〜AIが生みだす知識は誰のものか〜
2022年11月登場したChatGPTの勢いが止まりません。生成AIというアルゴリズムも派生して、世界は知財ビジネスで沸騰している最中です。AIが生み出す会話や提案・主張、作品は誰のものなのかはまだ定まっていません。多くの制作物には著作権という権利が定められており、知的財産権というモノではない資産が認められるのが現代です。この理論と技法を法政大学法学部で知的財産を学ばれた田村◎◎さんが今回の主人公です。
新卒入社でさっそく超大型書籍の編集に携わっています。
◆ご出身とご自身を
埼玉県川口市出身で兄と二人兄弟です。兄はIT系の仕事をしていますが、私は読書が好きで社会派小説で多くの作品を出している桐野夏生さんが一番です。小説『日没』にはまり、熟読していました。家にはトイプードルの老犬がいて、きちんとお世話をしています。犬の散歩も兼ねて、毎日ジョギングを欠かさず、体を動かすことが好きです。中学高校ではダンス部に所属していて、HIPHOPやチアダンスに明け暮れていました。
家の手伝いもきちんとするんですよ。家族のために料理もするし、何よりお風呂そうじが大好きで、ピカピカに仕上げると嬉しくなります。
◆今のお仕事は
NTSには大学で学んだこれからの著作権のあり方や世界の論文の引用手法などを実務に活かしながら、大型書籍の企画と編集をやりたくて志望しました。これからの出版では電子書籍による、「本のバラ売り」や「必要な情報だけを切り取る」ことが求められていると思うので、手掛けてみたいと思っています。
初めて任された『DXデジタルトランスフォーメーション事例100選』は100人以上の著者が関わる大仕事で、数百ページの原稿を預かりながら編集に苦戦しているところです。まもなく年内には発刊の予定なので、緊張しながらも良い仕事に出会えたと思っています。
◆ご自身のことをもう少し
私は段取りや作業を手早くこなすことに生きがいを感じています。前もって仕事の全体像を想像しながら、それぞれのプロセスやつながりを意識して、何より「速く仕上げる」ことに集中するように努めてきました。
「仕事が早いね」と言われると嬉しいので、雑にならずにきちんと振り返りながら積み上げるように心がけています。まだ学びながらの仕事なので、早く自立というか全部を任せていただけるように努力したいと思います。
もし次の仕事を企画からさせていただけるとしたら、絶滅危惧種を守るための生物分野、生物の遺伝子などのテーマの書籍を手掛けたいと思っています。
大学で学んだ知的財産に関わることですが、急激に台頭しているAIについても、利用しながら使いこなすための構想力や感性を高めておく必要があると感じています。AIはあくまでも道具として使うべきであって、創造性や問題提起はヒトでなければできない分野です。そのためにも、社会や時代を幅広く深く学びながら、社会に役立つ良い書籍を作りたいと思っています。
NTS企画部長曰く、「シャイな人だから、詰めないようにインタビューしてください」との注文をもらいましたが、どうしてどうして強い芯を感じるレディでした。これからの情報化社会の主役は、コンピュータを外せませんが、道具として使いこなす主人公はヒトの想像力に勝るものはないでしょう。感性や感覚、感情や心理などのヒトの科学的なアプローチが大切になりそうです。NTSにも若い多様な人材が集まり始めていることを感じたインタビューでした。
<2023/08/17>