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私はなぜ野球を撮るのかを考えてみた

野球が好きです。25年も好きです。ありがたいことに野球を撮ることが仕事になり、14年が経ちました。

仕事以外でも野球を見に行く時間は多いです。

球場にいるだけで満足
撮らなくても楽しい

それでも必ずカメラを持っていきます。

素朴な疑問が浮かびました。

私はなぜ撮るのだろう。
撮ることの何に喜びを感じているのだろう。

写真で喜んでくれる人がいる

もちろんとても大事でありがたく、光栄なことです。幸せです。

ただ最近、撮り終えた写真をなかなかまとめられないことに悩んでいます。なぜだろう。なぜ手が付けられないんだろう。見たくて待っている人がいるのに。

わかっていても、選べない。

仕事なら、割り切れます。
けれど、自分の作品はいい意味で適当になれない。
よりよく、満足度の高いものを、そうして自分を縛っている感じです。

変なこだわりが邪魔をしている。

大変申し訳ない気持ちです。

でも「なぜ撮るのか」をもっと突き詰めたら、大事なことに気がつきました。

写真を見て喜んでもらうことよりも、撮っている瞬間、ファインダー越しに見える世界、選手の息づかいや感情を近くで感じられることが好きなのだということ。

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感情のピークはシャッタを押した瞬間。

だから、撮り終えたあとに余力がないのです。

それだけ撮ることに全力を出しています。
球場での集中力は半端ないと思います。アスリートの方がいう、ゾーンに入っている感覚と近いかもしれません。

プレーの一挙手一投足に注目していると、選手のわずかな感情の揺れが見えるときがあります。その瞬間がたまらない。

いま、何を思ったか
次のプレーはどうか
そういうえば、あの時のプレーで

何点入ったとか、三振いくつ取ったとか、もちろんそういう野球の楽しみもあります。

でも、そこだけじゃない。
むしろ、そこじゃないと言ったらいいか。

ひたむきに、野球の没頭し、試合に入りこめている選手の気持ちを感じたくて球場にいるし、ファインダー越しに些細な表情の変化など、少しでも近くで見たい。

撮った写真は結果でしかなくて、私はその過程に幸せを感じている

だからカメラを構えるのです。

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・・・

カメラマンを始めたころ、師匠に「止まっている写真はスポーツ写真じゃない」と言われました。

以降、仕事では常に「動きのある写真」「感情がしっかり見える表情」を求められてきました。

それは正しい。
野球をしているのがわかるのは打ったり、投げたり、走ったり、クロスプレーだったり、動きや躍動感のある写真は引き付けられます。

だけど、今の私は「静の中にも動がある写真」を求めてる。

視線
空間(余白)
背景

動というのは身体的なものでなくて気持ちの揺らぎのようなもの。
目に見えないものを写真に残すのは難しいことですが、そこに挑み続けている気がします。

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・・・

いつも撮り終えると満足感でいっぱいです。
ああ、今日も素晴らしい試合に立ち会えた。来てよかった。

試合展開がどうとか、応援しているチームが勝ったとか負けたとかではなくて、選手たちの気持ちを近くで感じられたことの喜び。

撮りながら泣くこともあります。

試合後に脱力感がものすごく、動けなかったこともあります。

私も撮りながら戦っている、立ち向かっている感覚です。

感情を大いに揺さぶってくれる選手にもっと出会いたい。そういう選手やチームをたくさん見つけたい。

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試合後に話を聞くと、私が大げさに受け取っていた、なんてことも多々ありますが、まあいいです(笑)

幸いにも、たくさんの素晴らしい選手たちに出会えたから、こうして今も野球を撮る活動を続けることができています。ありがとうございます。

恩返しができるとしたら、その写真を目に見える形で残していくことだというのは、十分承知しています。

そこはこれからも課題です。

ただ、残すことや発信することを一番に考えて、余力を残すような、手を抜いた撮影はしたくない。本末転倒です。

撮り手である私がまず喜び、幸せであること

大切なものは見失わないように、これからも撮り続けます。

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掲載した写真は、社会人軟式野球で活躍しているみなさんです。純粋に野球を愛し、一途に続けている選手がたくさんいます。
そんな彼らが大好きで、彼らがいる限り、私は撮り続けると思います。

写真はホームページで公開していきます。
リニューアルし、まだ素材不足ですがよかったらご覧ください。
Naoko.T photography
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