたんだと思う。日本マイクロソフト社からも頼りにされることが多いよ。新プロダクトの説明用のホワイトペーパーを我々が作成したり、他社のコンサルタントや開発者、ユーザー向けの「公式教育コンテンツ」も配信している。日本マイクロソフトとの関係性を活かしながら、お客様に最先端のソリューションを提供できることも強みになっています。

役職名を使わず、常に“さん”付け。フラットな社風の中で、「メンバーに任せる」

●服部さん
先ほど、開発者の比嘉さんの話が出てきたけど、エヌティ・ソリューションズの社風や会社の雰囲気はどのように感じている?

●浪岡さん
入社してすぐに、「役職名は使わずに、“さん”付けで呼んでください」と言われて、驚きました(笑)。上司と部下、先輩と後輩の関係を過度に意識することなく、自然体で働けています。前職では、なかなか考えられません。

●服部さん
私も「服部さん」としか呼ばれないので、自分が「課長」であることを忘れてる(笑)。あえて意識するのは、評価の面談の時くらいかな。直属の役員の南雲さんとも、敬語もほとんど使わずに会話しています。本人がフランクで役員っぽくないのもあるんだけど(笑)。

●浪岡さん
とても風通しの良い社風だと思いますね。現状は100%リモート勤務ですが、分からないことなどを聞くと、すぐにチャットで返信してくれます。これまでに色々な方と打ち合わせをしてきましたが、純朴で真面目な人が多いと感じています。ピュアに技術を追求しながら、お客様のことも真摯に考えている人ばかりです。私自身も、コツコツと自分なりに工夫しながらやっていくタイプですので、気の合う方が多いですね。

●服部さん
そういった社風も意識しながら、私自身は「メンバーに任せる」ことを大切にしている。メンバーが自発的に仕事を進めることで、自らの頭で考えて、失敗からも学べると思っているから。もちろん必要なアドバイスは行うけれど、進め方は本人の意思に委ねる。プロジェクトのアサインも、メンバーの志向や強みを意識しながら進めています。

●浪岡さん
それはありがたいです。いま携わっているプロジェクトも、会計システムのリプレイスがメインですので、前職での強みが活かせています。かつ、固定資産の機能や設計書の作成を担当することで、知識の幅も広がっています。入社して1年ですが、コンサルタントとしての成長実感を持てているのは、間違いないですね。

コンサルタントとしての市場価値を上げるには、最適な環境

●服部さん
最後に、浪岡さん。2年目以降の目標はどのように考えていますか?

●浪岡さん
まずは、このプロジェクトを完遂することが目標です。開発フェーズに入りましたが、コンサルタントとしてシステム全体を俯瞰しながら、開発業務を支援していきたいと思っています。そして、会計以外の領域のリプレイスにも関与したいですね。前職は物流会社のシステムを扱っていたので、販売管理や生産の領域には触れたことがありません。自分の守備範囲を広げて、お客様に統合的なDXの支援を行うのが目標です。「D365」のコンサルタントの需要は非常に活況ですので、自分自身の市場価値も高めていけると確信しています。

●服部さん
「D365」のニーズが高まっているのは、私も強く感じている。おそらくこれからはより右肩上がりになると思う。それに対応するために、若い人を育てていきたい。まずは、コンサルタントを志望する人を増やすために、我々の実績や仕事ぶりを伝えていきたいと考えています。

個人的に、この仕事で面白いと思うのは、コンサルタントが組織の課題を解決できること。ERPを導入するだけではなく、組織上の課題をクリアにして、より高度に活用できるように働きかける。部署と部署をつないだり、特定の部署での活用を促したり。そのようなヒューマンスキルを持つ人は、コンサルタントとして独自の価値を発揮できると思う。開発ができなくてもいい。プログラミングに興味が無くても大丈夫。我々の教育ノウハウを活用して、とにかく多くの若手を育てていきたいんだよね。

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